【京成杯】ハイブリッド式で消去確実は3頭だけ!? 注目はソールオリエンスと激穴馬!

八木遊

過去10年の京成杯『前走左回り』かつ『前走2着以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

2023年の幕開けを飾る重賞『中山金杯』は、アラタ、コスモカレンドゥラ、マテンロウレオ、ラーグルフの4頭が残り、三連複ボックス4点で勝負した。しかし、馬券に絡んだのは1着ラーグルフだけ。2着クリノプレミアムと3着フェーングロッテンを消していたため、黒星スタートとなった。

今週は15日に中山で開催される『京成杯』を予想していく。いつも通り過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去する。登録は9頭と寂しい頭数となったが、今後が楽しみな好素材の馬もいて、見逃せない一戦だ。

『前走左回り』×『前走2着以下』★0.0%★

最初に取り上げるのは、前走で左回りのコースを走っていた馬。過去10年の成績は【2-2-1-28】(複勝率15.2%)とやや苦戦している印象だ。馬券に絡んだ5頭に共通していたのは、前走が1着だったこと。前走2着以下の馬は15頭いたが、全て4着以下に敗れていた。昨年も1番人気アライバルが4着、2番人気テンダンスが5着とそろって馬券圏外に沈んでいる。

登録がある9頭のうち、この条件に当てはまったのは前走・東京スポーツ杯2歳S6着のシルバースペードだけだった。まずはこの馬を消去するところから始めたい。

【今年の該当馬】
・シルバースペード

『社台系生産』×『キャリア4戦以上』★0.0%★

続いて注目したのは生産牧場だ。2つ目で社台系生産馬、3つ目では非社台系生産馬を取り上げる。まずは過去10年で【6-7-6-46】(複勝率29.2%)の社台系生産馬だが、馬券に絡んだ19頭にはキャリア3戦以下という共通点があった。つまり13頭いたキャリア4戦以上の馬は馬券に絡んでいなかったということ。2つ目はこの組み合わせで頭数を絞りたい。

この条件に当てはまったのは、社台ファーム生産馬で、すでに4戦を消化しているオメガリッチマン。5日のジュニアCで7着に敗れており、ローテーション的にも買い要素はないとみて消去する。

【今年の該当馬】
・オメガリッチマン

『非社台系生産』×『前走で人気より下の着順』★5.3%★

続いては過去10年で【4-3-4-66】(複勝率14.3%)の非社台系生産馬だ。凡走パターンは前走で人気を裏切る着順に負けていたこと。2015年に5番人気のプレイアンドリアルが優勝しているが、他の18頭はそろって馬券圏外に沈んでいる。

今年このデータに当てはまったのは、前走・朝日杯FSで10着に敗れたグラニット。9番人気だったため、あえなく消去リスト行きとなった。

【今年の該当馬】
・グラニット

『前走上がり4位以下』×『今回馬番1~4番』★5.3%★

3つの条件を終えて9頭中3頭が消えた。残る2つは執筆時点では確定していない枠順と当日の馬体重に関するものを取り上げる。

4つ目は前走の上がり3ハロン順位が4位以下の馬。過去10年の成績は【3-2-2-58】(複勝率10.8%)だが、京成杯で馬番1~4番という条件を組み合わせると【0-1-0-18】(同5.3%)と、複勝率10%未満となった。今年は最大で9頭立てのため、真ん中より内目の枠に入った馬は消去対象となる。

残っている6頭のうち、前走の上がり3ハロン順位が4位以下だったのは以下の4頭。上位人気が予想されるシャンパンカラーとセブンマジシャンも1~4番ゲートに入れば消しの対象となる。

【今年の該当候補】
・シーウィザード
・シャンパンカラー
・シルヴァーデューク
・セブンマジシャン

『前走時馬体重増』×『今回馬体重6kg以上増』★5.6%★

最後は前走時の馬体重と京成杯当日の馬体重を組み合わせる。これも3つ目の条件を終えて残っている6頭が対象だ。

チョイスしたのは前走時の馬体重がプラス、さらに今回が6kg以上のプラス体重だった馬。過去10年で18頭いたが、馬券に絡んだのは19年に2番人気で2着したランフォザローゼスだけだった。

6頭のうち前走がプラス馬体重だったのは以下の3頭。この3頭は4つ目の枠順データにも名を連ねており、たとえそれをクリアしたとしても馬体重次第で消去の可能性が残る。

【今年の該当候補】
・シーウィザード
・シルヴァーデューク
・セブンマジシャン

全ての条件を終えて確実に残るのは、ソールオリエンスとサヴォーナの2頭となった。1戦1勝の前者は1番人気の可能性もある有力馬だが、後者は激穴馬と呼べる存在。11月の福島で未勝利戦を勝ち上がっての昇級初戦だが、その勝ちっぷりからコーナー4つのコースは合うはず。

この2頭と4~5つ目のデータで消去を免れた馬と合わせて、今週も三連複ボックスで勝負する。ちなみに、もし2頭しか残らなかった場合の買い目はワイド1点とする。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。

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