【日経新春杯】参考レース振り返り 実績最上位のヴェルトライゼンデ、データ優位の菊花賞組

三木俊幸

2023年日経新春杯に出走するヴェルトライゼンデ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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参考レースの振り返り

1月15日(日)に中京競馬場で行われる日経新春杯(GⅡ・芝2200m)について、出走予定馬の参考レースを過去10年の傾向とともに振り返る。

ジャパンC【データ:C レースレベル:A】

過去10年の成績【0-0-0-7】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%

前走ジャパンC組は過去10年で馬券圏内への好走はなく、2019年ノーブルマーズと2020年タイセイトレイルの4着が最高着順となっている。

レースはユニコーンライオンが逃げる展開で、1000m通過は1:01.1。最後の直線で各馬が一団となったところ、我慢して馬群を捌いてきたヴェラアズールが勝利した。

日経新春杯に出走予定のヴェルトライゼンデは、好位のインでじっと脚をためる形。抜群の手応えで直線に向くと、残り100m付近で一旦は先頭に立ったかという場面を作り、最後に交わされて3着。レース内容は高く評価できる。

今回のメンバーの中では実績最上位。ハンデ戦で斤量が重くなる点がカギとなりそうだが、中京コースは3走前に鳴尾記念を勝利、3歳時には神戸新聞杯でコントレイルの2着という実績もあり、適性に不安はない。

菊花賞【データ:A レースレベル:A】

過去10年の成績【3-0-0-8】勝率27.3%、連対率27.3%、複勝率27.3%

ジャパンCと対照的に最多の3勝をあげているのが、前走菊花賞組だ。レースはセイウンハーデスが1000m通過58.7というペースで逃げ、2番手から運んだアスクビクターモアが、ゴール前で追い込んできたボルドグフーシュとの接戦を制した。2着のボルドグフーシュはその後有馬記念でも2着と好走しており、上位馬に関してはそれなりに高いレベルにあったが、全体的なレースレベルはA評価とする。

勝ったアスクビクターモアから1.2秒差だった6着ヤマニンゼストと7着プラダリアは、両馬ともに中団より後方からレースを進め、直線では外に持ち出したが伸びず。距離短縮は歓迎材料だと言えるだろう。

2023年日経新春杯に出走するヤマニンゼスト,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


ヤマニンゼストは今回と同じ舞台の神戸新聞杯で2着と実績があるが、後方から運ぶタイプで展開の助けが必要。プラダリアは先行力を兼ね備えているものの、切れる脚がないので上がりのかかる展開が理想だ。

中日新聞杯【データ:C レースレベル:B】

過去10年の成績【0-1-1-10】勝率0.0%、連対率8.3%、複勝率16.7%

レース別では最多タイとなる12頭が出走したものの、馬券圏内への好走は2018年2着ロードヴァンドールと2022年3着ヤシャマルの2頭と少ない。

レースはギベオンがハナを奪うが、1000m通過が1:01.9というスローペースで先行馬群が密集する展開。ゴール前は先に抜け出したマテンロウレオが押し切るかと思われたところに馬群を割ってきたキラーアビリティが1:59.4というタイムで差し切り。7着までがハナまたはクビ差というハンデ戦らしい結果だった。

5着ハヤヤッコは道中インの10番手でじっと我慢。直線は何とか進路を見つけながら捌いて伸びたが、瞬発力勝負になってしまったのも分が悪かった。それでもトップハンデ57.5kgを背負っての善戦で、200mの距離延長も問題ない。昨夏の函館記念を勝利しているように道悪や力のいる馬場も歓迎。前走以上の結果を期待しても良さそう。

2023年日経新春杯に出走するハヤヤッコ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


7着イクスプロージョンは道中8番手を追走。4角から鞍上の手が動き始めたが、スムーズに外目へと持ち出すもジリジリとしか伸びず。こちらも展開が向かなかったと言えるだろう。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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