【ホープフルS】兄キラーアビリティとの連覇に期待 東大HCの本命はジェイパームス

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JRA年内最後のGⅠ
今週水曜は中山芝2000mを舞台に、GⅠ・ホープフルSが行われる。同コースの葉牡丹賞を1分59秒1の好タイムで制したミッキーカプチーノ、出世レース・東スポ杯2歳S1着ガストリック、3着ハーツコンチェルト、野路菊Sを勝ったファントムシーフなど18頭がエントリー。来年のクラシック路線に向けて重要な一戦となる。
イクイノックスが現役最強を証明した有馬記念の余韻も冷めやらぬところだが、JRA年内最後のGⅠをきっちり的中で締めくくりたいところ。今週も過去のデータから馬券のヒントを探っていく。
消去を免れる馬は?

ホープフルSは前走の結果次第で成績に大きな偏りがあり、好走馬を絞りやすいレース。GⅡに昇格した2014年以降、過去8年のデータを使用する。
まず前走で勝利、またはタイム差なしでの敗戦だった馬が馬券圏内を独占しており、この条件を満たす馬は複勝率3割を超える(前走ダート【0-0-0-7】を除くと複勝率34.3%)。逆に0秒1差以上の敗戦を喫している馬は39頭が全滅。東スポ杯2歳Sで惜敗した3頭は人気を集めそうだが軽視が妥当か。
消去を免れた13頭のうちガストリックとモンドプリューム(前走ダート)を除く11頭が前走芝2000m組なので、ここを掘り下げる。前述の条件をクリアしたうえで前走が芝2000mだった馬は【4-3-4-33】、ここから連対した馬は(1)前走逃げていない(2)前走上がり3ハロン3位以内(3)前走2番人気以内をすべて満たしていた。ここに当てはまらないグリューネグリーン、トップナイフ、キングズレインは評価を下げたい。
また前走の走破タイムが2分4秒0より遅かった馬も2連対しているが、2014年1着シャイニングレイは前走が降雨の中でのレース、2015年1着ハートレーは前走が稍重馬場と時計が出にくいコンディションだった。晴れ、良馬場の芙蓉Sで勝ち時計2分4秒4を要したシーウィザードについても検討から外す。
残ったのはファントムシーフ、セレンディピティ、セブンマジシャン、ガストリック、ジェイパームス、ジュンツバメガエシ、ボーンイングランデ、ミッキーカプチーノの8頭。該当馬から印の上げ下げを考えたい。
兄弟連覇へ
◎ジェイパームス
東京芝2000mの新馬戦では好発から番手に控え、ラスト3F11.4-11.3-11.1という加速ラップの中を一頭だけ突き抜けての3馬身差快勝。残り300mまでルメール騎手が追わず、最後まで大きなアクションを繰り出すことなく後続と差を広げていった内容に大物の相を感じさせた。
半兄は昨年のホープフルS勝ち馬キラーアビリティという筋の通った血統で、同じ父ジャスタウェイからは2年前のホープフルSを勝ったダノンザキッドが出ている。まさにこのレースで買いたいプロフィールを兼ね備えており、キャリア1戦でGⅠタイトルをつかめる器とみる。
◯ガストリック
2番手もジャスタウェイ産駒の同馬。東京芝1800mの新馬戦では最内から直線大外に持ち出し、33秒3の上がりを記録しての差し切り勝ち。レース上がりが34秒4だったことを考えると別次元の末脚といってよく、素質馬揃いの東スポ杯2歳Sを制したのもうなずける。出走馬中でもかなり質の高いエンジンの持ち主だ。
鞍上の三浦皇成騎手はキャリア15年目、ここまでJRA・GⅠでは【0-2-7-99】と108連敗中だが、久々にチャンスのある馬への騎乗。同じ前田幸治氏所有馬では2018年の天皇賞(春)、クリンチャーで3着に入った実績もある。年末最後の大舞台で悲願達成のシーンも。
▲セレンディピティ
阪神芝2000mの新馬戦では2着に敗れたものの、勝ち馬は京都2歳Sで1番人気に支持された素質馬グランヴィノス。続く未勝利戦ではゲートで後手を踏み最後方からの競馬になったが、3角から徐々に進出して4角では大外を回し、ほぼ追わずに4馬身差の快勝。上がり最速34秒7は同2位の35秒7より1秒も速く、こちらもなかなかの器だ。
鞍上の武豊騎手は昨年ドウデュースとのコンビで朝日杯FSを制し、いよいよJRA・GⅠ完全制覇へホープフルSを残すのみとなった。十分に戴冠の可能性を感じさせる馬で、熟練の手綱さばきにも注目したいところだ。
以下ファントムシーフ、ミッキーカプチーノ、セブンマジシャンまで印を回す。馬券は◎から印に流す馬連とする。
▽ホープフルS予想▽
◎ジェイパームス
◯ガストリック
▲セレンディピティ
△ファントムシーフ
×ミッキーカプチーノ
×セブンマジシャン
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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