【ターコイズS】エリカヴィータ、ママコチャら3歳勢中心! 穴は重賞敗退馬の巻き返し

勝木淳

ターコイズSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

53、54キロの3、4歳馬

春はマイル、秋は中距離と牝馬路線は適性がシフトする。マイル戦線を進む牝馬にとって12月の牝馬限定マイル重賞は貴重な存在であり、毎年頭数もそろう。重賞になって7年、馬券圏内21頭のうち、ヴィクトリアマイル出走馬は7頭。3割がその年のヴィクトリアマイル出走馬というデータを多いととるか少ないととるか微妙なところ。今年該当するのは4着ローザノワール、7着アブレイズ、10着ミスニューヨーク。ミスニューヨークは昨年の覇者。リピーターレースであり、連覇は17、18年ミスパンテールが達成。可能性を感じる。

また、ヴィクトリアマイルに出走できない3歳馬が馬券圏内7頭と優勢であることを考えれば、奮闘しているともいえる。データは重賞昇格後、過去7年分を使用する。


過去7年ターコイズS人気別成績,ⒸSPAIA


波乱の多い年末開催で行われるハンデ重賞とあって荒れそうな気配を感じるものの、1番人気【2-0-1-4】勝率28.6%、複勝率42.9%、3番人気【1-3-1-2】勝率14.3%、複勝率71.4%など上位人気がどこかに入る印象。勝ち馬は6番人気以内6頭で、人気薄勝利は昇格元年の15年11番人気シングウィズジョイのみ。その10番人気以下は【1-2-3-43】勝率2.0%、複勝率12.2%。2、3着で比べると6~9番人気【0-1-2-25】複勝率10.7%より確率は上。半端に穴を狙うより2、3着は思い切った人気薄がおもしろい。


過去7年ターコイズS年齢別成績,ⒸSPAIA


冒頭でも触れたように年齢別では3歳が【4-2-1-25】勝率12.5%、複勝率21.9%で勝ちきる傾向。今年もサブライムアンセム、エリカヴィータの重賞ウイナーに昇級初戦ママコチャなどがスタンバイ、有力だろう。古馬は4歳【2-4-3-23】勝率6.3%、複勝率28.1%が有力も2、3着が多い点には注意したい。


過去7年ターコイズS斤量別成績,ⒸSPAIA


ハンデ戦なので斤量の成績も確認する。勝率では牝馬限定戦では重ハンデに入る56キロが【2-0-1-9】勝率16.7%、複勝率25.0%。2勝は4、5歳。連覇を狙うミスニューヨークあたりに課されそうだが、同じハンデ戦の中山牝馬Sで55キロ、牡馬相手の同舞台京成杯AH54キロ。中山牝馬Sで先着されたアブレイズもいるので、そこまで課せられない公算も高い。

1キロ軽い55キロは【0-0-3-17】複勝率15.0%なので、それなら53キロ【3-3-0-25】勝率9.7%、複勝率19.4%、54キロ【2-2-2-24】勝率6.7%、複勝率20.0%が良績。3歳54キロ【2-1-1-7】勝率18.2%、複勝率36.4%、4歳同斤【0-1-1-8】複勝率20.0%、5歳同斤【0-0-0-7】、3歳53キロ【2-1-0-8】勝率18.2%、複勝率27.3%、4歳同斤【1-2-0-5】勝率12.5%、複勝率37.5%、5歳同斤【0-0-0-8】。年齢で傾向に差があるので注意だ。


昇級馬まで注意が必要

基本的に3歳優勢、古馬は同年ヴィクトリアマイル出走馬に注目しつつ、前走傾向についても掘り下げてみたい。


過去7年ターコイズS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別成績では前走GⅠが【4-0-2-18】勝率16.7%、複勝率25.0%。シーズン末期の重賞らしくGⅠ敗退馬が目立つ。エリカヴィータが当てはまる前走秋華賞10着以下は【2-0-0-5】勝率、複勝率28.6%。ローザノワールの前走エリザベス女王杯10着以下【1-0-1-3】勝率20.0%、複勝率40.0%。こうなると優勢な3歳をとりたくなる。反面、エリカヴィータは東京で重賞V、中山の重賞2番人気10着と適性面はやや気になる。中山実績ではローザノワールが上回る。

GⅡ組では前走府中牝馬S【1-1-2-15】勝率5.3%、複勝率21.1%。6着ライティア、9着ラヴユーライヴが該当する6~9着は【0-0-2-5】複勝率28.6%。連下に入れておきたい。また前走スワンSは【0-0-1-0】。今年と同じ阪神で行われた昨年のスワンS11着だったギルデッドミラーは、本レース13番人気3着と穴を開けた。今年の8着サブライムアンセム、18着スカイグルーヴも人気が落ちるようなら狙ってみたい。


過去7年ターコイズS前走OP・L組距離別成績,ⒸSPAIA


格下の前走オープン・Lからくる馬は距離をみる。延長【1-0-0-15】、短縮【0-0-0-3】に対し、同じマイル戦だった馬が【0-2-2-9】複勝率30.8%。前走1400mだったウインシャーロットやフェルミスフィア、芝2200m新潟牝馬Sのエイシンチラーは過信できないか。


過去7年ターコイズS前走3勝クラス組距離別成績,ⒸSPAIA


昇級戦になる前走3勝クラスは延長【0-0-0-3】、短縮【0-1-0-1】複勝率50.0%、同距離【1-1-0-11】勝率7.7%、複勝率15.4%で前走1600m以上が狙い目。ソダシの全妹ながら鹿毛のママコチャ、フラーズダルム、フィアスプライドが該当する。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』『競馬 伝説の名勝負 GⅠベストレース』(星海社新書)に寄稿。


ターコイズSインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



《関連記事》
トップはキタサンブラックの18億7684万円 アーモンドアイは何位?競走馬JRA獲得賞金ランキング
2歳重賞攻略データ! 勝率5割の最強厩舎と、「逃げ経験」に注目して穴を探す方法
クラブ選びや出資馬選定など一口馬主の始め方をご紹介! 毎月かかる費用などお金事情も詳しく解説

おすすめ記事