【チャレンジC】ソーヴァリアント、消耗戦にも難なく対応で連覇! 覚えておきたいオルフェーヴル産駒の「走り時」
SPAIA編集部
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価値ある連覇
2022年12月3日に阪神競馬場で行われたチャレンジカップは、断然の1番人気に推されたソーヴァリアントが快勝。3歳で制した昨年に続き、同レース連覇を達成した。
レースは最内枠からレッドベルオーブがハナを切る。暴走気味の逃げはここ最近のスタイルで、案の定1000m通過は57.7秒のハイペース。離れた2、3番手にはタイセイモンストル、ビーアストニッシドが続き、ソーヴァリアントはその後ろでレースを進めた。
4角付近では既に勢いを失った先行勢を射程に入れ、直線の早めでパスして先頭に立つと、追いすがるルビーカサブランカ、エヒトにも差を詰めさせず、そのまま押し切った。勝ち時計1.57.5は阪神芝2000mとしては史上2位の記録だ。
昨年は1000m通過62.9秒のスローペースを2番手で運び、ラスト11.6-10.8-11.6でまとめての3馬身半差V。それ以前にも札幌の利尻特別で上がり33.0秒を記録するなど、本来は瞬発力に長けた馬。一転、今年はラスト11.6-12.2-12.2という消耗戦にも対応してみせた。苦手なはずの展開でもGⅢくらいなら着差を付けて勝てる、というのはポテンシャルの高さを改めて感じさせるもので、やはり来年はGⅠで上位を争う器だろう。重ね重ね、今度こそ、無事に行ってほしい。
種牡馬オルフェーヴルの特性
このソーヴァリアントとともに、同日に行われたステイヤーズSも社台レースホース、オルフェーヴル産駒のシルヴァーソニックが優勝した。
どうもオルフェーヴルの産駒は冬場の活躍が目立つような気がして調べてみると、JRA重賞27勝のうち、12勝が11~12月に集中していた。大雑把に「寒い時期」「暑い時期」ということで「11~4月」と「5~10月」で分けて重賞成績を見ても、前者は連対率30.6%、単回収率152%、複回収率115%に対し、後者は連対率8.0%、単回収率56%、複回収率45%と雲泥の差がある。
仮説だが、オルフェーヴルの現役時代は馬体重460キロほどで、ステイゴールド譲りの牡馬としては小柄な部類。産駒にもどちらかといえば華奢なタイプが多く、馬体が減りやすい夏場より、冬の方が高いパフォーマンスを発揮できるのではないだろうか。馬券戦略として、このデータは頭に入れておきたい。
悩ましいレッドベルオーブ
2着ルビーカサブランカは内にこだわる川田将雅騎手の好騎乗もあっての好走。脚質が極端で、安定して走れるタイプではないが、確たる逃げ馬がいて上がりのかかる展開になってくれれば伸びてくる。今後も自分の競馬に徹して好機を待つことになるだろう。
3着エヒトは、結果からいえば内ラチ沿いを手放して、そこをルビーカサブランカに利用されてしまった分のクビ差。サマー2000シリーズ優勝が懸かっていたため新潟記念にも出走したが、やはり直線勝負の大箱よりは、七夕賞を勝った時のように小回りの2000mで一定した脚を使う形が合っている。
5着エアファンディタは4角出口で内からやや押圧されるような形。その影響があったのか自身がモタれてしまったのかは分からないが、追い出しが遅れたぶん上位争いに加われなかった。距離自体は問題なさそうだ。
8着ビーアストニッシドはやはり前に馬がいると引っかかる様子。レッドベルオーブとの相性が悪かった。3000mの菊花賞まで粘り強く使った経験はきっと糧になるはずで、次に単騎逃げが見込めるレースでは忘れずに抑えておきたい。2000mよりは1800mの方がベターだろう。
9着レッドベルオーブは暴走逃げ。軽い馬場、直線平坦の小倉日経OPでは上手く行ったが、今回は2F目10.6ののち11秒台を6連発、さすがに持たなかった。ただ、1600m通過1.33.1はスピードが重賞級にあることの証明でもある。もどかしい近況だが、逃げという戦法は変えずにマイル戦であれば、重賞をもう一つ二つ獲っても不思議ない。
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