【マイルCS】白毛のアイドル、歴史的名馬の域へ 東大HCの本命はソダシ

東大ホースメンクラブ

2022年マイルCSに関するデータ,ⒸSPAIA

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秋の最強マイラー決定戦

今週日曜は阪神芝1600mを舞台に、GⅠ・マイルチャンピオンシップが行われる。スプリンターズSを叩いて大目標に臨むシュネルマイスター、前走の毎日王冠で久しぶりの勝利を飾り、真の復活を狙う巨漢サリオス、白毛のアイドルホースにしてGⅠ・3勝馬ソダシ、3歳勢セリフォス、ダノンスコーピオンなどがエントリー。頂上決戦にふさわしい現役屈指のマイラーが集結した。

混戦となっている最優秀短距離馬争いの決め手にもなり得る一戦。過去のデータを参考に馬券戦略を考えていく。

信頼できる軸馬を探せ

過去10年のマイルCS・条件別成績,ⒸSPAIA


<過去10年のマイルCS・条件別成績>
前走9着以下【0-0-0-49】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
同年東京芝1600m重賞勝ちあり【4-2-1-14】勝率19.0%/連対率28.6%/複勝率33.3%
4歳馬【4-5-4-24】勝率10.8%/連対率24.3%/複勝率35.1%
3歳馬【2-1-2-30】勝率5.7%/連対率8.6%/複勝率14.3%

マイルCSでは前走9着以下だった馬が49頭出走して全滅。今年はシュネルマイスターが当てはまる。この49頭は全て4番人気以下で、また前走GⅠだった馬は4着が3回あるため、上位人気濃厚のシュネルマイスターは即断で消しとはいかないものの、かなり該当数の多い消しデータであるのは確か。適距離ではないスプリンターズSでの大敗という事情があるとはいえ、一枚評価を下げるのもありだろう。

好走例が多いのは同年に東京芝マイル重賞の勝ち鞍があった馬。半数に迫る4勝を挙げており、特に3番人気以内に限ると【3-2-1-3】複勝率66.7%。阪神開催となっているマイルCSでも、2020年1着グランアレグリア、2021年1着グランアレグリア、2着シュネルマイスターが該当しており、信頼度が高い。

年齢別成績では4歳馬の好走率が高い。こちらは前走時に4角2~5番手だった馬がよく、5番人気以内なら【2-1-3-1】複勝率85.7%。該当しそうなのがソダシで、あらゆる券種の軸に添えられそうなデータだ。ちなみに5歳馬は【3-3-4-52】、6歳以上【1-1-0-39】。5歳馬で近年好走したのは2019年3着ペルシアンナイト、2020年2着インディチャンプ、2021年1着グランアレグリアとGⅠ馬に限られる。

取捨が注目される3歳馬については複勝率15%切りという微妙な数字。NHKマイルCで3着以内に入っていた馬でさえ【0-1-0-9】と即通用とはいかないのが壁の高さを感じさせる。好走した5頭中、2017年1着ペルシアンナイト、2018年1着ステルヴィオ、2021年3着ダノンザキッドはクラシック路線を歩んだ馬で、2017年3着サングレーザー、2021年2着シュネルマイスターは前走で古馬混合のGⅡを制していた。今年は富士Sを勝ったセリフォスがいるものの、同馬は前哨戦駆けの傾向が強い中内田厩舎という点がネック。3歳勢はまとめて評価を下げたい。

白毛のアイドルがGⅠ・4勝目へ

◎ソダシ
3歳秋から路線がやや迷走していたが、やはり最も得意としているのはワンターンのマイル。高速傾向の馬場とはいえ1分31秒1のスーパーレコードで勝った桜花賞、快勝したヴィクトリアマイルの内容は秀逸だった。前走は伏兵イズジョーノキセキの強襲に敗れたものの、前哨戦仕上げかつ1ハロン長い条件を思えば負けて強し。気にする必要はない。前述した好走データにも合致しており、GⅠ・4勝目に向けて視界良好だ。

◯ダノンザキッド
昨年のマイルCS3着馬。脂の乗り切ったグランアレグリアに0秒2差まで食らいついた内容は適性の高さを感じさせた。安田記念は6着に終わったものの、東京芝1600mというコース、後ろが台頭しやすいコンディションの中、番手からの競馬で勝ち馬と0秒2差なら悲観する必要はない。今年はレース展開的に、ある程度のポジションを取れることが強みになるだろう。人気も落ち着きそうで、好走候補の中では最も妙味を感じる。

▲シュネルマイスター
昨年の安田記念、マイルCSではグランアレグリア相手に善戦。3歳シーズンから現役トップクラスだった。今年のドバイターフは同馬が苦手とするハイペースをパンサラッサが演出したことが敗因で、前走のスプリンターズSは明らかに距離が短かった。この2戦以外は馬券圏内を外していない。ただ小器用なタイプではない同馬にとって2枠4番の枠はマイナス、付け入る隙が無いわけではない。

以下サリオス、ジャスティンカフェに印を回す。馬券は◎から印への馬連とする。

▽マイルCS予想▽
◎ソダシ
◯ダノンザキッド
▲シュネルマイスター
△サリオス
×ジャスティンカフェ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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