【マイルCS】ソダシは馬体重次第で消しの可能性あり! ハイブリッド式消去法で残った注目馬は?

八木遊

過去10年のマイルCS『非社台系生産』かつ『前走から距離延長』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週は『エリザベス女王杯』で4歳馬2頭をピックアップ。ジェラルディーナとアンドヴァラナウトのどちらを本命にするか迷ったが、枠順を見てアンドヴァラナウトを選んでしまった。「デアリングタクト消し」、「外国人騎手のワンツースリー」というキーワードを挙げていたものの、さすがにデムーロ兄弟がそろって馬券圏内に入るのは読めなかった。ただ、土曜の2重賞でどちらも本命馬が勝利したため、年間回収率は微減にとどまった。

今週予想するのはもちろん日曜の阪神メイン『マイルCS』だ。先週と同じく京都開催時も含めた過去10年のデータを対象に、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。条件に当てはまった馬を消していく。

『非社台系生産』×『前走から距離延長』★0.0%★

まず取り上げるのが生産者別データ。過去10年で社台系以外の牧場で生産された馬は【2-2-1-70】(複勝率6.7%)と、これだけで“消し”対象となる。ただし、ハイブリッド式消去法ではもう1つのデータを掛け合わせて絞り込みを図る。今回は前走から距離延長となる組を選択。この組み合わせだと【0-0-0-23】(同0.0%)で、対象の全馬が圏外に消えていた。

登録された17頭のうち、この条件に当てはまったのは以下の3頭。シュネルマイスターはドイツ生まれだが、生産者はあくまでも『Northern Farm』なので、消去対象とはならず。GⅠで2着の実績があるマテンロウオリオン、ロータスランドの2頭とベステンダンクが消去となった。

【今年の該当馬】
・ベステンダンク
・マテンロウオリオン
・ロータスランド

『前走4角4番手以内』×『美浦所属騎手』★0.0%★

続いては、前走時に前の方で運んでいた馬を取り上げたい。具体的には前走4角4番手以内の馬で、過去10年の成績は【5-2-6-52】(複勝率20.0%)と悪くはなかった。ただし、今回の鞍上が美浦所属騎手だった場合は【0-0-0-16】(同0.0%)と成績は一気に悪化する。

今年この条件に当てはまったのは、前走の関屋記念を先行して勝利したウインカーネリアン。引き続きコンビ相性のいい三浦皇成騎手が手綱を取るが、今回は消しとしたい。

【今年の該当馬】
・ウインカーネリアン

『前走GⅡ以下』×『前走5番人気以下』★1.7%★

3つ目のデータは前走クラス別成績をピックアップ。今回は前走GⅡ以下から参戦する馬を取り上げる。過去10年の成績は【5-8-8-121】(複勝率14.8%)とまずまずだが、その前走が5番人気以下だった馬は【0-0-1-58】(同1.7%)。唯一の例外は、16年に7番人気で3着に入ったネオリアリズムだった。

今年このデータに当てはまったのは以下の4頭。消去済みのベステンダンクに加えて、エアロロノア、ピースオブエイトなどが新たに消去対象となった。

【今年の該当馬】
・エアロロノア
・ハッピーアワー
・ピースオブエイト
・(ベステンダンク)

『関西馬』×『ミスタープロスペクター系』★6.7%★

4つ目は東西所属別と血統データを掛け合わせる。具体的には関西馬と父ミスタープロスペクター系の組み合わせで成績は【0-1-0-14】。過去10年でのべ15頭が当てはまったが、馬券圏内に好走したのは17年2着のエアスピネルだけだった。

今年このデータに当てはまったのは以下の4頭。消去済みのエアロロノアに加えて、いずれも重賞勝ち馬のソウルラッシュ、ダノンスコーピオン、ホウオウアマゾンをバッサリと切る。

【今年の該当馬】
・(エアロロノア)
・ソウルラッシュ
・ダノンスコーピオン
・ホウオウアマゾン

『前走時馬体重480kg未満』×『今回馬体重減』★4.5%★

最後の消去条件は馬体重に注目。対象は前走時が480kg未満の小型~中型馬だ。過去10年の成績は【5-2-4-60】(複勝率15.5%)とまずまずだったが、マイルCS当日の発表でマイナス馬体重の馬に限ると、【1-0-0-21】(同4.5%)と好走率は低かった。

4つの条件を終えた時点で7頭が残っていたが、このうち前走時の馬体重が480kg未満だったのはソダシとファルコニアの2頭。もしレース当日の馬体重がマイナスなら消去対象となる。

【今年の該当候補】
・ソダシ
・ファルコニア

全ての条件を終えて確実に残るのは、サリオス、シュネルマイスター、ジャスティンカフェ、セリフォス、ダノンザキッドの5頭。シュネルマイスターはスプリンターズSから一気の距離延長がどう出るか。あくまでも最終追い切りと当日の気配を見てから判断を下すつもりだが、現時点では本命候補の1頭として考えている。他の4頭に関しては今のところ横一線という評価。ソダシは消去を免れたとしても、あくまで押さえまでにとどめたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は61.0%(11月13日現在)。

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