【東スポ杯2歳S】クラシック登竜門は結果も内容も要注目！　好走候補はフェイト、テンカノギジン、ハーツコンチェルト

2022/11/13 17:00

勝木淳

ⒸSPAIA

この記事のレース

東京スポーツ杯２歳Ｓ

GⅡ

11月19日(土)　東京11R

素質馬同士の戦いは確信を得る一戦

コントレイル、ダノンザキッド、イクイノックス。東京スポーツ杯2歳Sは3年連続でGⅠ馬を輩出。なかでもGⅡ格上げ初年の昨年は後半1000m11.7-11.6-11.0-11.9-11.4、後半600m34.3と2歳重賞らしからぬハイレベルなラップ構成。イクイノックスは32.9の末脚を繰り出し、翌年の主役に躍り出た。勝つことは当然ながら、その内容も問われる。東京スポーツ杯2歳Sはそんなレースになった。データは過去10年間を使用する。

過去10年東スポ杯2歳S人気別成績,ⒸSPAIA

登竜門的レースだけあり、出走馬は例年レベルが高く、1番人気は【5-1-1-3】勝率50.0%、複勝率70.0%と安定。3番人気の勝利はないが、9勝は4番人気以内。複勝率も4番人気60.0%、5番人気20.0%の間に境目がある。複穴は狙えなくもないが、基本は上位人気候補から検討したい。

過去10年東スポ杯2歳Sキャリア別成績,ⒸSPAIA

次にキャリア別成績。好素材がそろう一戦とあって、キャリア1戦が【4-3-2-20】勝率13.8%、複勝率31.0%と優勢。2戦【3-6-6-23】勝率7.9%、複勝率39.5%、3戦【3-1-1-21】勝率11.5%、複勝率19.2%まで。経験より素質。少ないキャリアで重賞の舞台に立てる好素材が中心だ。

フェイト、テンカノギジンら新馬組が優勢

上位人気、少ないキャリア。来春への賞金加算を目論む素質馬が集まるレースらしく、各陣営が狙いすませた一戦をとれるだけの力があるか問われる。では具体的な好走パターンはどんな形か探っていく。

過去10年東スポ杯2歳S前走新馬組コース別成績,ⒸSPAIA

まずはキャリア1戦の前走新馬組について。コース別成績を出すと、阪神芝1800m【2-0-1-2】勝率40.0%、複勝率60.0%など勝利は東京芝1800m、新潟芝1800m。直線の長いコースの1800mに集中する。内回りやローカルの小回りで新馬を勝った馬は連下まで。今年はフェイト、ガストリック、テンカノギジンなどが該当する。またデータがない中京芝2000m新馬を1.3差圧勝のハーツコンチェルトもデータがない以上、切れない。

また前走新馬組はその人気も目安であり、前走新馬2番人気以内【4-3-2-9】勝率22.2%、複勝率50.0%、3番人気以下【0-0-0-11】。ここが好素材か否かの分かれ目。新馬の時点で1、2番人気支持を集めないと、連勝は難しい。フェイト、テンカノギジン、ハーツコンチェルトはクリアするが、ガストリックは4番人気でここにひっかかる。

ではキャリア2戦以上の好走パターンはどんな感じか。前走クラス別成績を出すと、前走GⅢ【3-1-0-9】勝率23.1%、複勝率30.8%に注目。このうち前走札幌2歳Sは【2-0-0-4】勝率、複勝率33.3%。今年はジョウショーホープが当てはまるが、ここは前走1着【2-0-0-1】で、好走は札幌2歳S勝ち馬に限られる。重賞を経験しただけでは厳しく、実績もほしい。

続いてオープン・L【3-2-5-21】勝率9.7%、複勝率32.3%。ここも3着以内【3-2-5-14】勝率12.5%、複勝率41.7%、4着以下【0-0-0-7】で好走が条件。萩S4着タイセイクラージュも残念ながら好走ゾーンに入らない。

最後に前走未勝利【0-2-3-21】複勝率19.2%について。勝ち馬こそ出ていないが、好走の可能性はある。そのコース別成績は同舞台の東京芝1800m【0-1-1-5】複勝率28.6%や阪神芝2000m、東京芝1600mが好相性。東京芝2000m【0-0-0-5】には注意したいが、未勝利戦でもレベルが高い組み合わせになりやすい中央場所の中距離戦が目安になる。今年ここに該当するのはシルトホルン、シルバースペード。シルトホルンは未勝利戦で1.0差の圧勝。北海道2戦敗退後に東京で一変した。連下には入れておこう。

ライタープロフィール
勝木淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』（中央競馬ピーアール・センター）にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説　世紀末覇王とライバルたち』（星海社新書）に寄稿。