【エリザベス女王杯】5度目の挑戦、今度こそGⅠ獲りへ 東大HCの本命はナミュール

東大ホースメンクラブ

2022年エリザベス女王杯に関するデータ,ⒸSPAIA

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秋の最強牝馬決定戦

今週日曜は阪神芝2200mを舞台にGⅠエリザベス女王杯が行われる。春のヴィクトリアマイルと同じく、国内最強の牝馬を決める大一番。前哨戦の府中牝馬Sを勝ったイズジョーノキセキ、オールカマー覇者ジェラルディーナ、そのオールカマー6着から巻き返したい三冠牝馬デアリングタクトといった古馬勢に、今年の秋華賞ワンツー・スタニングローズとナミュール、春の二冠で健闘し、前走の3勝クラスを圧勝したピンハイなどの3歳勢が挑む。

今週から8週連続GⅠが待ち受けており、年末まで続く熱戦を幸先よく的中でスタートしたいところ。過去のデータを参考に馬券戦略を考える。

消し材料から好走馬を絞る

過去10年のエリザベス女王杯・条件別成績,ⒸSPAIA


<過去10年のエリザベス女王杯・条件別成績>
前走8着以下【0-0-0-39】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
前走GⅢ以下【0-1-2-53】勝率0.0%/連対率1.8%/複勝率5.4%
前走府中牝馬S【5-5-3-42】勝率9.1%/連対率18.2%/複勝率23.6%
3歳馬【2-4-2-27】勝率5.7%/連対率17.1%/複勝率22.9%

エリザベス女王杯において消し材料となるのが「前走8着以下」で、延べ39頭が出走して全滅。今年はアカイイト、クリノプレミアム、ライラック、ローザノワールが該当する。また関連して前走1秒以上負けていた馬も【0-0-0-20】、オールカマーで大敗を喫したデアリングタクトが当てはまる。

また前走のグレードも重要な判断基準で、GⅢ~条件戦組は56頭が出走して連対が1頭と苦戦を強いられている。テルツェット、ピンハイ、ホウオウエミーズ、ルビーカサブランカが消し候補となり、特に穴人気が予想されるピンハイについては取り扱いに注意したいところ。

一方、過去10年では2015年以外のいずれも好走馬を出しているのが府中牝馬Sから臨戦となる馬。このうち関東馬が【1-0-0-14】、関西馬が【4-5-3-28】と明暗がくっきり分かれている。アンドヴァラナウトは前走決め手を欠いた形の3着で、素直にイズジョーノキセキを評価する。

秋華賞ワンツーのスタニングローズ、ナミュールについては3歳馬の成績を参照。4歳馬に次いで高い複勝率をマークしており、前走秋華賞3着以内かつ継続騎乗に限ると【2-3-1-7】と半数近くが馬券になっている。2頭の甲乙はつけ難いところだが、近年の差し傾向からナミュールを上位に取りたい。

その他ウイン3頭とジェラルディーナについても触れる。まずウインマイティーは【0-0-2-24】と凡走の多い距離短縮ローテに引っかかる。また、オールカマーを4角4番手以内で通過した組が全滅で、ウインキートスが該当。ジェラルディーナとウインマリリンを検討の俎上に残す。

「5度目の正直」へ

◎ナミュール
脚力は2歳時から証明済みだが、ここまでのGⅠ・4戦は惜しくもタイトル獲得ならず。阪神JFは出遅れから直線も伸びない内に突っ込んでの4着、桜花賞は間隔が詰まったローテ、オークスは勝負どころで体力負けの格好。前走の秋華賞は4角でのコーナリングが痛恨で、外に膨れるロスがなければ戴冠まで見えた。+20kgと馬体も大きくなり、脆さが目立っていた春からの成長を感じる。桜花賞時と違い、中3週でもコンディションを維持できている調整内容といえ、5度目の正直に向けて態勢は整った。

◯イズジョーノキセキ
3歳時にチューリップ賞で上がり33秒1の末脚を見せ4着に入ったパフォーマンスが素晴らしく、3勝クラスの身で挑んだ昨年の同レースでは4角で騎手が立ち上がるほどの不利がありながら5着。前走はハマった部分があったとはいえソダシに先着しており、ポテンシャルは十分。前述した通り府中牝馬S組は目下6年連続で好走馬を輩出と、トレンドにも合致、ルメール騎手を配して勝負気配が漂う。

▲スタニングローズ
フラワーC以降の4戦はいずれもハイレベルで、1800m戦でも通用する先行力、オークスも同じ戦法で2着に粘るスタミナを兼備。秋華賞はナミュールやスターズオンアースなどがロスの大きい競馬となる中で完璧に立ち回って勝ち切った。ただ、純粋な脚力という部分ではメンバー中トップとは言えず、馬力型の上位進出が目立つ阪神開催のエリザベス女王杯では一枚劣るか。大崩れはないだろうが連勝というシーンも考えにくい。

以下ジェラルディーナ、ウインマリリンに印を回す。馬券は◎から印への馬連とする。

▽エリザベス女王杯予想▽
◎ナミュール
◯イズジョーノキセキ
▲スタニングローズ
△ジェラルディーナ
×ウインマリリン

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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