【エリザベス女王杯】デアリングタクトら5歳馬は全消し! 本命候補は4歳馬の2頭

八木遊

過去10年のエリザベス女王杯『5歳以上』かつ『前走時馬体重460kg以上』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週予想したのは『アルゼンチン共和国杯』。本命をヒートオンビートかブレークアップで迷った末に前者を選んだ。後者なら単勝と複勝も買うつもりだったが……。結果的に的中は本命、対抗のワイド1点だけ。配当はつかなかったものの、年末まで続くGⅠシリーズを前に流れが変わったと信じたい。

今週はもちろん日曜の阪神メイン『エリザベス女王杯』を予想する。京都開催時も含めた過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消していく。今週は除外対象の5頭を除いた18頭を対象に進めていきたい。

『非サンデーサイレンス系』×『前走上がり4位以下』★0.0%★

最初は血統データから。父がサンデーサイレンス(SS)系以外、つまり非SS系の馬は過去10年で【2-0-4-55】(複勝率9.8%)と、このレースとは相性が良くない。中でも前走時に上がり3ハロン4位以下だった場合は【0-0-0-30】(同0.0%)で、1頭も馬券に絡んでいなかった。まずはこの組み合わせを採用する。

対象18頭のうち、1つ目の消去データに当てはまったのは、ウインマリリンとスタニングローズの2頭。後者は秋華賞を制したばかりで目下の充実度はメンバー屈指だが、複勝率0.0%データには逆らえない。今回が秋3走目の疲労もあるだろう。また、12月には香港ヴァーズ出走も見据えており、調整は簡単でないはずだ。

【今年の該当馬】
・ウインマリリン
・スタニングローズ

『前走4角5番手以下』×『前走時馬体重減』★3.7%★

続いては、前走時の4角通過順に注目。取り上げるのは同5番手以下だった馬だ。過去10年の成績は【6-4-8-98】(複勝率15.5%)とまずまずだが、前走時に馬体重がマイナスだった馬は【0-0-1-26】(同3.7%)と、3着馬が1頭いるだけだった。

今年この条件に当てはまったのはライラックとルビーカサブランカの2頭。ともに重賞勝ちの実績はあるものの、GⅠの大舞台で好勝負を演じるには力不足とみて消去する。

【今年の該当馬】
・ライラック
・ルビーカサブランカ

『5歳以上』×『前走時馬体重460kg以上』★4.2%★

3つ目のデータは過去10年で【2-3-1-66】(複勝率8.3%)と苦戦している5歳以上の馬たち。特に前走時の馬体重が460kg以上の馬は【2-0-0-46】(同4.2%)。複勝率はさらに半減する。今年は5歳馬が大挙出走予定で、消去対象も多くなった。

今年このデータに当てはまったのはちょうど半数の9頭。新たにデアリングタクトとアカイイトなど7頭が消去対象となった。

【今年の該当馬】
・アカイイト
・イズジョーノキセキ
・ウインキートス
・ウインマイティー
・(ウインマリリン)
・クリノプレミアム
・デアリングタクト
・(ルビーカサブランカ)
・ローザノワール

『キャリア20戦以上』×『前走で人気より上の着順』★5.3%★

続いて、年齢別データと重なる部分もあるが、キャリア20戦以上の馬をピックアップする。これと組み合わせるのは前走時に人気を上回る着順に好走していた馬。過去10年における成績は【1-1-0-36】(複勝率5.3%)で、10%を割り込んでいる。

今年このデータに当てはまった馬は5頭いたが、うち4頭は消去済み。新たに消去リスト行きとなったのは前走・新潟牝馬Sを勝ったホウオウエミーズだった。

【今年の該当馬】
・(イズジョーノキセキ)
・(ウインキートス)
・(クリノプレミアム)
・ホウオウエミーズ
・(ルビーカサブランカ)

『関東馬』×『一口馬主クラブ』★5.6%★【1-0-0-17】

最後の消去条件は過去10年で【2-2-0-45】(複勝率8.2%)の関東馬を取り上げたい。関東馬というだけで複勝率は10%を割り込んでいるが、ハイブリッド式消去法ではもう一つのデータを掛け合わせる。今回は馬主が一口系クラブというデータを選んだ。

今年この条件に当てはまったのは3頭。消去済みのウイン軍団の2頭に加えて、前走クイーンSを制したテルツェットが新たに消去対象となった。

【今年の該当馬】
・(ウインキートス)
・(ウインマリリン)
・テルツェット

全ての条件を終えて残るのは、アンドヴァラナウト、ジェラルディーナ、ナミュール、ピンハイ、マジカルラグーンの5頭。いずれも3~4歳馬で、5歳以上の10頭は全て消去対象となった。

残った5頭のうち外国馬のマジカルラグーンについては不明なデータもあり、消去対象からは外れた。日本の馬場に適性があるかどうかは走ってみないと分からないが、ひとまず押さえる方向で考えている。

今のところ本命候補は4歳馬のアンドヴァラナウトとジェラルディーナの2頭。どちらも大舞台に強い外国人騎手への乗り替わりが吉と出るのではないか。マジカルラグーンを含めた外国人騎手のワンツースリーなら高配当が期待できるだろう。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は61.2%(11月6日現在)。

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