【ファンタジーS】西の2歳重賞も大荒れ! レースセンス抜群のリバーラ、もったいなかった5着サラサハウプリティ
SPAIA編集部
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2歳重賞はどちらも大波乱
2022年11月5日に行われたファンタジーSは10番人気、単勝オッズ70.7倍の伏兵リバーラが鮮やかな逃げ切りVを決めた。その10分前に発走した京王杯2歳Sも10番人気オオバンブルマイ、11番人気フロムダスクのワンツーで3連単222万馬券という特大の配当が出たばかりだったが、連続での波乱決着となった。
リバーラは最初の一、二完歩で早くも頭~クビほどのリードをとる好スタート。鞍上の石橋脩騎手も無理に抑えることはなく、内のサツマノオンナの抵抗を制してハナに立つ。経済コースを通り続けて刻んだラップは12.2-10.7-11.6-11.8-11.6-11.5-11.9で前後半46.3-46.8。後続に息を入れる場面を作らせず、かつ残り400mからひと脚使う余力は残しながらの逃げ。見事な立ち回りだった。
思えば新潟芝1200mでの未勝利勝ちも、ハイペースの内目好位で脚を溜め、直線では内ラチ沿いの狭い進路を割ってくる勝ち方。レースセンス抜群の優等生タイプという印象だ。外回りでの末脚比べになりやすい阪神JFは質的に不向きだが、器用さが生きる多頭数や内回りの1400m以下なら将来的にも期待できるのではないだろうか。
上位人気勢の敗因、詰まったサラサハウプリティ
2着ブトンドールは後方待機から外を回しての追い込み。リバーラについていった先行勢が失速したことを思えば、前に付き合わなかった判断は奏功したといっていいだろう。ただ、内回りの阪神芝1400mはよほど内の馬場が傷んでこないと基本的に内有利。コース取りの差はあった。乗り方ひとつで1400mまで守備範囲と分かったのは今後に向けて大きな収穫だ。
3着レッドヒルシューズは差してきたというより、リバーラについていった2番手集団のなかで唯一バテなかった、といった走りで3着に浮上。新馬戦では稍重の1600m戦を先行押し切りというハーツクライ産駒であり、よどみないラップに1200m向きのスプリンターが苦しんだ中で、スタミナの差が生きた。
5着サラサハウプリティは後方で脚を溜め、手応え十分に直線へ。菱田裕二騎手はブトンドールの鮫島克駿騎手と対照的に、内を回す判断。結果からいえばこれが裏目だった。目の前ではバレリーナ、シルフィードレーヴ、クインズエルサ、レッドヒルシューズの4頭がそれぞれ間を突けるか突けないか微妙なスペースを空けながら、同じような脚色で併走しており、進路がない。
外まで一気に持ち出そうとしたタイミングで、前のレッドヒルシューズも外に流れてきて(これも結果論だが、さらに待っていればクインズエルサとレッドヒルシューズの間に広いスペースができていた)、外を走っていたコスモフーレイと激しく接触。まともに進路ができたのはラスト150mほどの地点で、既に万事休すだった。1勝馬のため今後は自己条件かもしれないが、個人的には阪神JFに出てくれば穴候補として忍ばせておきたい。
9着に敗れたバレリーナは案外な結果。小倉2歳S2着の実績はあったが、同3着のシルフィードレーヴも7着に敗れ、勝ち馬ロンドンプランも同日に行われた京王杯2歳Sに出走して14着大敗だった。ロンドンプランに関しては状態面などもあり、一概に力負けとは思わないが、それでもレースレベルに疑問がつく1日となった。バレリーナはその小倉2歳Sでは外枠から、トラックバイアスに沿う形での好走。重賞だと何らかの助けが必要か。
似た意味では、中京芝1400mの2歳レコード決着だったききょうS組も受難の1日。勝ち馬アロマデローサはファンタジーS10着、2着馬クインズエルサはファンタジーS6着、3着馬ヤクシマは京王杯2歳Sで5着にそれぞれ敗れた。アロマデローサはスタートから左に張る感じで、3角の入りと4角でそれぞれ鞍上が気合をつけるような場面。左回りの方がいいのかもしれない。着差1.6秒は直線での大きな不利のぶんもあり、東京や中京の番組を使ってきた際は一変を警戒したい。
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