【京王杯2歳S】ロンドンプラン連勝濃厚! ポイントは前走1200m組の取捨選択

勝木淳

京王杯2歳Sインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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ポイントは関西馬優勢

11月に入り、いよいよ2歳戦線もチャンピオン決定戦に向けて大詰めを迎える。また来年への賞金加算に向けた争いもいよいよ本格化。3歳戦線を余裕をもって優位に進めるためにも、2歳秋のうちに賞金獲得を急ぎたいところ。そんな各陣営の思惑を上手に読みながら、馬券的中に結びつけてほしい。データは過去10年分を使用する。


過去10年京王杯2歳S人気別成績,ⒸSPAIA


東京芝1400mの京王杯2歳SはファンタジーSと同日施行とあって、牝馬は【0-2-1-27】。ここは牡馬、それも朝日杯FSから翌年NHKマイルCを目論む陣営が出走させるレース。1200m中心にここまできた組とマイル前後を戦った組が激突、キャリアも浅く、非常に比較が難しい。

それが反映されたか、1番人気は【2-2-2-4】勝率20.0%、複勝率60.0%とやや勝ちきれない。その分、2番人気は【3-0-1-6】勝率30.0%、複勝率40.0%と互角以上。5番人気【2-1-1-6】勝率20.0%、複勝率40.0%など上位人気はちょっとした評価のかけ違いが生じる傾向にある。10番人気以下の好走は14年11番人気1着セカンドテーブル1頭。特に9番人気以内はじっくり検討した方がよさそうだ。


過去10年京王杯2歳S所属別成績,ⒸSPAIA


東西所属別の成績は関東馬【2-3-5-72】勝率2.4%、複勝率12.2%に対し、関西馬は【8-7-5-30】勝率16.0%、複勝率40.0%。毎年少数精鋭の関西馬が上位に入る。05年から昨年8番人気1着キングエルメスまで17年連続で関西馬が3着以内にきている。


夏の1200m出走馬が強い

次に2歳戦では重要なキャリアに注目し、そこから好走パターンについて具体的に導き、好走候補をあぶり出していこう。


過去10年京王杯2歳Sキャリア別成績,ⒸSPAIA


キャリア1戦は【2-1-0-12】勝率13.3%、複勝率20.0%。いずれも1戦1勝の前走新馬勝ちの馬ばかり。今年も牝馬シェーンプリマー、エナジーチャイム、関西馬オオバンブルマイなど多数。まずはここから。


過去10年京王杯2歳S前走新馬組距離別成績,ⒸSPAIA


前走新馬の距離内訳は1200m【0-0-0-5】、1400m【2-0-0-5】勝率、複勝率28.6%、1600m【0-1-0-2】複勝率33.3%。スプリント戦から即通用というケースはなく、1400m以上が好走条件。上記3頭はいずれもここに該当。まずは候補に入れよう。


過去10年京王杯2歳Sキャリア2戦以上組前走クラス別成績,ⒸSPAIA


キャリア2戦以上は前走芝【8-9-10-82】、ダート・地方【0-0-0-12】。ここは中央の芝に限って分析を進めたい。そのクラス別成績はGⅢ【5-4-3-15】勝率18.5%、複勝率44.4%が目立つ。オープン【3-3-2-33】勝率7.3%、複勝率19.5%、未勝利【0-2-2-17】複勝率19.0%などもケアするが、まずはGⅢについてみていきたい。


過去10年京王杯2歳S前走GⅢ組レース別成績,ⒸSPAIA


レース内訳は小倉2歳S【3-1-2-4】勝率30.0%、複勝率60.0%、函館2歳S【2-2-1-4】勝率22.2%、複勝率55.6%と1200m重賞からここに出走する馬が好成績。前走新馬は不振だった1200m組は前走重賞なら買える。ここは混同しないようにしたい。今年は小倉2歳Sを勝ったロンドンプランが該当する。いかにも1200m戦は不向きで、距離が延びて、直線が長くなってよくなるタイプなので、上位人気必至でも最有力。


過去10年京王杯2歳S前走オープン・L組距離別成績,ⒸSPAIA


続いて前走オープンについて。こちらは距離に注目したい。ききょうS3着ヤクシマ、もみじS3着アスクドリームモアが該当する1400mは【2-1-1-10】勝率14.3%、複勝率28.6%。すずらん賞3着ミスヨコハマ(ファンタジーSの両にらみ)の1200mは【0-1-0-16】複勝率5.9%なので、前走オープンはGⅢと違い、新馬同様1200m出走馬は割り引きたい。なかなかややこしいが、整理しておこう。

具体的にききょうS【1-0-1-2】、もみじS【0-0-0-5】。例年と開催スケジュールが異なり、競馬場が違う点には注意したいが、間隔が詰まるもみじSは減点してもいい。今年は勝ち馬が評判馬ウンブライルだっただけに過剰人気には警戒したい。


過去10年京王杯2歳S前走未勝利組距離別成績,ⒸSPAIA


最後に前走未勝利。距離別にみると、1200m【0-0-0-4】、1400m【0-1-1-10】複勝率16.7%、1600m【0-1-1-3】複勝率40.0%。未勝利組はあくまで連下候補ではあるが、1600mの未勝利戦を勝ちあがった馬がよさそうだ。現世代で活躍馬を輩出するダノンバラード産駒のアンタノバラードがいる。

好走条件に当てはまる関西馬はロンドンプラン、ヤクシマ、オオバンブルマイの3頭。もしくは関東馬のアンタノバラード、シェーンプリマー、エナジーチャイムといったあたり。まずはこれら候補を検討したい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』(星海社新書)に寄稿。


京王杯2歳Sインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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