【注目2歳馬】”出世レース”アイビーSはチャンスザローゼスが勝利 能力の高さを見せるも折り合い面の課題を露呈

三木俊幸

注目2歳馬、ランフリーバンクス,ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

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1:47.5の好タイムで後続に2馬身差

近年はソウルスターリング、クロノジェネシス、そしてドウデュースとクラシック戦線の活躍馬を輩出している”出世レース”アイビーS(リステッド・芝1800m)。今回と同じ舞台で新馬戦を楽勝したシャンドゥレール、新馬戦を後方から豪快に差し切ったオープンファイアなど評判馬が集結した。

そんな出世レースを制したのは、栗東・中内田充正厩舎のエピファネイア産駒チャンスザローゼス。母はヴィンテージローズ、祖母はロゼカラーということからも分かるように、先日の秋華賞を制したスタニングローズと同じバラ一族。2021年のセレクトセールでは2億2,000万円で藤田晋氏によって落札された。

レースではまずまずのスタートを切ったチャンスザローゼス。過去2戦同様に控える競馬をするのかと思いきや、頭を上げてシャンドゥレールに競りかけ、最初の400mは13.0-11.1と暴走気味。

続く400〜600mのラップも11.4と続き、ようやく単独先頭に立ったところで折り合いがついて12.3-12.5-12.6。息を入れて直線を迎えることができた。

直線では外からシャンドゥレールがジワジワと迫って来たものの、川田将雅騎手は残り300mまで追い出しを我慢。追い出された後は再び突き放して2馬身差(0.3秒差)。1:47.5という好タイムでの快勝だった。

中京で芝2000mの未勝利戦を勝利した際も、後方から一頭違う脚で上がり33.5を使って後続を0.6秒突き放す素晴らしい内容。今回もその能力に違わぬ走りだったが、前半に折り合い面の課題を露呈した。その点が今後さらに上の舞台で戦うにあたっての不安要素になるだろう。

注目2歳馬、チャンスザローゼス,ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

Saxon Warrior産駒の良血馬がデビュー

今週末デビューで注目しているのは、10月29日(土)の東京4R・芝1400m戦に出走予定のアイリッシュパール(美浦・栗田徹厩舎)。父はSaxon Warrior、母のホームカミングクイーンは現役時代に英1000ギニーを勝利。兄には凱旋門賞、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、愛ダービーなどGⅠ・6勝をあげたDylan Thomasがいるという超良血だ。

ホームカミングクイーンは母としてすでに実績があり、ShaleがGⅠ・モイグレアスタッドSを勝利しているだけに、アイリッシュパールにも早期からの活躍が期待できそう。

当初は夏にデビュー予定だったが一頓挫あり、立て直された。帰厩後はWコースと坂路併用で乗り込まれ、1週前にはWコースで6F84.6-67.4-53.1-38.8-24.9-12.4をマーク。レースでは川田騎手を背にどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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