【注目2歳馬】好位追走から1:47.0で快勝のタイセイクラージュ 矢作厩舎は3日間開催で新馬戦4勝の大活躍

三木俊幸

注目2歳馬、タイセイクラージュ,ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

1000m通過1:00.6の流れを3番手追走

3日間開催となった先週末に東京、阪神の両競馬場で4頭を新馬戦に送り出した矢作芳人厩舎は、その4戦全てで勝利するという素晴らしい成績を残した。

その中でも10月8日(土)の東京5R・芝1800m戦を勝利したタイセイクラージュを取り上げる。父はサトノクラウン、母シェリール、半兄には目黒記念を勝利したムスカテール、昨年のダイヤモンドSを勝ったグロンディオーズがいるという血統。デビュー戦の馬体重は452kgだった。

ゲート入りに時間を要したものの、好スタート。序盤はやや行きたがる素振りも見せていたがすぐに折り合いがつき、好位3番手の外からレースを進める。

12.9-11.6-11.8-12.2-12.1(1:00.6)と新馬戦としてはペースが流れて馬群は縦長、その後もペースは落ちることなく12.1-12.1、淡々と同じラップが刻まれて直線へと差しかかった。

残り400mで仕掛けられて先頭に立つと、そこに1番人気で父エピファネイア、母バウンスシャッセの評判馬レヴォルタードも追いすがってくる。しかしその差は全く詰まらず、2馬身半差をつけての快勝となった。

開幕週で鮮やかな緑の芝は短く刈り揃えられていたが、東京競馬場は水曜日に7.0mm、木曜日に5.5mm、そして前日の金曜日には47.5mmの雨が降った。表面を触っただけでも水分を含んでいるのが明らかな状態だったことなどを考慮すると、勝ちタイム1:47.0は新馬戦としてはかなり優秀。3着以下は2着レヴォルタードからさらに8馬身離れており、インパクト大の内容だった。

注目2歳馬タイセイクラージュ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)



ノーステッキで上がり33.7

翌日の10月9日(日)の東京5R・芝2000m戦を勝利したミッキーカプチーノも内容が良かった。こちらは父エピファネイア、母スティールパスという血統で520kgの大型馬。

1枠1番という枠順を活かして、道中は4番手のインで脚を溜める。直線では進路が開くのを待ってからゴーサインを出されると、残り100mで逃げ粘る良血馬フリームファクシを交わしてのゴール。

勝ちタイム2:01.1、ラスト11.4-11.3-11.3(34.0)という減速していない流れを上がり33.7で駆け抜け、尚且つノーステッキでまだまだ余裕もあった。これらの点は評価していいだろう。

2歳新馬戦を勝利したミッキーカプチーノ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


今週末も東京で矢作厩舎の良血馬がデビュー

今週末の新馬戦にも矢作厩舎の良血馬が出走してきそうだ。10月15日(土)の東京芝1600m戦のシュタールヴィントは、父ロードカナロア、母マルセリーナという血統。速い追い切り本数こそ多くないものの、1週前には栗東CWで6F83.5-67.6-52.7-37.7-23.7-11.9を計時。鞍上は坂井瑠星騎手の予定となっている。

その他のレースでは、秋華賞当日の10月16日(日)阪神芝2000m戦を予定しているエピファネイア産駒のルモンドブリエ(栗東・友道康夫厩舎)にも注目。母はフランス1000ギニーとディアヌ賞を勝利しているラクレソニエールという血統。

1週前は栗東CWで3頭併せの内に入れて6F82.8-67.2-52.2-37.2-11.4と好タイムをマーク。少し重苦しい雰囲気を感じなくもないが、追い出された時の反応はまずまず。初戦から態勢は整っているように映った。友道厩舎からは先週、グランヴィノスが同じ阪神芝2000mの新馬戦で圧巻の走りを披露してデビュー勝ちを果たしており、それに続きたいところだ。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。


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