【秋華賞】天候微妙な週末 渋った阪神芝2000mならば気を付けたい2つのポイント

佐藤永記

阪神芝2000mに関するデータ,ⒸSPAIA

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雨の阪神芝2000mなら後方組は勝てない

先週から一気に気温が下がり、秋を通り越して冬が近づいたような感覚になる今日このごろ。今週平日は晴れの天気に戻るようだが、予報を見ると再び週末の天候が西日本から怪しくなっている。実際当日の馬場状態がどうなっているかはともかく、あらかじめ馬場が渋った場合のことを考えておきたい。

阪神芝2000m 良馬場以外,ⒸSPAIA


2019年以降、阪神芝2000mにおいて良馬場以外だったレースは、2歳戦、新馬、未勝利戦を除けば19レースしかない。梅雨のある6月開催以外は、3月や12月など比較的雨の少ない時期に開催されている阪神。馬場が渋ることは結構稀ではあるのだが、馬場が渋ると圧倒的に前々有利、後方一気が決まらない。

勝ち馬を見てみると残り3F、600m地点で先頭から0.5秒以内にいることが必須。0.6秒離されていた馬は63頭いて勝利が一度もない。1秒離されていると【0-1-1-21】と、もう絶望的だ。2、3着もやはり前々にいた馬に集中している。

コース形態を見ると、スタート直後に上り坂からのコーナー。この部分での位置取り争い後には急激にペースが落ちる。外回りなら平坦で大きな3コーナーと4コーナーも、内回りは3コーナーから残り200mまでずっと下り坂。馬場が渋ればなおさら前が止まりにくいレイアウトであることははっきりしている。

渋った阪神芝2000なら圧倒的実績の川田将雅

そんなコース条件を顕著に乗りこなしている騎手がいる。川田将雅騎手だ。

前章と同条件の19レースで、川田将雅騎手の成績は【5-0-1-3】と圧倒的。短期免許のシュタルケ騎手(2勝)以外、複数勝利した騎手が他にいないのでかなり際立っている。

この5勝も内容がスゴい。大阪杯勝ち馬ポタジェが3歳時に初めて良馬場以外を走った、1勝クラスの生田特別(重馬場)で3番手から抜け出して1着。これを皮切りに当該条件を4連勝しているのである。しかも4連勝目は重馬場だった昨年大阪杯のレイパパレ。ちなみに、2連勝目はルビーカサブランカ(今年の愛知杯馬)の牝馬限定2勝クラスだった。

今年、川田将雅騎手はアートハウスに騎乗予定。アートハウスは前走快勝したローズSでも先行策だったようにデビューから5戦すべて先行策で戦っている。馬場が少しでも渋れば戦法と騎手は噛み合っており、思い切ってアタマ一本で狙いたい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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