【京都大賞典】開幕週でも末脚重視、マカヒキに似た差し馬を買え 京大競馬研の本命はヒンドゥタイムズ

京都大学競馬研究会

京都大賞典インフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

阪神2400mは基本スローの上がり勝負。末脚あることが前提

昨年の同レースはマカヒキが優勝。加齢で衰えがあったとはいえ、マカヒキは切れる末脚でダービーを勝った馬だ。末脚自慢に向くコースなのでは。と仮説を立て、過去10年の阪神2400mの上がり3F順位別成績を調べた。但し、能力差の大きい新馬・未勝利戦は除いた。

過去10年、阪神2400mの上がり順位別成績,ⒸSPAIA


阪神2400mのスタート地点は、直線コースの内回りの合流地点付近にあり、坂を最初と最後の2回登るコース。また外回りを使用するため直線が長いことから、最初からあまりペースが上がらず、最後の末脚勝負になることが多い。

実際、上がり3F1位の馬は過去10年で【65-31-24-26】の複勝率82.2%。上がり2位の馬も【27-38-33-30】の複勝率76.6%と、どちらも優秀な成績になっている。

開幕週できれいな馬場を活かした前残りも予想されるが、阪神2400mでは開幕週であっても差しの決まる傾向が強いことが判明した。

過去10年、開幕週の阪神2400mの脚質別成績,ⒸSPAIA


開幕週(開催1、2日目)のレース12レースに絞って調べたところ、逃げが【4-0-2-6】、単勝回収率125%と、ある程度走るのは事実だ。しかし、中団組も逃げと同様に成績が良く【4-3-5-27】の単勝回収率116%と頭数の多さを考えると、好走率の高いゾーンと言えるのではないか。今回は逃げ候補が何頭かいるものの、スローで逃げたい馬ばかりで、ペースは上がらない可能性が高い。展開の向く逃げ馬と、末脚のある差し馬を重視したい。

過去10年、阪神2400mの上がり順位別成績,ⒸSPAIA

枠は外に行けば行くほど成績が下降

次に過去10年の阪神2400mの枠順別成績を調べた。ここでも新馬・未勝利戦のデータは除いている。

過去10年、阪神2400mの枠順別成績,ⒸSPAIA


1番成績が良いのは4枠で【18-19-21-100】の複勝率36.7%。3、5枠も4枠と似た成績が出ており、競馬の組み立てやすい中枠の馬を重視したい。そして外に行くほど成績が下降し、7枠【13-9-23-152】の複勝率22.8%、8枠は【17-15-16-157】の複勝率23.4%となっており、中枠と比べると明らかに不利だ。昨年の京都大賞典でも大外ヒートオンビートが8着に敗れている。外枠の馬は割引が必要だ。

魅力的な差し馬が数頭。枠の良い馬から選択

◎ヒンドゥタイムズ
前走は離された2着だったが、去勢した後の長期休み明けで、枠順にも恵まれず。また、馬体もしぼむなど状態は良くなかった。今回は上積みが非常に大きく、阪神も3勝をあげる得意コースと条件も好転する。距離延長だけはやってみないと分からないが、終いを活かすタイプの馬でそこまで問題にはならないはずだ。3枠4番は絶好枠、中団内目からきっちり差し切ってもらいたい。

○ボッケリーニ
重賞2勝は実績上位。ただレースを選んで走っている印象があり、強い相手との対戦は日経賞で7割程度の出来だったタイトルホルダーくらい。展開に左右されず前で堅実に走るが、鋭い末脚を持つ馬には対抗できないため、取りこぼす可能性が高い。今回は2枠2番と枠も悪くないため、馬券外に飛ぶ可能性は低いと見る。連軸として推奨する。

▲ディアマンミノル
大阪―ハンブルクカップを直線一気で勝利し、昨年の京都大賞典は直線だけで4着に追い上げるなど、末脚だけはメンバー上位。この馬は最後方からの競馬しかしないため、枠順はあまり関係なく、大外もマイナスにはならない。しかし、前走新潟記念など展開が向いても差しきれないことも多く、能力の限界を見せている。昨年のようなロングスパート戦よりは直線だけの末脚勝負の方が良いため、展開利が欲しい。

△ウインマイティー
前走は得意の阪神で重賞初制覇。オークス3着の実績がある2400mへの距離延長は歓迎。しかし、前で粘るタイプで末脚勝負だと分が悪い。昨年のようなロングスパート戦の方が良いため、自分で有利な展開を作らないといけない。今回は枠もあまり良くない。

×マイネルファンロン
宝塚記念5着で脚力上位だが、ムラ駆けタイプで当てにしづらい。

×ヴェラアズール
条件戦を自慢の末脚で勝利。▲同様直線だけ全力で走るレースの方が良い。

消アリストテレス
先行力で勝負している馬で、特に古馬になってからはキレ負け気味。昨年も恵まれた展開からスタミナを活かした押し切りを狙うも、衰えも見えるマカヒキに差された。絶好枠に入り悩みどころではあるが、能力に疑問符がつく。コース傾向通りの直線勝負では、厳しい戦いになるのではないか。

馬券はヒンドゥタイムズの単勝、◎○1着軸の馬単10点、三連複6頭ボックス20点で勝負する。先週に続く大的中を狙いたい。(文:福山)

京都大賞典 予想印
◎ヒンドゥタイムズ
○ボッケリーニ
▲ディアマンミノル
△ウインマイティー
×マイネルファンロン
×ヴェラアズール

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

《関連記事》
【京都大賞典】コース傾向から浮かぶキーワードは決め手と距離短縮 注目はヴェラアズール!
「勝負強い」騎手ランキング! タイム差なしでの勝ち越し数60以上の2名は?
高速ダート、池添謙一騎手と好相性 オルフェーヴル産駒の「買える条件・買えない条件」

おすすめ記事