【日本テレビ盃】「一発あるなという感触を返し馬で受けた」 地元船橋所属の8歳馬フィールドセンスが差し切る

三木俊幸

2022年の日本テレビ盃で優勝したフィールドセンスと本橋孝太騎手

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

道中6番手追走

今年の日本テレビ盃(JpnⅡ・ダート1800m)は、ユニコーンSを制したペイシャエス、UAEダービーを勝利したクラウンプライド、JDD優勝馬ノットゥルノとJRA所属の3歳勢に加え、南関東の古豪サルサディオーネが上位人気を構成した。

ゲート内で暴れたフルデプスリーダーが除外となった中で、好スタートからハナを奪ったサルサディオーネ。それをピッタリとマークするように2番手にノットゥルノ、3番手にクラウンプライドが続いた。

序盤から11.9-11.3-12.6-12.7-12.5(1:01.0)で流れて縦長の隊列となるが、勝負所では前3頭が並ぶ形。直線に向いてすぐにノットゥルノ、さらに直線半ばでサルサディオーネが一杯となり、クラウンプライドが抜け出して押し切るかと思われたが、道中6番手を追走していた地元船橋所属の8歳馬で7番人気だったフィールドセンスが外から一気に差し切った。

勝ちタイムは1:53.0(良)で、1/2馬身差の2着にはクラウンプライド、さらに3馬身離れた3着にサルサディオーネが入った。

船橋調教馬の勝利は2010年フリオーソ以来

口取り撮影の際に馬上から本橋騎手が、カメラマンに向かって何かを話し始めた。よく聞くと「前回(スパーキングサマーC)勝った時に、『次はもっと落ち着きますよ』と言ったのを覚えていますか」という内容だった。

私自身は前走の取材には行けていなかったが、撮影していたカメラマンの話では、フィールドセンスが興奮していてしっかり撮影ができなかったとのこと。

レース後のインタビューで本橋騎手はフィールドセンスについて、「牧場、競馬場で携わってくれた人に感謝したいくらいすごい出来で、一発あるなという感触を返し馬で受けました」と語ったように、前走時からこの馬は次走もっと良くなると予見していたのだろう。

8歳を迎えたが、充実期と言える状態に持ってきた山下貴之厩舎のスタッフの手腕、強力なメンバー相手でもしっかりと結果を出してみせた本橋騎手。最後まで見事に繋がったバトンは、2010年フリオーソ以来となる地元船橋調教馬による日本テレビ盃勝利という栄誉をもたらしたのだった。

口取り撮影に臨む2022年の日本テレビ盃で優勝したフィールドセンスと本橋孝太騎手

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。


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