【注目2歳馬】後方2番手からノーステッキで差し切り 素質の高さを見せたテンカノギジン

三木俊幸

9月3,4日の注目2歳馬,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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道中はフワフワした面を見せるも

群馬県の郷土かるたである、上毛かるたに登場する「天下の義人 茂左衛門」。この札から馬主の星野壽市氏は、セレクトセールで1億560万円という高額で落札した父エピファネイア、母モスカートローザの牡馬にテンカノギジンと名づけた。

星野氏は上毛かるたにちなんだ馬名をつけることが多いが、アサマノイタズラ、ココロノトウダイ、エンギダルマなどと同じ美浦・手塚貴久厩舎から、9月4日(日)の新潟5R・芝1800mの新馬戦でデビューした。

やや伸び上がるようなスタート、戸崎圭太騎手が軽く促しながらも後方2番手というポジション。さらに3角手前ではハミをかけ直すような仕草も見られるなど、フワフワした面も見せながらの追走という印象を受けた。

外回りコースから直線に向いた時点では最内、戸崎騎手は外の様子を伺いながら徐々に馬体を併せていく。残り400m付近で追い出され、外シエロエスティーボ、中コスモチプリアとの3頭による追い比べが続いた。残り150mで先頭に立ち、最後までシエロエスティーボに食い下がられたが、1:51.1という勝ちタイムでクビ差先着した。

逃げて2着となったシエロエスティーボが刻んだ前半1000mのラップは、13.4-12.6-12.5-13.0-13.3(1:04.8)でスローペース。3着のコスモチプリアも3番手追走と前残りの展開。テンカノギジンは最後までビッシリ追われたが、ムチを一度も使っておらず、着差以上に力が抜けていたと言える内容だった。

馬体もレースぶりもまだまだ幼い印象ながらも、追い出されてからモタモタする面はなく、重賞戦線でも通用するだけの能力は秘めていそう。距離がさらに延びても心配はなさそうだ。

9月3,4日の注目2歳馬・テンカノギジン,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

3億3,000万円のディープインパクト産駒

今週末から秋競馬。舞台は中山競馬場と中京競馬場へ移る。その中でも特に注目したい新馬戦は9月11日(日)の中京5Rに組まれている芝2000m戦だ。

昨年のセレクトセールにて3億3,000万円で落札されたディープインパクトのラストクロップ、オープンファイア(栗東・斉藤崇史厩舎)がデビュー予定。8月17日~31日までの間に、栗東CWコースで6Fからの追い切りを5本消化するなど、乗り込み十分。鞍上はルメール騎手が想定されている。

ハービンジャー産駒のアンタッチャブル(栗東・友道康夫厩舎)やエピファネイア産駒のサンライズジーク(栗東・矢作芳人厩舎)なども出走してきそうだが、どのようなレースを見せてくれるか楽しみにしたい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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