【小倉2歳S】今年も出るか、クラシック有力馬! 最有力はミカッテヨンデイイ、対するプロトポロス、ロンドンプラン
勝木淳
ⒸSPAIA
小倉も決め手が重要
以前の小倉2歳Sは小倉芝1200mが舞台ということで早熟タイプの独壇場といったレースだった。しかしここ数年、メイケイエール、ナムラクレアとのちに活躍する馬が増え、レベルが高くなりつつある。クラシックを目指し、逆算するなかで賞金加算の場にここを選択するからだろう。早めの賞金加算は今秋から来春にかけて有利に働く。これは馬の消耗を抑える各陣営の取り組みの成果でもある。今年も小倉2歳チャンピオンは以後大きいレースでも追いかけたい。データは過去10年間のものを使用する。
1番人気は【2-3-0-5】勝率20.0%、複勝率50.0%。横の比較が難しく、人気が割れるレースであることを考えると、半数が連対というのは健闘しているといえる。2、3番人気はともに【3-1-1-5】勝率30.0%、複勝率50.0%、4番人気【1-0-2-7】勝率10.0%、複勝率30.0%と上位人気は堅実。新馬勝ちした好素材は比較的素直に評価したい。とはいえ2、3着に人気薄が飛び込むケースは多々あり、昨年も3着は8番人気アネゴハダ。上位人気で買い目を固めないほうがよさそうだ。
新潟や札幌と異なり、小倉2歳チャンピオン決定戦は舞台が芝1200mなので、決め手比べになりにくいイメージはあるが、そうではない。上がり3ハロン1位は【4-1-1-5】勝率36.4%、複勝率54.5%と強く、2位も【1-4-4-2】勝率9.1%、複勝率81.8%。後半速い脚を繰り出せるタイプが優勢だ。
では前走上がり別ではどうか。前走上がり3ハロン1位は【3-4-4-33】勝率6.8%、複勝率25.0%にとどまる。むしろ上がり2位が【6-2-3-27】勝率15.8%、複勝率28.9%と好成績。前走は上がり2位だった馬が今回同じく2位、もしくはレースに慣れて1位を叩き出すといった感じ。前走上がり3位【1-3-1-25】勝率3.3%、複勝率16.7%までは事前にチェックしておきたい。
最有力はミカッテヨンデイイ
上位人気堅実、前走上がり上位を評価。ある程度は事前のレース分析と評価が有効であることがみえてきた。
では前走クラスにはどんな傾向があるのか。まず前走オープンは【3-2-1-34】勝率7.5%、複勝率15.0%。フェニックス賞は【2-2-0-23】勝率7.4%、複勝率14.8%で1着は【2-1-0-4】勝率28.6%、複勝率42.9%と好成績だ。このうち先行は【2-1-0-1】で上がり2位以内は【2-1-0-3】となっている。前走フェニックス賞1着、3番手先行、上がり1位のミカッテヨンデイイは好走条件を満たす。
また前走函館2歳Sは【0-0-1-2】。20年3着フォドラは函館2歳Sで4着だった。2着だったクリダームも評価は下げられない。
前走新馬は【6-5-7-46】勝率9.4%、複勝率28.1%。そのコース内訳は同舞台の小倉芝1200mが【5-4-4-32】勝率11.1%、複勝率28.9%。ここを中心としつつも、中京芝1200mも【1-0-1-2】勝率25.0%、複勝率50.0%と少数ながら結果を出している。今年は0.6差で圧勝し、上がり1位を記録したプロトポロスがいる。
多数派の前走小倉芝1200m新馬組について位置取り別成績を出すと、逃げ【2-1-1-15】勝率10.5%、複勝率21.1%に対し、先行は【3-2-3-12】勝率15.0%、複勝率40.0%。控えて勝てるセンスがポイントだ。ロンドンプランは前走4コーナー3番手から上がり最速で1着。父グレーターロンドンはデビューが遅く休養期間が長かったが、5連勝で東風Sを勝ち、安田記念で4着に入った。その母ロンドンブリッジは3連勝でファンタジーSを制した。ロンドンプランもここを突破できれば、以後連勝もあるのではないか。
なお前走未勝利は【1-3-1-32】勝率2.7%、複勝率13.5%。小倉芝1200mで逃げた場合は【1-1-1-6】勝率11.1%、複勝率33.3%と確率上昇し、今年はニシノトキメキとエイヨーチャクラが当てはまる。一方、逃げていない場合は【0-0-0-16】。未勝利組は小倉芝1200mで逃げていることが好走条件になる。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。
《関連記事》
・トップはキタサンブラックの18億7684万円 アーモンドアイは何位?競走馬JRA獲得賞金ランキング
・2022年上半期のGⅠデータまとめ 「平地は1番人気全敗」「武豊騎手がダービー6勝目」
・クラブ選びや出資馬選定など一口馬主の始め方をご紹介! 毎月かかる費用などお金事情も詳しく解説
おすすめ記事