川田将雅騎手が首位独走 今村聖奈騎手は重賞初騎乗Vなど月間7勝【7月終了時点の騎手リーディング】
SPAIA編集部
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川田騎手は年間92勝
2022年も下半期に突入したかと思えば、あっという間に7月の開催が終了した。最終週となった先週末は新潟、札幌ともに厳しい暑さに見舞われた。騎乗している騎手たちにとってもハードな日々が続いている。
今回は7月2日~31日までの開催10日間におけるリーディング上位騎手の成績、そして記録達成のニュースについても振り返っていく。
騎手リーディングトップは引き続き川田将雅騎手の独走状態が続く。7月は15勝を積み重ねて92勝まで伸ばし、年間100勝へのカウントダウンが始まった。日別の成績では2→2→0→2→0→1→1→2→2→3で半数以上にあたる6日間で複数勝利。7月10日に行われたプロキオンSをゲンパチルシファーで制し、年間の重賞勝利数は6勝となっている。
そんな川田騎手を上回る月間最多16勝の活躍を見せたのは横山武史騎手。1日3勝の固め打ちを3回記録し、北海道開催が始まってから絶好調を維持し79勝としている。また7月17日をもって終了した2022年函館開催のリーディング騎手にも輝き、これで3年連続3回目の同タイトル獲得となった。
8月にはイギリスで行われる騎手対抗戦・シャーガーカップに世界選抜の一員として参加することが決定。世界の名手たち相手にどんな騎乗を見せてくれるのか楽しみだ。
3位は70勝の戸崎圭太騎手。6月終了時点では5位だったが、福島開催では1→3→2→2→3→1→1→1と8日間全てで勝利、14勝を上積みして2回福島競馬のリーディングを獲得した。先週から始まった新潟開催、開幕週は勝利することができなかったが、1カ月後にどこまで勝利を積み重ねることができるのか引き続き注目していきたい。
4位は岩田望来騎手。小倉開催では8日間(2日目は福島で騎乗)でわずか3勝と調子が上がらなかったが、2場開催となった最終週は新潟で騎乗し、日曜日には1日4勝と久しぶりに爆発。今年序盤はまとめて勝つ日も多かっただけに、これをきっかけに再浮上へと繋げたいところだ。
フランスに一時帰国中のルメール騎手は、7月全休で6月終了時と変わらず63勝。勝利数では月間14勝で猛追してきた松山弘平騎手に並ばれたが、2着の回数差で5位をキープしている。
横山武騎手とともにルメール騎手もシャーガーカップに参戦。その後帰国し、8月13日の開催から日本での騎乗を再開する予定となっており、巻き返してくるに違いないだろう。
重賞初騎乗V、月間7勝の活躍
ここからは7月に達成された記録について見ていこう。一番話題になった出来事は、今村聖奈騎手の重賞初騎乗初勝利と言っても過言ではない。7月3日に小倉競馬場で行われたCBC賞で、ハンデ48kgのテイエムスパーダに騎乗してハナを切ると、前半600mを31.8というハイペースで飛ばし、直線に向いても後続を全く寄せ付けず1:05.8のレコードタイムをマークした。
重賞初騎乗Vは武幸四郎騎手(現調教師)や池添謙一騎手など4人が達成しており、史上5人目。女性騎手ではJRA史上初の快挙達成となった。そんな新人離れしている今村騎手は7月4週目のみ未勝利に終わったものの、それ以外の週では勝利をあげて月間7勝。年間成績では23勝と勢いは止まらない。
先日小倉競馬場で取材していると、自身が騎乗していないレースでもウイナーズサークルまで出てきて熱心にレースをチェックしている姿、自厩舎の馬が勝利した際に嬉しそうに駆け寄る姿を目にした。見ているだけで、心の底から競馬が好き、馬が好きという気持ちがヒシヒシと伝わってきた。そういった姿勢が騎乗技術向上や活躍の原動力となっているに違いない。
このままのペースで行けば夏競馬の間に新人賞の資格となる30勝、GⅠに騎乗できる31勝到達の可能性も十分あり得るだろう。
短期免許初日に初勝利達成
その他では7月24日の札幌5Rで吉田隼人騎手がJRA通算1100勝、7月30日の新潟3RでM.デムーロ騎手がJRA通算1200勝をそれぞれ達成した。
同じく7月30日の新潟12Rでは短期免許で来日している香港のC.ホー騎手が騎乗初日にJRA初勝利をマーク。香港ではゴールデンシックスティの主戦として一気にブレイクし、昨年のクイーンエリザベス2世Cではラヴズオンリーユーに騎乗してGⅠ制覇へと導いたのが記憶に新しい。
身元引受調教師は安田隆行調教師、契約馬主は吉田勝己氏で、騎乗馬に関してはある程度のバックアップが期待できる。8月28日までの1カ月間でどのような騎乗を披露してくれるのか、楽しみにしたい。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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