【クイーンS】桜花賞2着の実績を素直に信頼 京大競馬研の本命はウォーターナビレラ

京都大学競馬研究会

クイーンSインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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桜花賞2着馬か、実績馬の復活か

7月31日(日)に札幌競馬場でクイーンS(GⅢ)が行われる。桜花賞2着馬ウォーターナビレラが主役を張るが、復活を期してテルツェットやマジックキャッスルなど重賞勝ち馬たちも参戦。秋華賞、あるいはマイルCSに向けてどんな走りを見せるのか、ウォーターナビレラには大いに注目が集まる。データを基にその死角を探っていきたい。


3歳+斤量1kg上乗せは実績上位の証

過去10年クイーンS年齢別成績,ⒸSPAIA


まずは過去10年の年齢別成績を調べた。勝ち馬を最も多く輩出しているのは4歳馬で【5-5-2-28】。今年の出走馬はスライリーのみだが、先行して伸びず、後方から届かずを繰り返しているため頼りないかもしれない。

次点で挙がってくるのが3歳馬【2-0-1-9】、6歳馬【2-0-0-19】。特に3歳馬は51kgで出走できることが魅力として取り上げられる。

賞金別定戦である当レースは、収得賞金が3000万円を超えると2000万円ごとに斤量が1kg加算される仕組みになっている。3歳で斤量52kg(8月開催なら53kg)を課せられるのは収得賞金5000万円以上、つまり重賞勝ち+GⅠ連対することで到達できる実績上位の証だ。

1kg加算された馬については過去10年2戦2勝のパーフェクト。クイーンSが札幌開催になった2000年まで遡っても【2-1-0-1】と連軸から外せない。馬券外に敗れた2008年のエフティマイアは、その後鳴かず飛ばずであったことを考えると、ウォーターナビレラにとってここは落とせない一戦になりそうだ。

3歳で斤量51kg(8月開催52kg)は【0-0-1-9】とほとんど走らないため一転消し材料になる。来年以降使えるデータとして覚えておきたい。

5歳馬は【1-5-7-36】。出走数の多さから紐には入るものの、単勝狙いは避けた方が良さそうだ。


紐選び 実績馬の復活なるか

クイーンS有力馬診断,ⒸSPAIA


ウォーターナビレラの連対が堅いと判明したところで、実績馬の復活はあるのか。重賞馬2頭とそれ以外で期待出来る大穴の走りを精査した。

マジックキャッスルは昨年の府中牝馬S以降スランプ気味。前走も4角で早々に手応えが無くなっており、途中で競馬をやめている可能性が高い。充実期だった昨年は先行策から早め押し切りが狙えた。しかし加齢によって硬さが増したのか昔ほど道中で動けないため、スロー濃厚の今回は展開面での不利が大きい。斤量57kgも割引で今回は静観が妥当だろう。

テルツェットはヴィクトリアマイルで13着だったが、上がり最速タイで衰えは見られない。しかし昨年のクイーンSは逃げ争いの激化や、直線で前の馬が膨れて前が開くなど展開に恵まれた点も多い。今回はローザノワールの単騎逃げが見込まれ、上がり勝負になると予想される。手応えの残る先行馬が道を譲ってくれるとは思えない。大外ぶん回しでは届かないため、頑張っても3着が精一杯ではないだろうか。筆者自身は消しで行きたい。

これら2頭よりは前走函館で勝ったフィオリキアリを推したい。夏の平坦コースでは【2-1-0-1】と優秀な成績を残し、先行や逃げの経験もあるなど折り合い面での不安も無い。一瞬しか脚が使えないため道中で仕掛けるのは厳禁だが、勢いと適性は一枚上でここでも一発見込める。前走通りの追込競馬だと展開有利が貰えないのが不安材料だが、追込馬の中でテルツェットと大きな差は感じない。


紐荒れ狙いで馬券の組み方はよく考えるべし

◎ウォーターナビレラ
阪神JF3着、桜花賞2着で実績上位。GⅠ連対歴のある3歳馬は過去10年で2頭走って全勝。今回は衰えや不振が目立つ5、6歳馬が相手で、力は1枚どころか3枚は抜けている。断然人気が想定されるが、世代レベルの高さを信じて勝つこと前提、しくじっても2着の馬券を組みたい。

◯ローザノワール
ヴィクトリアマイルは逃げて4着。押してでも逃げたら粘りが効くタイプで、メンバー構成から今回単騎逃げが叶いそう。前走の激走で妙味は無くなってしまったが、それでも機動力を活かせる札幌なら十分買える。

▲フィオリキアリ
条件馬時代は先行策の経験も豊富で、夏の平坦コースは得意。高い適性を活かした立ち回りに期待したい。ゲートを決めて先行策が取れると尚良し。

△メイショウミモザ
阪神牝馬Sを勝利も、反動があったのかヴィクトリアマイルでは殿負け。ただ2走前と同じ走りが出来たら紐候補にはなる。距離延長がどうか。

×サトノセシル
昨年のクイーンS3着。休養明け2戦走っているが衰えは無い。出走が叶った運も味方につけたい。

馬券はウォーターナビレラ1着軸の馬単4点、三連単12点、ローザノワールが頑張った時用の馬単◯―◎だけ保険をかけておく。桜花賞のパドックで見たウォーターナビレラの馬体は輝いており、見た瞬間買い目を変えてしまうほど、明らかにGⅠ馬の馬体をしていた。あの仕上げで出走できればどこかで必ずGⅠを勝てる逸材、ここで負けるわけにはいかない。

クイーンS 予想印
◎ウォーターナビレラ
◯ローザノワール
▲フィオリキアリ
△メイショウミモザ
×サトノセシル

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。


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