【アイビスSD】前走同コース×3番手以内が連対率87.5% 東大HCの本命はシンシティ

東大ホースメンクラブ

アイビスSDインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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スピードキング決定戦

今週日曜、新潟競馬場でGⅢアイビスSDが行われる。韋駄天Sを勝った勢いそのままに重賞初制覇を目指すマリアズハート、同レース覇者のオールアットワンスやライオンボスなど、スピードキング決定戦にふさわしいメンバーが出揃った。

父サンデーサイレンス系が大不振に陥っているなど(過去21レースで【0-2-2-47】)、特殊なレースとあって一般的なデータが通用しない。最速の称号を手に入れるのは果たしてどの馬なのか、過去10年の同レースを参考に予想を組み立てていく。


前走同コース×逃げ先行が堅い

過去10年前走同コース組条件別成績,ⒸSPAIA


<アイビスSD・前走同コース組400m地点順位別成績>
3番手以内【2-5-0-1】勝率25.0%/連対率87.5%/複勝率87.5%
4番手以下【1-0-1-26】勝率3.6%/連対率3.6%/複勝率7.1%
※過去10年

アイビスSDでは過去10年で前走1400m以上組が【0-0-0-18】と全滅。対照的にレースの流れを経験している前走同コース組が【3-5-1-27】と8頭の連対馬を出している。比較的信頼度が高い前走芝1000m組から軸候補を探っていきたい。

非常に頼りになるのが前走400m地点で3番手以内につけていた馬。該当馬8頭のうち7頭が連対し、唯一馬券外に敗れた2017年のイオラニは前走勝ち馬と1.5秒差のしんがり負けを喫していた。イオラニの例を参考外とすればほぼ鉄板に近いといえる。今年の該当馬はシンシティただ1頭だ。

一方、4番手以下はかなり苦しい成績となっており、好走したのは2016年3着のプリンセンスムーン(前走韋駄天S1着・5番手)、2017年1着のラインミーティア(前走韋駄天S4着・13番手)のみ。前者は本番で3番手につけ、後者は次走のセントウルSでも好走、かつ鞍上がこのコースを知り尽くした西田雄一郎騎手というレアケースだった。よって、後ろから運んで好走し、ここに駒を進めてきた馬の評価を安易に上げないようにしたい。

前走芝1200m組は【6-5-8-79】(CBC賞取消から臨んだ2015年のベルカントを除く)。このうち前走で1分8秒2以内の走破タイムを記録していると【4-2-2-9】とぐっと好走確率が高まる。昨年は該当馬2頭中オールアットワンスが勝ち、2018年は馬券圏内を独占。該当馬のうちさらに4枠から外に限ると【4-2-2-3】で、この路線からは条件をクリアする馬を選びたいところだ。


好走条件にピタリ

◎シンシティ
小倉ダート1000mで2勝を挙げるなどスピード能力は折り紙付き。前走は内枠から抜群のスタートを決め、ハナを取り切り粘って3着。後方待機勢が台頭するなか、外枠へ誘導するロスを考えれば内容の濃いレースだった。前走で新潟芝1000mを逃げた牝馬は2005年のウェディングバレー以来、5回連続で連対している。絶好の8枠17番も味方に重賞初制覇を決めてほしい。

◯ヴェントヴォーチェ
前走芝1200m組からは函館スプリントSで1分7秒7の走破タイムを記録した同馬を選んだ。ローカル戦線を中心とした短距離戦で着実にキャリアを積み、2走前の春雷Sの圧勝でついに花開いた。前走では中盤でスピードを抑える場面があるなど決してベストなレースではなく、この一戦で評価を下げるのは早計。脚力はメンバー中最上位クラスだろう。

▲マウンテンムスメ
テンの速さに定評のある逃げ馬。前走の勝ちタイム1分8秒3はわずかに好走条件を満たさないが、函館コースの芝を鑑みれば一考の余地はある。ポジション確保が重要な同レースは向きそうで、鞍上は2015~2016年にベルカントで連覇した経験のあるM.デムーロ騎手。また過去10年で【1-0-2-5】と好走例の多いアドマイヤムーン産駒でもある。重賞は2歳時のエーデルワイス賞以来となるが、レースの流れに対応できれば粘り込みも可能と見る。

以下印はマリアズハート、ジュニパーベリー、アヌラーダプラ、オールアットワンスと続く。ライオンボスは好走例が非常に乏しい1枠を引いたため見送りたい。馬券は◎から印を打った馬に流す馬連で勝負する。

▽アイビスSD予想▽
◎シンシティ
◯ヴェントヴォーチェ
▲マウンテンムスメ
△マリアズハート
×ジュニパーベリー
×アヌラーダプラ
×オールアットワンス

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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