【CBC賞】先行力重視で軽斤量馬にもチャンス 京大競馬研の本命は48kgテイエムスパーダ

京都大学競馬研究会

CBC賞インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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昨年同時期の好走ポジションは4角4番手以内

7月3日(日)に小倉競馬場でCBC賞(GⅢ)が行われる。3歳重賞で戦ってきたアネゴハダとテイエムスパーダ、昨年の覇者ファストフォースや重賞2勝のタイセイビジョンなどが顔をそろえた。昨年は日本レコードが出る馬場で行われた当レース。今年もある程度前の止まらない競馬が予想される。昨年のレース内容から展開予想を重視して組み立てた。


昨年同時期芝レース好走馬通過順,ⒸSPAIA


小倉で行われた昨年のレースと、その当日の芝レース傾向を振り返りたい。CBC賞ではハロンごとに11.6-10.0-10.7-10.9-11.1-11.7のペースを刻んだファストフォースが逃げ切った。中盤は一切緩めること無く走り、最後は止まってしまった、というラップだ。実績上位だったピクシーナイトとアウィルアウェイが中団から差し込んできたものの、馬場有利を活かしきったファストフォースを捉えきれない結果になった。

当日にあった芝の6レース(CBC賞含む)について調査したところ、4角5番手以下にいた馬の成績は【0-1-3-31】で、連対した1頭はピクシーナイトのみととにかく差しが厳しかった。一方で、逃げ馬は【2-2-0-2】と差は歴然。今年も晴れになりそうで、昨年と似た条件で行われると考えられる。逃げ馬を主軸とし、4角4番手以内の先行馬で固めた馬券を組み立てたい。昨年のような超ハイペースになった時用の差し馬は、実績のある馬だけヒモでおさえる程度にしておきたい。


勢いに勝る軽斤量馬、昨年の覇者、それぞれの走りを精査

上位人気想定独自診断,ⒸSPAIA


次に上位人気想定から3頭を評価した。

昨年の覇者ファストフォースは1年経った今でも1200mの日本レコードホルダー。小倉であれば時計の速い遅い関係なく成績を残している。昨年から4kgも増えた斤量にいかに対応するかがカギとなるが、スプリンターズS以降の別定、定量戦では逃げて失速、先行伸びずの競馬を繰り返しており、地力勝負では劣る。そのため他馬よりハンデが課されるのは大幅なマイナスと考える。実績馬の少ない今回は前有利の環境とコース巧者ぶりでどこまでやれるかにかかっている。

アネゴハダはフィリーズレビュー3着の実績持ち。走破時計も1分20秒2と3歳3月時点では非常にハイレベルなレースだった。2着ナムラクレアは函館スプリントSを快勝するなど、今後につながるスプリント戦だったと言えるだろう。斤量の有利からファストフォースより前で競馬が出来るようであればこちらも勝ち負けになるだろう。あとは乗り替わりの藤懸貴志騎手が馬場傾向や馬の特性をどれだけ掴んでくるか次第だ。

テイエムスパーダは主戦の国分恭介騎手が斤量の都合で乗れないことから、ルーキー今村聖奈騎手に変更となった。小倉での2勝は先行からの抜け出しで、先述した黄金ポジション、4角4番手以内を最も満たせそうな馬だと考えられる。福島の3勝クラスにも登録があったが、そちらを蹴っての参戦。騎手や斤量で過剰人気は避けられないが、軽視は禁物だ。


夏の小倉で躍動するテイエム冠、重賞でも

◎テイエムスパーダ
小倉芝1200mで2勝。躓いて5番手からになった2走前は度外視で、開幕週だった前走阪神では2番手から抜け出し、持ち時計を1.1秒詰めた。小倉開幕週の当レース向きの馬であることは間違いなく、重賞でもテンの速さは見せているため、軽斤量を活かした競馬をしたい。48kgは最軽量。騎手の選択肢が狭くなる斤量だが、減量騎手では直近1番の良績を残す今村騎手を確保した。確かに過去10年で49kg以下の馬は馬券絡みがないものの、全頭5歳以上で既に頭打ちの成績だったことを考えると、勢いのある当馬とアネゴハダはそれらとは違う扱いをするべきではないだろうか。

◯ファストフォース
今年の出走馬の中では実績最上位。小倉のCBC賞を勝って北九州記念2着と◎に負けず劣らずの小倉巧者。昨年と比較して斤量が4kg増えたことと、加齢で逃げ戦法が取りにくくなっていることはマイナス。

▲メイショウチタン
昨年の当レースで本命を打ったが、超高速馬場に対応できず。前走も差し有利の展開でやられたもの。先行力は高く、平均的な馬場であればここでも通用する。当日の馬場を見て考えたい。

△アネゴハダ
テイエムスパーダと同じ3歳条件馬で斤量49kg。3走前のフィリーズレビューは先行して見せ場十分の3着。スプリント戦としては高レベルで、能力はこの斤量を加味すれば重賞でも通用するものがある。しかし乗り替わり、久しぶりの1200mになることは懸念材料。テイエムスパーダと比較して1kg余分に背負うことで、最後に詰めの甘さが出てもおかしくない。

×スティクス
逃げ想定。馬場の有利活かしてどこまで粘れるか。

×タイセイビジョン
実績上位でハイペースなら差しが効くが、展開がよほど向かないと厳しい。

馬券はテイエムスパーダ軸の三連複10点で勝負する。(文:福山)

CBC賞 予想印
◎テイエムスパーダ
◯ファストフォース
▲メイショウチタン
△アネゴハダ
×スティクス
×タイセイビジョン

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。




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