【帝王賞】「道中は理想通りの展開」 浜中俊騎手騎乗のメイショウハリオがJpnⅠ初制覇

三木俊幸

2022年帝王賞、メイショウハリオ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

1000〜1200mのポジショニングが明暗を分ける

ダート路線の上半期の頂点を決める一戦、帝王賞(JpnⅠ・ダート2000m)。今年はJRA勢7頭、地方勢2頭の少数精鋭9頭によって争われ、浜中俊騎手騎乗の5番人気メイショウハリオが勝利。これまで重賞2勝をあげていたが、初のGⅠ級タイトル獲得となった。

単勝1.5倍と断然の支持を集めたのは、昨年の覇者テーオーケインズ。2番人気は東京大賞典4連覇など大井コースを得意とするオメガパフューム、3番人気にドバイワールドカップ3着以来の出走となったチュウワウィザードが続いた。

レースはスタート後、ハナを奪いそうな雰囲気だったクリンチャーを交わしオーヴェルニュが先手を奪った。2番手にクリンチャーが付け、スタートでやや後手を踏んだテーオーケインズが3番手という隊列。

12.5-11.2-12.5というラップでペースは落ちないかと思われたが、2角でオーヴェルニュの鞍上福永祐一騎手は13.7とペースを落とす。しかし、そこへクリンチャーとテーオーケインズが並びかけ再び12.6とペースアップ。さらに、中団を追走していたスワーヴアラミスが一気に捲っていったことで1000〜1200mは11.4を記録。前で動かざるを得なかった馬たちにとっては非常に厳しい展開となった。

対照的に11.4とペースが上がったところで巻き込まれることなく我慢したのがメイショウハリオ。3角から再び前に迫っていくと直線では外に持ち出し、残り200mで先頭へ。大外からオメガパフューム、ゴール前では最内からチュウワウィザードも迫ってきたがクビ差振り切り優勝。勝ちタイムは2:03.3(良)だった。

2022年帝王賞、メイショウハリオ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


2着チュウワウィザードは道中、メイショウハリオのすぐ内、3着オメガパフュームは後方2番手という位置取りだったことを見ても、1000〜1200mでのポジショニングが明暗を分ける大きなポイントだったと言えるだろう。

1番人気テーオーケインズは3番手からレースを進めたが、3着から4馬身離れた4着に終わった。

2022年帝王賞、テーオーケインズ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


テーオーケインズをマーク

レース後のインタビューで事前の展開をどう読んでいたかと尋ねられた浜中騎手は、「大方こうなるか、テーオーケインズが先に行くかと思っていた」とコメント。

また道中の位置どりについても「テーオーケインズの後ろで競馬をしようと思っていたので、思いのほか道中は理想通りの展開だったので、最後は頑張ってくれという気持ちで追っていた」と語った。

2022年帝王賞、浜中俊騎手,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


全てが上手く運んだとはいえ、実績十分のダート界のトップクラスが揃った中での勝利は人馬ともに大きな自信になったに違いない。

管理する岡田稲男調教師は次走については、オーナーと相談して決めていきたいと話した。再びトップクラスのメンバーとの対戦となった際に、どのようなレースを見せられるのか注目したい。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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