【宝塚記念】ハイペースだからこそ「4角2番手」が絶好ポジション! 東大HCの本命はタイトルホルダー

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宝塚記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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灼熱のサマーグランプリ

阪神競馬場でGⅠ宝塚記念が行われる。大阪杯でまさかの9着、現役最強馬の座を取り戻したいエフフォーリアに、天皇賞(春)を圧勝したタイトルホルダー、三冠牝馬の意地にかけて復権を狙うデアリングタクト、ドバイターフ覇者パンサラッサなどタレントが勢ぞろい。サマーグランプリの名にふさわしい精鋭たちが仁川を疾走する。

今年は宝塚記念としては珍しいフルゲート、京都競馬場改修に伴う変更により開催2週目の馬場での施行と、例年とは異なる舞台設定。過去のデータからヒントを探りつつ、的中をつかみ取りたいところだ。


パンサラッサが作るペースを利するのは?

ハイペース宝塚記念脚質別成績,ⒸSPAIA


<前半5F59秒未満の宝塚記念 脚質別成績>
逃げ【2-0-0-6】勝率25.0%/連対率25.0%/複勝率25.0%
先行【2-6-1-17】勝率7.7%/連対率30.8%/複勝率34.6%
差し【1-0-5-30】勝率2.8%/連対率2.8%/複勝率16.7%
追込【1-1-1-27】勝率3.3%/連対率6.7%/複勝率10.0%
マクリ【1-0-0-0】勝率100.0%/連対率100.0%/複勝率100.0%
※1986年以降の該当7レース(阪神のみ)

今年の宝塚記念で注目すべきはパンサラッサの存在。身上とするハイペース逃げが世界に通用することを示したドバイターフ覇者は、今回も自らのレースに徹するだろう。同馬の前半5Fタイムは、福島記念57秒3、中山記念57秒6、有馬記念59秒5(目安)。2200m戦の今回は57秒~58秒台のペースが予想される。そこで1986年以降の同レースにおいて前半5F59秒を切った7レースの脚質別成績を確認していく。

道中先頭から逃げ切ったのは1998年のサイレンススズカと2004年のタップダンスシチー。ともに1番人気での勝利で、その他は一桁着順すら皆無だ。サイレンススズカは1200mからの3ハロンで「12秒5-12秒4-12秒8」と息を入れての快勝、タップダンスシチーは3番手から向正面で先頭を行くローエングリンを捕まえ、途中から逃げる強気の競馬で、ラスト1Fは失速しながらも後続を寄せ付けなかった。パンサラッサが踏むペースは後者にやや近いだろうが、タップダンスシチーは前走59kgを背負った金鯱賞をレコード勝ちして臨み、前年にはジャパンCを9馬身差勝ちしていた馬。これと同格のパフォーマンスを見せられるか、という難題が立ちはだかる。

ハイペースの年で最も安定しているのは先行勢。特に4角2番手(タイ含む)で通過した馬は2012年を除いて連対馬を出しており、逃げ馬を前に見て運ぶのが最も恵まれたポジションといえそう。その位置にいる筆頭候補はタイトルホルダーだろう。

対する後方待機勢は連対こそ2頭にとどまるものの、ほぼ全レースで3着に食い込んでおり、こちらも馬券圏内に1席はあるとみて馬券を組むべきだ。とはいえ4角10番手以下からの連対は2011年ブエナビスタ(2着)、2012年オルフェーヴル(1着)のみと歴史的名馬に限られる。特に今年はフルゲートとあって、大外を雑に回しての上位進出はより難しい状況であることも確か。3連系での取り扱いは慎重に考えたい。


勝ってロンシャンへ

◎タイトルホルダー
以上のデータを踏まえ、本命は絶好ポジションを取れそうな同馬に打った。前走の天皇賞(春)は実績馬ディープボンドを全く寄せ付けない走りでの圧勝。大きな緩みのないペースで最後まで脚を伸ばし続けた内容は高く評価でき、ここにきて馬が一段階レベルアップした感がある。中距離戦でも皐月賞での2着があり、適性は十分といっていい。前述したハイペース宝塚記念においてはステイゴールド、シルクフェイマス、リンカーンなど天皇賞(春)で結果を残した馬が多く好走している点も追い風。内が生きている開催2週目の馬場も利せるとあれば、戴冠は目前だ。勝ってフランス・ロンシャンへ羽ばたきたい。

◯アリーヴォ
差し・追込枠からはこちらをチョイス。前走の大阪杯は武豊騎手の絶妙な騎乗があったとはいえ低評価を覆す3着。小回りの小倉大賞典で大外から差し切った脚力を証明する形となった。大阪杯とリンクのある阪神芝2200mで、鞍上が同コースを得意としている(過去10年で複勝率49.1%)のも心強い。もう一丁の激走に期待する。

▲エフフォーリア
3歳時には歴戦の猛者たちをなぎ倒し、スターダムに君臨していた同馬。前走の大阪杯9着はゲート内でのアクシデントなど多角的要因があったとはいえ、かつての走りからは程遠い大敗だった。好枠かつ中団前のポジションは確保できそうだが、立て直しができたかに疑問の余地あり。出走馬中の実力ナンバーワンを認めた上でも軸にする信頼度は薄い。

以下有馬記念2着の実績を買ってディープボンド、大阪杯覇者ポタジェ、同4着ヒシイグアス、大穴でマイネルファンロンまで押さえる。馬券は◎から印を打った馬への馬連とする。

▽宝塚記念予想▽
◎タイトルホルダー
◯アリーヴォ
▲エフフォーリア
△ディープボンド
×ポタジェ
×ヒシイグアス
×マイネルファンロン

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。



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