【宝塚記念】タイトルホルダー&エフフォーリアW消し ハイブリッド式消去法の本命候補は?

八木遊

2022年宝塚記念ハイブリッド消去法,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『マーメイドS』は、9番人気アイコンテーラーを本命視したが、11着に惨敗。消去を免れたもう1頭のホウオウエミーズに至ってはシンガリ負けだった。

今週は上半期の総決算『宝塚記念』を予想していく。いつも通り、過去10年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。19日時点で、除外対象の2頭も含めて進めていきたい。

『前走から距離延長』×『関東所属騎手』★0.0%★

1つ目は距離変動別データの距離延長組に着目した。過去10年で【4-6-5-55】(複勝率21.4%)という成績だが、関東所属の騎手が鞍上だと【0-0-0-13】(同0.0%)と、全て馬券圏外に沈んでいる。まずはこの組み合わせで絞り込みを図りたい。

今年この条件に当てはまったのは、エフフォーリア、ポタジェなど5頭。ここ数年は横山武史騎手を筆頭に関東のジョッキーも活躍しているが、めったに乗る機会がない阪神2200mでは減点要素になり得るとみてバッサリ消去する。

【今年の該当馬】
・ウインマリリン
・エフフォーリア
・キングオブコージ
・パンサラッサ
・ポタジェ

『前走から距離短縮』×『前走上がり2位以内』★0.0%★

続いては同じ距離変動別データから、距離短縮組を取り上げたい。過去10年の成績は【6-4-5-56】(複勝率21.1%)と、延長組とほぼ同じ。意外にも凡走しているのは前走で速い上がり時計をマークしていた馬だ。同2位以内を叩き出して宝塚記念に臨んだ馬は【0-0-0-12】(同0.0%)と、好走馬はいなかった。

今年この条件に当てはまったのはタイトルホルダーと除外対象のヒートオンビート*の2頭。2つ目の消去データを終えて、早くもエフフォーリアとタイトルホルダーの2強が消えた。

【今年の該当馬】
・タイトルホルダー
・ヒートオンビート*

『前走3番人気以下』×『キャリア26戦以上』★3.3%★

3つ目は前走時の人気順に注目した。前走レースを3番人気以下で走っていた馬は【3-5-5-78】(複勝率14.3%)。これは同2番人気以内の【5-2-3-20】(同33.3%)に比べると、見劣りする。特に通算26戦以上をこなしてきたキャリア豊富な馬は【0-0-1-29】(同3.3%)と、3着が1度だけだった。

今年この条件に当てはまったのは4頭。除外対象のサンレイポケット以外にアフリカンゴールド、マイネルファンロン、メロディーレーンを消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・アフリカンゴールド
・サンレイポケット*
・マイネルファンロン
・メロディーレーン

『6歳以上』×『社台系生産』★4.5%★

4つ目のデータは6歳以上の馬を取り上げたい。過去10年で【0-4-0-46】(複勝率8.0%)と、6歳以上というだけで複勝率は10%未満となるが、ハイブリッド式ではもう一つの条件を組み合わせてさらに絞り込みを図る。今回は社台系生産馬が対象。非社台系の牧場で生産された6歳以上の馬は、【0-3-0-25】(同10.7%)と辛うじて10%を維持しているが、社台系生産馬は【0-1-0-21】(同4.5%)と、5%に達していない。

今年この条件に当てはまったのは以下の4頭。新たにギベオン、ステイフーリッシュ、そしてヒシイグアスの3頭を無印とする。

【今年の該当馬】
・(キングオブコージ)
・ギベオン
・ステイフーリッシュ
・ヒシイグアス

『SS系(ディープインパクト系を除く)』×『今回7番人気以下』★3.4%★

最後は、血統データに注目。ここでは、ディープインパクト系を除くサンデーサイレンス(SS)系を取り上げたい。過去10年でSS系は【4-1-3-45】(複勝率15.1%)と、やや苦戦傾向。好走しているほとんどの馬は宝塚記念で上位人気に支持されており、6番人気以内は【4-0-3-17】(同29.2%)だった。一方で、最終的に7番人気以下だと、【0-1-0-28】(同3.4%)でほぼノーチャンス。14年に9番人気で2着に激走したカレンミロティックだけが馬券に絡んでいた。

ここまで登録20頭中14頭を消去してきた。残っている6頭のうちSS系の馬はアイアンバローズとオーソリティのオルフェーヴル産駒2頭。もし当日7番人気以下になりそうなら消去対象となる。

【今年の該当候補】
・アイアンバローズ
・オーソリティ

5つの条件を終えて、確実に残るのはアリーヴォ、グロリアムンディ、デアリングタクト、ディープボンドの4頭となった。この4頭の中から、本命候補として名前を挙げるならデアリングタクトとディープボンドの2頭か。いつも通り最終追い切りと当日の気配などを確認したうえで、最終判断を下したい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は62.0%(6月19日現在)。

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