【ユニコーンS】とにかく末脚を重視！　東大HCの本命はヴァルツァーシャル

2022/06/19 06:00

東大ホースメンクラブ

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この記事のレース

ユニコーンステークス

GⅢ

6月19日(日)　東京11R

ダート界の頂点へ

今週日曜、東京競馬場でGⅢユニコーンSが行われる。河内洋調教師×武豊騎手の兄弟弟子タッグで話題を集める外国産馬ジュタロウ、前走青竜Sで衝撃の末脚を披露したハセドン、NHKマイルC5着からダート転向となるインダストリアなど、今年も各路線から多士済々のメンバーが集結した。

過去の勝ち馬にはノンコノユメ、ゴールドドリーム、ルヴァンスレーヴ、カフェファラオなどのちに日本のダート界を制圧したスターホースがずらりと名を連ねる一戦。ダート界の頂点へ直結する出世レースを制するのは果たしてどの馬か。過去10年のデータを参考に予想していく。

上がり3ハロン順位に顕著な差

過去10年ユニコーンS上がり順位別成績,ⒸSPAIA

＜ユニコーンS　上がり3ハロン順位別成績＞
1位【4-4-3-4】勝率26.7%/連対率53.3%/複勝率73.3%
2位【1-1-1-3】勝率16.7%/連対率33.3%/複勝率50.0%
3位【5-1-2-4】勝率41.7%/連対率50.0%/複勝率66.7%
4位以下【0-4-5-114】勝率0.0%/連対率3.3%/複勝率7.3%
※過去10年

全体的な傾向で押さえておきたいのが上がり3ハロンのタイム別成績。全10勝を上がり3位以内の馬が挙げている一方、4位以下は複勝率1割に満たない。梅雨時のレースで、脚抜きのいい末脚比べの馬場になりやすいという要因もあるが、良馬場開催に絞っても傾向に大きな変化はなし。基本的には「キレ命」の精神で予想を組み立てるべきだろう。

具体的には、今回と同じ東京ダート1600mで上がり3ハロン3位以内の経験があった馬には信頼を置きやすい。2014～2020年にかけて連対馬を輩出、2014年と2019年を除く5回はワンツーを決めている。昨年はこの条件を満たさない馬が上位を占めたが、終わってみればJRAの3歳ダート路線全体が低調だったレアケース。今年は例年の傾向に戻るだろう。

稍重または良馬場施行で上がり4位以下から好走した馬の内訳を見ると、コーリンベリー、ノボバカラ、タイセイシュバリエなどのちにスプリント路線に進むスピードタイプが多い。先行タイプが好走するには、マイルより短い距離でもモノを言うレベルのスピードが必要になるようだ。

未来のダート王を先物買い

◎ヴァルツァーシャル
追込一辺倒のスタイルながら【2-0-2-1】、しまいで着実に脚を使って上位に食い込んできた馬。1400mの忙しいぺースでじっと構え、直線豪脚を駆使し強い先行勢2頭に食らいついたオキザリス賞と、砂を被って道中ごちゃつきながら直線だけで全馬をねじ伏せた1勝クラスが好印象だ。前走はラストの勝負どころで伸びきれず、脚力にスタミナ強化が追いつかずといった敗戦。より奥のある走りを見せるのはもっと先かもしれないが、上位人気想定の馬たちともポテンシャルは同格。妙味込みで本命とする。

◯コンバスチョン
前走のUAEダービーは大敗も、新馬～ヒヤシンスSは文句なしに高評価できる内容。特に全日本2歳優駿（2着）は川崎競馬場としては異質のラスト11.8というラップを刻んだドライスタウトと上がりで0秒1差の2位につけており、世代上位の力は疑いない。UAEダービー大敗から巻き返した馬にはケイアイレオーネ（10着→3着）がおり、それほど気にしなくてもよさそう。1400mで先行した経験を併せ持つのも魅力だ。

▲ジュタロウ
前走の勝ちタイム1分34秒8は極めて優秀で、同日古馬1勝クラスの勝ちタイムよりも3秒1速い時計。新馬戦での大差勝ちも含め、気分よく走れればどこまでも伸びる。ただしArrogate産駒らしく展開に注文がつく。2走前は揉まれたことで馬がやる気をなくしたような挙動を見せての大敗、馬券的には非常に難しいタイプだ。今回は微妙に内めの枠、すぐ外が1400mでも先行できるリメイクという状況は歓迎できない。

以下末脚、先行力を評価し、リメイク、バトルクライ、セキフウに印を回す。前走が衝撃の勝ちっぷりだったハセドンは末脚こそ超一級品も、気性の難しさが悪い方向に作用しそうな最内枠、インダストリアは父リオンディーズの産駒、自身の牝系ともにダートで活躍馬が出ていないこともあって見送った。馬券は◎と◯のワイド、◎から印への馬連とする。

▽ユニコーンS予想▽
◎ヴァルツァーシャル
◯コンバスチョン
▲ジュタロウ
△リメイク
×バトルクライ
×セキフウ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。