【日本ダービー】穴馬を探せ! 期待値が高い「皐月賞未出走組」の単勝狙い

佐藤永記

2022年ダービー画像,ⒸSPAIA

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ここ3年で2回の「非皐月賞組」によるダービー制覇

日本ダービー直近10年前走別成績,インフォグラフィック,ⒸSPAIA


日本ダービー直近10年前走別成績,ⒸSPAIA


至極当たり前の話にはなるが、ダービーで好走する馬の前走は皐月賞であることが多い。クラシック路線のど真ん中、順調で強い馬ならば皐月賞→ダービーと出走していくのだから当然ではある。だが、逆に言えばこの王道路線を歩めている馬は「順調で」強い馬に限られる。

たまに例外がある。過去10年で見てみても、3頭のダービー馬が皐月賞を経由していない。2013年のキズナ(前走京都新聞杯1着)、2019年のロジャーバローズ(前走京都新聞杯2着)そして2021年のシャフリヤール(前走毎日杯1着)だ。直近3年に限れば、むしろ例外の方が多いのだ。そしてなにより、これらの馬は配当がついてくる。

1番人気だったキズナはともかく、ロジャーバローズは12番人気で単勝9310円、シャフリヤールは4番人気で単勝1170円だった。2020年のように皐月賞ワンツーであったコントレイル-サリオスが、再びダービーでもワンツーとなった例もあるが、期待値だけを考えたら「皐月賞以外から来た有力馬」を狙い撃ちしてみるのも面白いのではないだろうか。

というわけで、非皐月賞組で結果が出ている、毎日杯や京都新聞杯からの馬たちを整理してみよう。

逃げても差しても強い無敗馬ピースオブエイト

毎日杯からは2頭(セイウンハーデスはプリンシパルSを経由)の登録がある。勝ったピースオブエイトは出走予定馬中、唯一の無敗馬。2歳7月と早いデビューで新馬勝ち、長期休養を挟み、復帰した3月の1勝クラス・アルメリア賞、そして毎日杯と3連勝でダービーにやってきた。

新馬とアルメリア賞は上がり最速で抜け出し、毎日杯は逃げ切って勝つという戦法の幅をみせつけてきた。3戦とも異なる騎手だったが、それでも勝ち続けてきたというのも心強い。今回のダービーでは前走騎乗した藤岡佑介騎手が継続騎乗予定で、王道路線の他の馬たちを蹴散らして4連勝でダービーを制覇する可能性は十分。配当の魅力も大きい。

京都新聞杯からはアスクワイルドモアが出走。今年の京都新聞杯はスタート後2F目、3F目が10秒台のハイラップかと思えば、その後12秒台が3ハロン続くという、超のつく乱ペースであった。ペースが落ちたのちにヴェローナシチーが先に仕掛け、ワンテンポ遅れて仕掛けたアスクワイルドモアのタイミングが正解だったレース。乱ペースゆえに鞍上の仕掛けが勝負を分けたところはあったが、レコード決着だったことを考えると「レベルが低い」なんてことはないだろう。

他路線には青葉賞組やNHKマイルC組もいるが、青葉賞組は【0-1-3-19】でヒモまでの傾向、NHKマイルC組は【0-0-0-22】と馬券圏内が近年まったく出ていない。となれば、取り上げた2頭の単勝を買って、ここ3年で2回決まっている「非皐月賞組のダービー制覇」を狙いたい。そんな期待値重視の“斜に構えた”馬券も、ダービーなら全然アリなのではないだろうか。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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