【日本ダービー】ディープインパクト産駒×東京芝2400mは相性抜群 本命はアスクビクターモア

高橋楓

東京芝2400m・種牡馬ランキング,ⒸSPAIA

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皐月賞組が圧倒的優勢!

競馬関係者、競馬を愛するファン、一口馬主を趣味にする人。その全員が憧れるレースの一つが日本ダービーではないだろうか。そして多くの思い出がある事だろう。

個人的には1998年6月7日、スペシャルウィークが勝った第65回が忘れられない。父が名種牡馬サンデーサイレンス。牝系を見ると4代前の母に名牝シラオキがおり、祖父がスーパーカーと言われたマルゼンスキー。そして武豊騎手の日本ダービー初制覇をプレゼントする事になるなど、老若男女問わず愛された名馬だった。

そんな中、私の本命はデイリー杯3歳Sの走りを見て以来惚れ込んでいたボールドエンペラー。結果は2着だったが初めて1点で万馬券をあてたレースとして今でも忘れられない。

出走するすべての馬にドラマがあり、応援するファンがいる。今年はどんな結末が待っているのだろうか。さっそく予想していきたい。

過去10年 前走レース別成績,ⒸSPAIA


過去10年で馬券に絡んだ馬の前走成績を見ると、わずか5つのレースに集約される。

皐月賞 [7-8-5-66]
京都新聞杯 [2-1-1-19]
毎日杯 [1-0-0-5]
青葉賞 [0-1-3-19]
プリンシパルS [0-0-1-8]

まずは圧倒的な成績の皐月賞組だが、8着以下から巻き返したのは2020年3着のヴェルトライゼンデただ1頭。前走大きく負けた馬は狙いづらい。

次に京都新聞杯は勝ち馬が[1-1-1-6]、2着以下は[1-0-0-13]で、唯一2着以下から巻き返したのは2019年12番人気1着のロジャーバローズただ一頭。同馬はディープインパクト産駒で期待されながら、前々走スプリングSを2番人気7着、前走の京都新聞杯を2番人気2着と連敗し、当日人気の盲点になっていた。とはいえ、京都新聞杯組は1着馬のみを注目するのが定石だ。

毎日杯組からは昨年のシャフリヤールのみ。近年はこのように間隔を空けるローテーションもよく見かけるようになり、気に留めておく必要がある。

青葉賞組は4頭が馬券に絡んでいる。しかし、連対したのは2012年のフェノーメノまで遡り、基本は3着まで。プリンシパルS組で馬券圏内は2018年に16番人気で3着になったコズミックフォース1頭のみ。皐月賞組を中心に考えるのが無難だ。

東京芝2400m巧者を探せ! C.ルメール騎手&ディープインパクト産駒が断トツ!

東京芝2400m 騎手ランキング,ⒸSPAIA


次に2012年1月1日から2022年5月20日までに行われた東京・芝2400mの289レースを集計して舞台巧者を調べたい。まずは騎手部門から。

第1位 C.ルメール[36-23-13-46]
第2位 戸崎圭太[24-29-18-99]
第3位 田辺裕信[16-23-10-114]
第4位 内田博幸[16-12-16-123]
第5位 M.デムーロ[15-8-14-44]

C.ルメール騎手が断トツの成績。人気馬に多く乗っているとは言え、勝率30.5%、連対率50.0%、複勝率61.0%では逆らいようがない。ランク外で複勝率が高いのは川田将雅騎手[8-11-5-28]の46.2%と、D.レーン騎手[6-2-4-16]の42.9%だ。

東京芝2400m 種牡馬ランキング,ⒸSPAIA


次に種牡馬部門。今回は15勝以上している6頭をピックアップ。

第1位 ディープインパクト産駒[70-46-46-295]
第2位 ステイゴールド産駒[30-28-22-231]
第3位 ハーツクライ産駒[27-22-19-195]
第4位 ルーラーシップ産駒[17-13-6-73]
第5位 キングカメハメハ産駒[16-12-11-130]
第6位 ハービンジャー産駒[15-11-9-102]

母数が多いとはいえディープ産駒が断トツの成績。率ではルーラーシップ産駒が大健闘している。勝率15.6%、連対率27.5%はディープ産駒を上回り、複勝率も33.0%と好成績だ。

日本ダービー出走予定馬 種牡馬成績一覧,ⒸSPAIA


最後に過去10年の出走予定馬たちの種牡馬成績を見ていきたい。

ディープインパクト産駒 [7-3-3-31]
ハーツクライ産駒 [1-2-0-12]
エピファネイア産駒 [0-1-0-0]
ジャスタウェイ産駒 [0-0-1-1]
スクリーンヒーロー産駒 [0-0-0-5]
キズナ産駒 [0-0-0-2]
ダイワメジャー産駒 [0-0-0-2]

5月21日現在の出走予定馬の父親で、過去にダービーへ出走させた経験があるのは上記の7頭。トップはやはりディープ産駒で7頭ものダービー馬を輩出。他ではハーツクライ産駒のワンアンドオンリーが2014年を制している。

ちなみに残り2頭の勝ち馬はキングカメハメハ産駒。この3頭だけで[10-5-4-57]。今年は新種牡馬ドレフォン、キタサンブラック、シルバーステート等がいるだけに、歴史がどう動くか注目したい。

ディープインパクト産駒、アスクビクターモアに夢を託す!

本命はアスクビクターモア。弥生賞の勝ち方を評価した。タイムも2016年マカヒキ、1993年ウイニングチケットに続く歴代3位タイの数字だった。そして前述の2頭はいずれもダービー馬になっている。

東京で2戦0勝の成績だが、新馬戦は後の皐月賞馬ジオグリフに0.3秒差の3着、アイビーSは後の朝日杯FS勝ち馬ドウデュースに0.1秒差の3着と大きく負けているわけではない。ディープ産駒の相性の良さを生かし頂点獲りを期待したい。

対抗はダノンベルーガ。ここまで東京コースで2戦2勝。父ハーツクライからはダービー馬も誕生しており、当コースで好成績の川田将雅騎手が騎乗予定。共同通信杯でジオグリフを退けたような走りができれば1着も十分に狙えるだろう。

3番手はジオグリフ。札幌2歳Sの走りを見た時は来年のダービーはこの馬に決まったと思ったが、朝日杯FSと共同通信杯が案外の結果だった。しかし、皐月賞を制し母は秋華賞3着のアロマティコ、母父はキングカメハメハ。距離の心配は無用で、喉の調子など体調に問題が無ければ才能は世代トップクラスだ。

以下、皐月賞2着のイクイノックス、3着ドウデュース、無敗馬ピースオブエイトまで印を回しておく。

◎アスクビクターモア
◯ダノンベルーガ
▲ジオグリフ
△イクイノックス
×ドウデュース
×ピースオブエイト

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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