【オークス】ハイブリッド式消去法で残るは1頭!? ウォーターナビレラ、サークルオブライフなど桜花賞上位組は全消し
八木遊
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5つのデータから絞れた馬は?
先週の『ヴィクトリアマイル』は、1年ぶり復帰のデアリングタクトに望みを託した。直線では伸びない最内に進路を取り、6着が精いっぱい。それでもファンに感動を与える走りだったといえるだろう。
今週は樫の女王の座をかけて行われる『オークス』を予想していく。いつも通り過去10年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。登録がある21頭を対象に当てはまった馬を順番に消去していく。
『前走GⅡ以下』×『前走時馬体重470kg以上』★0.0%★
まずは前走クラス別データからGⅡ以下のレースをステップにオークスに臨む馬を取り上げたい。過去10年における該当馬の成績は【3-5-5‐84】(複勝率13.4%)と、前走GⅠ組の複勝率21.0%を下回る。特に苦戦傾向にあるのはそれなりに馬格がある馬だ。前走時の馬体重が470kg以上の馬は、【0-0-0-26】(同0.0%)と、オークスでの好走例はなかった。
今年このデータに当てはまったのは4頭。忘れな草賞覇者のアートハウスとフラワーC覇者のスタニングローズはともに前走時の馬体重が474kgで、消去データに該当する。他の2頭もあわせて消しとしたい。
【今年の該当馬】
・アートハウス
・サウンドビバーチェ
・スタニングローズ
・ラブパイロー
『前走桜花賞』×『キャリア6戦以上』★2.9%★
続いては前走桜花賞組に注目した。過去10年の成績は【7-5-4-63】(複勝率20.3%)と、優秀な数字を残している。ただし、キャリア6戦以上でオークスを迎えた馬は【1-0-0-33】(同2.9%)と好走率は低い。馬券に唯一絡んだのは13年の覇者メイショウマンボだった。
今年は上位人気が予想される有力馬がこぞってこのデータに当てはまった。桜花賞1、2着のスターズオンアースとウォーターナビレラに加え、4着サークルオブライフ、そして7着ベルクレスタは全てキャリア6戦で大一番に臨むが、過去データからは消去一択だ。
【今年の該当馬】
・ウォーターナビレラ
・サークルオブライフ
・スターズオンアース
・ベルクレスタ
『非社台系生産』×『前走2着以下』★3.6%★
続いては生産者別データから非社台系の牧場で生産された馬を取り上げる。過去10年の成績は【3-2-2-80】(複勝率8.0%)と、この時点で消去対象の10%を割り込んでいる。ハイブリッド式ではもう一つの条件を掛け合わせるが、ここでは前走着順をピックアップ。前走で2着以下、つまり敗北を喫していた馬は【2-0-0-53】(同3.6%)。3つ目はこのデータを採用する。
今年この条件に当てはまったのは半数近い10頭。消去済みの3頭に加えて、抽選対象(*)のシンシアウィッシュなど7頭をバッサリと消す。
【今年の該当馬】
・(ウォーターナビレラ)
・コントディヴェール*
・(サークルオブライフ)
・(サウンドビバーチェ)
・シーグラス
・シンシアウィッシュ*
・ニシノラブウインク
・ピンハイ
・ライラック
・ルージュリナージュ*
『関西馬』×『前走阪神以外』★5.4%★
4つ目は東西所属別から栗東に所属する関西馬を取り上げたい。掛け合わせるのは前走を阪神競馬場以外の場所で走っていた馬だ。その成績は【0-1-1-35】(複勝率5.4%)で、苦戦は免れそうにない。
今年は5頭がこの条件に当てはまった。新たに消去リスト行きとなるのはフローラS2着から参戦のパーソナルハイと同レース7着のホウオウバニラである。
【今年の該当馬】
・(コントディヴェール*)
・(シンシアウィッシュ*)
・(スタニングローズ)
・パーソナルハイ
・ホウオウバニラ*
『母父サンデーサイレンス系』×『今回馬体重460kg以下』★0.0%★
最後は血統データとレース当日の馬体重を組み合わせたデータで絞り込みを図りたい。着目したのは母の父がサンデーサイレンス(SS)系の馬だ。過去10年の成績は【1-1-0-30】(複勝率6.3%)と苦戦している。特に当日の馬体重が460kg以下だと【0-0-0-18】(同0.0%)で、3着以内に食い込む馬は1頭もいなかった。
残っている4頭のうち、母の父がSS系の馬は以下の3頭。エリカヴィータとナミュールは前走時の馬体重を見る限り、消去が濃厚。微妙なのはプレサージュリフトで、もし当日馬体重が460kg以下なら、この馬も消しとなる。
【今年の該当候補】
・エリカヴィータ(前走時馬体重442kg)
・ナミュール(同426kg)
・プレサージュリフト(同460kg)
5つの条件を終えて、残ったのは1頭、ルージュエヴァイユだけとなった。フローラS5着からの巻き返しを期すが、その前走は直線で前が詰まり不完全燃焼だった。それでも進路を確保してからの伸び脚は鋭く、混戦ムードの今年なら好勝負も可能とみる。
母の父は怪物フランケル、祖母は凱旋門賞馬のデインドリームという隠れた良血馬で、雨が降って重い馬場になればアッと驚かせる可能性は十分。馬券はこの馬の単複と、プレサージュリフトが残れば2頭のワイドを押さえる。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。単複ワイドに絞った今年の回収率は68.2%(5月15日現在)。
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