【平安S】実力断然テーオーケインズが本命 馬券のカギは当コース最多11勝の幸英明騎手!

高橋楓

中京ダート1900mの好成績騎手,ⒸSPAIA

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関西馬が圧倒的優位! 前走GⅠ&アンタレスS組に要注意!

中央競馬と地方競馬の「交流元年」と言われた1995年。笠松所属のライデンリーダーが4歳牝馬特別を目の覚める様な末脚で制し、桜花賞へ挑戦(4着)。同じ笠松のトミシノポルンガが宝塚記念に出走したのもこの年だった。

当時秋田県在住だった東北人の私は、岩手・水沢の南部杯で中央馬を待ち構えていたトウケイニセイが忘れられない。デビュー以来41戦連続連対中の本馬。その地元の英雄を破ったのがウインターS、平安S、フェブラリーS(GⅡ)制覇を含む6連勝中のライブリマウントだった。高齢とはいえトウケイニセイが3着に敗れたことは、衝撃と共に新たな時代の幕開けを強烈に感じさせた。

ライブリマウントも通った平安S。2013年より開催が1月から5月に移り、距離が1900mに変更された。そして昨年に続き今年も中京開催。どれだけ過去のデータが役立つかは分からないが、ローテーション上の役割は変わっていないと考え、今回は距離変更後9年間のデータを振り返った。

過去9年 前走クラス別成績(地方含む),ⒸSPAIA


まずは前走クラス別成績。

GⅠ [3-1-1-3]
GⅡ [1-1-1-10]
GⅢ [3-6-4-58]
オープン特別 [2-1-2-25]
3勝クラス [0-0-0-17]
※海外[0-0-1-1]

やはりGⅠ組の実績が抜けている。2020年は東京大賞典1着後に挑んだオメガパフューム、昨年はフェブラリーS13着から巻き返したオーヴェルニュが制している。前走GⅠ組の軽視は禁物だ。

次にGⅡ組。馬券に絡んだ3頭は全てJpnⅡからの転戦馬だった。

そしてGⅢ組の内訳は、アンタレスS[3-3-3-41]、マーチS[0-2-0-12]、その他[0-1-1-5]となっている。特にアンタレスSからの転戦馬は2013年から2016年まで4年連続で2頭ずつ馬券に絡んでおり、2014年には前走16着のクリノスターオーと前走12着のソロルが連対し、馬連50430円の大穴決着となった。このローテーションは着順不問で覚えておきたい。

オープン特別組は率こそ低いが2018年のサンライズソアや2019年のモズアトラクションなど大敗後でも激走する傾向がある。とは言え、馬券に絡んだ5頭中3頭は重賞勝利歴があり、2017年のグレイトパールもダート戦無敗の4連勝でこのレースに挑んでいた。それなりの実績は必須になる。

過去9年 年齢別成績,ⒸSPAIA


次に年齢別成績を振り返る。

4歳 [4-3-1-29]
5歳 [4-2-3-32]
6歳 [1-2-1-27]
7歳 [0-2-3-13]
8歳以上 [0-0-1-13]

ダート戦は古豪が息の長い活躍をするイメージだが、このレースは5歳以下の活躍が顕著。また、当日の人気とリンクしやすい点も見逃せず、5歳馬は当日4番人気以内ならば[4-1-2-9]、5番人気以下ならば[0-1-1-23]と結果がハッキリしている。

また7歳以上で馬券に絡んだ6頭の内、7番人気以下は2017年3着のマイネルバイカのみで、その他の5頭は6番人気以内だった。当日の人気も気に留めておきたい。

最後にこのレースは関西馬が圧倒的という事も忘れてはいけない。

関東馬 [0-0-0-29]
関西馬 [9-9-9-85]

関東馬は1頭も馬券に絡めていない。過去にはアジアエクスプレスが1番人気5着と敗れたり、決して人気薄ばかりではない。1800mの時代までさかのぼっても2005年ヒシアトラスの優勝が最後になっている。馬券は関西馬で組み立てたい。

中京ダート1900m巧者を探せ! トップは「幸英明騎手」&「キングカメハメハ産駒」!

中京ダート1900m 騎手ランキング,ⒸSPAIA


次に2012年1月1日から2022年5月13日までに行われた中京ダート1900mの200レースを集計して舞台巧者を調べた。まずは騎手部門から。

第1位 幸英明[11-5-12-65]
第2位 吉田隼人[10-4-6-44]
第3位タイ 川田将雅[9-9-6-18]
第3位タイ 武豊[9-8-3-17]
第3位タイ 和田竜二[9-5-3-46]
第3位タイ 福永祐一[9-3-5-30]

上位拮抗の中、トップは幸英明騎手だった。1着数だけでなく3着数も多く、複勝率は30.1%を記録している。また、川田将雅騎手と武豊騎手は複勝率が50%を超えている。ランク外ではC.ルメール騎手が[7-2-1-7]勝率41.2%、複勝率58.8%。M.デムーロ騎手が[2-5-5-7]複勝率63.2%とハイアベレージ。騎乗機会があれば目を離せない。

中京・ダート1900m 種牡馬ランキング,ⒸSPAIA


続いて種牡馬ランキング。

第1位 キングカメハメハ産駒[16-8-11-79]
第2位 ハーツクライ産駒[11-7-7-68]
第3位 マンハッタンカフェ産駒[9-2-7-35]
第4位 ゴールドアリュール産駒[7-17-4-46]
第5位 ディープインパクト産駒[7-2-2-41]

トップはキングカメハメハ産駒が頭一つ抜けていて、率の上でも勝率14.0%、連対率21.1%、複勝率30.7%と安定した成績を残している。ゴールドアリュール産駒は勝率こそ高くないが、2着が多くなっていて連対率32.4%と非常に優秀な成績だ。

データの上では大混戦!? 実績を評価し本命はテーオーケインズ

どの馬を見ても種牡馬実績やローテーションなど何かしら頭を悩ませる一戦となった。となると、実力で一歩抜け出しているテーオーケインズを中心に考えざるをえない。

テーオーケインズにとって、昨年は飛躍の年だった。名古屋城S、アンタレスS、帝王賞と快勝を続けた後、金沢で行われたJBCクラシック4着を挟み、チャンピオンズCでは並みいる強豪相手に2着チュウワウィザードを6馬身も突き放す圧勝劇を見せつけた。これは前身のジャパンカップダート時代にクロフネが記録した7馬身に続くレース歴代2位の着差だ。

海外帰りの国内初戦という事と、シニスターミニスター産駒が中京ダートの1800m戦だと[14-11-10-103]なのに対し1900m戦では[1-0-2-22]と成績が一気に下がる点は気になるものの、チャンピオンズCでのずば抜けた走りを評価して、減点には目をつむり本命にしたい。

対抗は当コース実績のあるM.デムーロ騎手騎乗予定のブルベアイリーデ。昨年の夏から頭角を現し重賞で好走を続けている。またキンシャサノキセキ産駒は[1-3-4-15]と出走回数は多くないが複勝率34.8%と好相性の舞台。前走マーチS組からは近9年間で勝ち馬がでていないが、上位争いできる1頭だろう。

3番手はサンライズホープ。昨年、同条件で行われたシリウスSの勝ち馬だ。当舞台巧者の幸英明騎手が騎乗予定なのも心強い。幸騎手は舞台こそ違うとはいえ、クリノスターオーで3年連続連対を果たし、2020年には5番人気ヴェンジェンスで2着に入ったレース巧者でもある。近走のサンライズホープもGⅠを除けば大きく崩れる事なく走れているし、安定して先行できる脚力も持っている。すんなり前をとれれば幸騎手に導かれ粘り込みも十分に考えられる。

以下、メイショウハリオ、ケイアイパープルまで印を回す。本来ならもう少し上の印をつけたかったのだが、パイロ産駒が当舞台で[2-2-5-33]と3着までの競馬が多いため、少々割り引いた。

◎テーオーケインズ
◯ブルベアイリーデ
▲サンライズホープ
△メイショウハリオ
×ケイアイパープル

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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