SPAIA競馬
トップ>ニュース>【毎日杯】ピースオブエイトのレースセンスが光った一戦 ベジャール、ドゥラドーレス、上位馬の今後の可能性

【毎日杯】ピースオブエイトのレースセンスが光った一戦 ベジャール、ドゥラドーレス、上位馬の今後の可能性

2022/03/28 09:00
SPAIA編集部
2022年毎日杯のレース結果,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

来年以降にもつながる出世レース

毎日杯はクラシック第一弾・皐月賞まで中2週ということもあり、近年ここから皐月賞に向かう馬は少ない。しかし、昨年の勝ち馬シャフリヤール、13年の勝ち馬キズナはその後日本ダービーを制覇。シャフリヤールはドバイシーマクラシックでも優勝し、海外GⅠ制覇も成し遂げた。他にもブラストワンピースやアルアインなどが後にGⅠを勝利している。3歳時だけでなく、来年以降にもつながるレース。今年も10頭と少頭数ながら、期待の素質馬たちが出走してきた。

昨年はシャフリヤールが日本レコードタイとなる1:43.9で勝利。過去10年、後にGⅠ馬となる馬が勝利した年は1:46.5以下の決着となっている。今年の走破タイムは1:47.5、タイム的には強調することは出来ない。しかし、今年は朝から雨が降り続き、レース時は小雨で馬場は稍重。タイムだけでなくレース内容をしっかり吟味し、各馬の今後の可能性を探っていきたい。

馬場、展開を読み切った好騎乗光る

勝ったピースオブエイトはスタートで少し出負けしたが、ダッシュ力を生かし先手を奪った。これが今回一番の勝因だと言える。同日、毎日杯の前に行われた芝レースは全部で4つ。勝ち馬は全て4角5番手以内で、1頭が4角1番手、2頭が2番手。3着以内まで広げると12頭中9頭が4角3番手以内と、とにかく前、そして内が有利の馬場状態だった。

先手を奪ったピースオブエイトは2~4ハロン目を11.4-11.6-11.7と11秒台のラップを刻み、前半1000mは59.6。馬場を考慮すれば決して楽な逃げではなかった。しかし、5ハロン目から3ハロン続けて12秒台のラップに落とし、息を入れることができた。そして残り400m~200mにあたる8ハロン目で11.1と再加速し、3番手以下とのリードを広げた。残り200m地点からはベジャールとの一騎打ちになり、一旦は並ばれたが、そこから差し返した。

馬場を読み、先手を奪い、そこからの見事なペース配分。藤岡佑介騎手の手腕が大いに発揮されての勝利と言える。このあたりは金鯱賞のジャックドールで見事な逃げ切り勝ちを見せた彼らしい好騎乗だった。藤岡佑介騎手は昨年芝のレース、4角先頭で通過した際は連対率48%超え、複勝率65%超えの成績を誇る。今週末に行われる大阪杯ではジャックドールに騎乗予定、ぜひとも頭に入れておきたいデータだ。

ピースオブエイトは今のところゲートは上手くない。しかし、ダッシュ力があり楽に好位に付けることができる。ここまでの3戦は先行、中団、逃げと全て違う位置取りで勝利しているように、操縦性が高く、レースセンスが良い。一方、上がりが33秒台になるような“上がり勝負”は未経験のため、今後はそういったレースに対応できるかがポイントだ。出世レースを制したといえ、次走はコース、メンバー構成などを見て冷静に判断したい。

強い競馬をしたドゥラドーレス

2着は10頭中9番人気だったベジャール。重賞実績馬や素質馬が相手の中、未勝利勝ちからの参戦ではこの評価も仕方ない。しかし、新馬戦5着時の勝ち馬はGⅢ・京成杯勝ちのオニャンコポン、前々走の勝ち馬デインティハートはGⅢ・フラワーC5着馬と、これまでの相手は決して弱くない。前走で上がり33秒台を使っているように、時計の掛かる馬場が良いタイプでもない。そんな中で2着と力はあるが、先行して展開の利があったことも確か。今後もOPクラスで好走するには条件が揃う必要がありそうだ。

3着は1番人気に支持されたドゥラドーレス。一番強い競馬をしたのはこの馬だと言っていい。過去2戦スタートでの出足が悪く、今回も同じように出遅れ気味のスタート。道中は内に入れ中団からレースを進めた。4コーナーから直線にかけて一塊となったことで進路がなくなり、位置を下げる厳しい競馬となった。

直線に入り進路を確保すると、前有利の展開のなか上がり最速の脚で追い上げ3着。1、2着馬が馬場、展開を味方につけたのとは違い、こちらは能力だけで3着に入り、地力の高さを見せた。賞金を加算できず次走は不透明だが、現3歳世代トップレベルの馬たちと十分戦えるだけの力はある。次走に注目だ。


2022年毎日杯のレース展開図,ⒸSPAIA



《関連記事》
【大阪杯】エフフォーリア、ジャックドールをデータで検証! 対抗するのは阪神重賞実績馬4頭!
【ダービー卿CT】リフレイム、インテンスライト激走だ 東風S敗退組2頭も侮れない!
【大阪杯】コースデータに完璧に符合するレイパパレ 東大HCが阪神芝2000mを徹底検証