【阪急杯】得意距離、先行有利の阪神芝1400mで反撃可能! 京大競馬研の本命はヴィジュネル

京都大学競馬研究会

阪急杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

先行馬が好成績を残す阪神芝1400m重賞

2月27日(日)、阪神競馬場で阪急杯(GⅢ・1400m)が行われる。今年は京阪杯1着馬エイティーンガール、新春S勝ち馬グレイイングリーン、昨年の同レース2着馬ミッキーブリランテ、一昨年の京王杯2歳S勝ち馬モントライゼなどのメンバーが揃った。昨年の同レースはGⅠ勝ち馬が3頭出走していたが、今年は実績のある馬が少なく混戦模様。過去に阪神芝1400mで行われた重賞の傾向などを踏まえて予想していきたい。


過去10年阪急杯・阪神C4角位置取り別成績,ⒸSPAIA


まず、過去10年間の阪急杯と、同コースの牡牝混合古馬重賞・阪神Cにおける4角位置別での成績について調べた。4角5番手以内は【11-12-9-85】で、勝率9.4%、連対率19.7%、複勝率27.4%といった成績を残しているのに対して、同6番手以下は【9-8-11-192】で、勝率4.1%、連対率7.7%、複勝率12.7%となっている。

このように、前者は後者と比べると勝率・連対率・複勝率が2~3倍ほど高く、逃げ~好位で競馬を進めることは好走の一つの要因となる。ただ、3着内の頭数が示すように先行した馬だけで決まるレースは少なく、後ろからの競馬となった馬も馬券内には来る可能性自体は十分にある。


上がり最速馬の見極めが勝負の鍵

過去10年阪急杯・阪神C上がり3位以内馬成績,ⒸSPAIA


先行した馬が好走する傾向は分かったが、後ろからの競馬になる場合の好走条件はどうなるか。そこで、これらの重賞における上がり1~3位の馬の成績について調べた。特筆すべきは上がり最速馬【7-2-6-11】で、勝率26.9%、連対率34.6%、複勝率57.7%と好成績を残している。後ろからの馬で狙うべきは末脚をしっかり発揮できそうな馬である。

一方、2位の馬の成績は【2-3-3-19】で勝率7.4%、連対率18.5%、複勝率29.6%、3位の馬の成績は【0-3-0-16】で勝率0%、連対率&複勝率15.8%と1位の馬と比較して大きな差がある。中途半端な末脚では後ろから馬券内に入る可能性は低い。


昨年はレコード決着も……

過去10年阪急杯勝ちタイム,ⒸSPAIA


最後に、阪急杯の決着タイムについて調べた。昨年はレシステンシアがレースを引っ張り、1.19.2のレコードタイムを記録。過去の傾向を見ても1分20秒を切るとかなり高速な部類で、基本的には1分20秒台の決着が多い。今年は積極的に逃げたそうな馬がおらず、有力馬も後ろからの競馬になる馬が多いため、昨年のような高速決着になることは考えにくい。1分20秒台前半から21秒くらいでの決着になるように思われる。


先行勢に末脚自慢を添えて

◎ヴィジュネル
前走京都金杯では12着に沈んだが、敗因としては距離が大きく、1400mでのレースならば十分勝負になる。出走馬を見る限り逃げそうな馬がおらず、先行する馬も少ないことから、逃げもしくは好位での競馬が濃厚。4角を5番手以内で通過という条件を満たしそうだ。

同馬は比較的スピードの遅いマクフィ産駒の中では速い上がりを使えるが、このメンバーの中で際立つほどではない。高速決着ならば厳しいかもしれないが、先述したように今年はメンバーなどを考慮するとそこまで速いレースになりそうもなく、粘り込むことができると判断した。2走前の奥多摩Sではグレイイングリーンを負かしており、今回も似たような展開が見込まれることは好材料だ。

◯タイセイビジョン
先述のように阪神芝1400mの重賞では上がり最速馬が複勝率5割超と優れた成績を残している。今回の出走馬で末脚自慢の馬は、この馬とエイティーンガール、グレイイングリーンが挙げられるが、1400m戦ならば最も速い脚を使えるのはタイセイビジョンだと判断した。馬場的には前が完全に残るという事は考えにくいため、この馬にも十分チャンスはある。

▲ダイアトニック
前走京都金杯は4着。このメンバーならばある程度先行することが出来るだろう。1400mは【5-2-0-0】と相性抜群な距離で、今回も好走を期待できる。前走より斤量、相手関係ともに楽になるが、年齢的な衰えを若干感じるのはマイナスポイント。

△サンライズオネスト
出遅れさえなければ前に確実に行けそうで、1400mならばギリギリ対応可能。調教の動きも抜群。

×ミッキーブリランテ
近走はダートや1200mと得意な条件ではないレースが続いたため成績は奮っていないが、得意な1400mならば人気薄での一発は狙えそう。

×リレーションシップ
1400mはベスト。スワンS(0.3秒差、7着)の走りが出来れば一発狙える。人気は恐らくしないが警戒したい1頭。

消エイティーンガール、グレイイングリーン
前者は距離が長い。後者は状態が完全ではなく、それではまだ重賞では厳しいと判断して印は打たない。

買い目は◎から印を打った馬への3連複流しで勝負。今週はサウジカップもあり、楽しみな週末。皆様良い週末をお過ごしください。

▽阪急杯予想印▽
◎ヴィジュネル
◯タイセイビジョン
▲ダイアトニック
△サンライズオネスト
×ミッキーブリランテ
×リレーションシップ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



《関連記事》
【阪急杯】ハイブリッド式消去法の注目は岩田親子 グレイイングリーン望来騎手、2週連続重賞Vだ!
【中山記念】「美浦所属×デムーロ騎手」の絶好データあり! ヒュミドールが待望の重賞制覇へ
【阪急杯】データから推せる馬不在!  大混戦も可能性感じるサンライズオネスト、エイティーンガール

おすすめ記事