【阪急杯】ハイブリッド式消去法の注目は岩田親子 グレイイングリーン望来騎手、2週連続重賞Vだ!

八木遊

過去10年の阪急杯『前走が重賞以外』かつ『前走6着以下』の成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の『フェブラリーS』は、アルクトス、カフェファラオ、サンライズホープ、ミューチャリーの4頭が消去を免れた。この中から本命に指名したのはアルクトスだったが7着に敗れ、今年最初のG1で的中とはならなかった。

今週は27日に阪神競馬場で行われる『阪急杯』を予想していきたい。いつも通り、過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。

『キャリア21戦以上』×『母父ノーザンダンサー系』★0.0%★

まず注目したのはキャリア数。過去10年でのべ88頭が21戦以上のキャリアで阪急杯に挑んだ。その成績は【1-4-3-80】(複勝率9.1%)。同20戦以下の【9-6-7-55】(同28.6%)とは大きな差がある。88頭のうち、母の父がノーザンダンサー系だったのは29頭いたが、すべて4着以下に沈んでいた。1つ目の消去データはこの組み合わせを採用する。

今年この条件に当てはまったのはザイツィンガーとミッキーブリランテの2頭。後者は昨年2着馬だが、近走不振で今年は出番なしとみる。

【今年の該当馬】
・ザイツィンガー
・ミッキーブリランテ

『前走が重賞以外』×『前走6着以下』★0.0%★

続いては前走クラス別から、非重賞組を取り上げたい。過去10年の成績は【2-1-2-46】(複勝率9.8%)と苦戦している。その前走で5着以内なら【2-1-2-23】(同17.9%)なので、まだ好走の可能性もあるが、6着以下の23頭はすべて馬券圏外に敗れていた。

今年この条件に当てはまったのは3頭。新たにリレーションシップとリンゴアメの2頭が消去対象となった。

【今年の該当馬】
・(ザイツィンガー)
・リレーションシップ
・リンゴアメ

『前走東開催』×『前走2着以下』★3.4%★

3つ目の消去データは前走の開催場所と着順の組み合わせから絞っていきたい。取り上げたのは前走が東京、中山、新潟、福島の『東開催』で、2着以下に敗れていた馬だ。その成績は【0-0-1-28】(複勝率3.4%)で、3着が1回だけだった(19年ロジクライ)。

今年これに該当したのは消去済みの2頭に加え、コントラチェック、トゥラヴェスーラ、モントライゼの3頭。いずれも上位人気に推される可能性がある実績馬だが、思い切って消しとしたい。

【今年の該当馬】
・コントラチェック
・トゥラヴェスーラ
・(ミッキーブリランテ)
・モントライゼ
・(リレーションシップ)

『非社台系生産』×『前走時馬体重470kg未満』★3.8%★

続いては、生産者別データからここでは非社台系生産馬を取り上げる。過去10年の成績を見ると、【6-6-3-95】(複勝率13.6%)で、社台系生産馬の【4-4-7-40】(同27.3%)に比べ、複勝率は半分ほどだ。

凡走が目立つのはやや小柄な馬たち。具体的には前走時の馬体重が470kg未満の馬は【0-1-0-25】(同3.8%)で、2着が1回だけだった(12年スプリングサンダー)。4つ目の消去データはこの組み合わせを採用する。

今年これに当てはまったのは次の4頭。新たにエイティーンガールとマリーナの牝馬2頭が消去対象となった。

【今年の該当馬】
・エイティーンガール
・(ザイツィンガー)
・マリーナ
・(リンゴアメ)

『前走から騎手乗り替わり』×『今回馬番1~5番』★3.8%★

4つの条件を終えて、16頭中7頭が残った。最後に選んだ消去条件は前走から騎手が乗り替わり、かつ阪急杯で内目の5番枠以内に収まった馬だ。過去10年でこの条件には26頭が当てはまったが、【0-1-0-25】(同3.8%)。好走したのは17年に2着したヒルノデイバローだけだった。

残っている7頭のうち、前走から鞍上乗り替わりが予定されているのはクリノガウディー、グルーヴィット、サンライズオネスト、タイセイビジョンの4頭。金曜日に発表される枠順次第では消しという判断を下すことになる。

【今年の該当候補】
・クリノガウディー
・グルーヴィット
・サンライズオネスト
・タイセイビジョン

5つの条件を終えて、確実に残るのは、グレイイングリーン、ダイアトニック、ヴィジュネルの3頭となった。今のところ本命候補はグレイイングリーン。騎乗予定の岩田望来騎手は、先週の京都牝馬Sで重賞初制覇を飾った。同じコースで2週連続の勝利を挙げ、ブレイクすることに期待したい。

また、ダイアトニックには父の岩田康誠騎手が騎乗する。先週のフェブラリーSでもテイエムサウスダンで熟練の手綱さばきを披露した。今週は親子によるワンツーフィニッシュがあるか。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年には全重賞の予想、買い目、年間収支をTwitterに掲載したが、回収率は自己ワーストの46.4%に終わる。22年は単複ワイドに絞って手堅く……。

《関連記事》
【中山記念】カギを握るのはパンサラッサ! ダノンザキッド最有力、カラテなど実績上位馬優勢
【阪急杯】データから推せる馬不在!  大混戦も可能性感じるサンライズオネスト、エイティーンガール
2週連続G1制覇! 横山武史騎手の「買える条件・買えない条件」

おすすめ記事