【中山記念】「美浦所属×デムーロ騎手」の絶好データあり! ヒュミドールが待望の重賞制覇へ

門田光生

中山記念の前走着順別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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将来が約束されるレース?

2022年2月27日に中山競馬場で行われる第96回中山記念。大阪杯がGⅠに昇格して以降は重要なステップレースとなり、実際に2018年のペルシアンナイト、そして2020年のラッキーライラックとダノンキングリーが、ここから直接大阪杯に向かって結果を出している。

また勝ち馬に名を連ねるのがそうそうたるラインナップで、2011年のヴィクトワールピサはドバイワールドカップを、2014年ジャスタウェイはドバイデューティフリーを、そして2017年ネオリアリズムと2019年ウインブライトはQE2世C(香港)を次走で制しているし、2015年ヌーヴォレコルト、2016年ドゥラメンテ、そして2021年ヒシイグアスは同年に海外GⅠで連対。

ここを勝った馬は将来が約束されているのでは、そう思えるほどである。大阪杯に行くにせよ、海外遠征するにせよ、今年の勝ち馬の動向にも要注目だ。そんな中山記念にはどのような傾向があるのか。いつも通り2012年からの過去10年分のデータを基にして検証していきたい。

中山記念出走馬の所属と性別,ⒸSPAIA
中山記念出走馬の所属(騎手),ⒸSPAIA


☆所属、性別、騎手
関東ホームの一戦とはいえ、美浦9勝(13連対)に対して栗東は1勝のみ(7連対)。ここまで美浦所属馬が圧倒している重賞は珍しい。ただ騎手も同様の傾向かといえばそうではなく、美浦所属騎手6勝(11連対)、栗東所属騎手4勝(8連対)、そして短期免許0勝(1連対)。

中でも、美浦所属馬に栗東所属騎手が騎乗すると【4-0-1-3】となり、勝率は5割。美浦所属馬に騎乗したM.デムーロ騎手は2戦2勝で勝率100%。短期免許で来日した際のC.デムーロ騎手も中山記念は【0-1-1-0】だから、この兄弟にとって相性のいいレースなのかもしれない。

中山記念出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆年齢
4歳馬と5歳馬の成績が、ほかの世代と比べると抜けている。6歳馬になると勝率がガクンと落ちて、7歳以上から勝ち馬は出ていない。細かく見ていくと、まず4歳牝馬は連対率が60%と高確率。栗東所属馬は6歳以上で連対したのが1頭だけとなっている。

中山記念出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
中山記念出走馬の前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと前走
オープンクラス以下の条件から20頭が使って、連対したのは2017年の2着馬サクラアンプルールだけ。この馬はそれまで中山の芝で【3-0-1-0】と得意にしており、このような強調材料が必要となりそう。

17連対の国内重賞組が中心となるのだが、9連対のGⅠ組、8連対のGⅢ組に対して、なぜかGⅡ組だけ【0-0-4-20】と結果が出ていない。なお、海外遠征組は【1-1-1-6】だが、今年は該当馬がいない。

最も成績のいいステップレースは4勝を挙げている中山金杯組。逆に相性がよくないのはAJCC(11頭)、東京新聞杯(6頭)、そしてジャパンカップ(4頭)。ここから参戦した21頭はすべて着外となっている。

中山記念出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走で1、2番人気、そして5番人気に支持されていた馬の好走率が高い。特に前走5番人気だった馬の複勝率66.7%は特筆もの。逆に前走が6~11番人気だと【0-0-2-34】で連対馬が出ていない。

中山記念におけるプラスデータ,ⒸSPAIA
中山記念におけるマイナスデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。プラスデータは、前走で連対していた馬。連対率35.5%と高確率で馬券に絡んでいる。またハーツクライ産駒は7頭が出走して3勝。相性がいいレースといえるだろう。

マイナスデータの方だとハービンジャー産駒が、1番人気に支持された2頭を含めて1頭も馬券に絡んでいない。また、中5週以内で参戦した39頭中、連対したのは2頭だけ。

中2週以内となると、該当する13頭すべて着外となっている。反対に半年以上の休み明けで勝ったのはドゥラメンテ(ダービーなど)のみ。このぐらいの実績馬でないと厳しいといえる。

騎手相性のよさに注目

中山記念のデータをまとめてみる。まず好走率が上がるのはA「美浦所属馬。栗東所属騎手が騎乗すれば好走確率アップ」B「4、5歳馬。特に4歳牝馬」C「前走が1、2、5番人気」D「前走1、2着」E「ハーツクライ産駒」。

好走率が下がってしまうのはF「7歳以上、栗東所属馬は6歳以上」G「前走がオープン以下、またはGⅡ」H「前走6~11番人気」I「ハービンジャー産駒」J「中5週以内、または半年以上の休み明け」。

今回はマイナスデータに引っかかる馬が多く、登録馬で割引材料がないのはダノンザキッドとワールドリバイバルだけ。この2頭の比較だとプラスデータが多いのはダノンザキッドの方で、特に前走人気では連対率と複勝率が最も高い「前走5番人気」に該当する唯一の馬。素直にこれが本命でもいいが、人気するのは確実であまり面白味がない。

そこで何かいい馬はないかと探すと、見つかったのはヒュミドール。美浦所属馬×M.デムーロ騎手という、勝率100%の組み合わせが何といっても魅力。上記でも少し触れたが、ここ10年で5回、デムーロ兄弟のどちらかが馬券に絡んでいる。

今年はC.デムーロ騎手が参戦しないので、M.デムーロ騎手が馬券に絡む確率は、単純に考えて5割。ヒュミドールはこれまで連対例がない前走6番人気なのは気になるが、今回は押し通させてもらおう。ちなみにこのヒュミドールはこれまで6回連対しているが、すべて5番人気以下という穴出し馬でもある。

マイナスデータがないダノンザキッドとワールドリバイバルが2、3番手でいいだろう。4番手以下は好みになるが、まずはアドマイヤハダル。G「前走がオープン以下」とJ「中5週以内」のマイナスデータはあるものの、プラスデータ3つというのは登録メンバー中で最多。同じく、マイナスよりプラスデータの数が多いカラテとガロアクリークが押さえ。

◎ヒュミドール
◯ダノンザキッド
▲ワールドリバイバル
△アドマイヤハダル
×カラテ
×ガロアクリーク

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
興味本位で買ってみた某社のスマートスピーカー。数か月使っての感想ですが、近年の電化製品の中では個人的に大当たり。特に音楽はかなり便利。それに伴い、置き場がなくて売るかどうか迷っていた大量のCDを処分できたのも大きいです。

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