【注目2歳馬】堅実に走る血統から新馬戦勝利のエアアネモイ Point of Entry産駒は日本の芝適性あり

三木俊幸

2021年12月19日阪神5Rを勝利したエアアネモイ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

半兄はエアアルマス、堅実に走る血統

朝日杯FS当日、12月19日(日)の阪神5Rに行われた芝2000mの新馬戦を勝利したのはエアアネモイ(栗東・池添学厩舎)だった。

10頭立ての9番ゲートからスタートし、スッと前に取り付く。他に逃げたい馬がいなかったこともあり、結果的に逃げることとなった。向正面に入ると外にいたロードレアル(栗東・杉山晴紀厩舎)もピッタリと並ぶ形でレースは流れていき、13.8-12.5-13.7-13.2-12.7(1:05.9)と超スローペース。

その後は12.6-12.3とペースアップしていき、4角で後続を突き放しにかかる。鞍上のC.デムーロ騎手は直線で荒れている内を避けて、馬場の真ん中へと持ち出す。そのまま最後まで突き抜けて、後続に3馬身差をつける快勝。2:05.6と時計は遅かったが、能力の高さは垣間見ることができたデビュー戦だった。

父はPoint of Entry、母はNokaze。半兄エアアルマスは芝で3勝した後に東海Sを勝利、エアファンディタも芝で4勝をあげてオープン入り、1歳上の全兄エアサージュは今夏に北海道で連勝して菊花賞にも駒を進め、8着という結果を残している堅実な母系。エアアネモイも兄たちと同様に堅実に、ひいては重賞戦線でも活躍してくれることを願いたい。

Point of Entryは現役時代、アメリカでソードダンサーSやジョーハーシュターフクラシックなど芝12ハロンのレースを中心にGⅠ・5勝をあげている。今年に入ってロータスランド(栗東・辻野泰之厩舎)が関屋記念を制するなど、日本の芝への適性は証明済み。日本に輸入されている産駒は少ないが、引き続き注目しておきたい血統だ。

2021年12月19日阪神5Rを勝利したエアアネモイ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

CWコースでラスト1F10.9

さて、2021年の競馬開催も今週末と来週火曜日の3日間を残すのみ。トリを飾るホープフルS(GⅠ・芝2000m)は来年のクラシック第1戦・皐月賞と同じ舞台で行われる。

デビュー前からクラシック候補として話題を集めたコマンドライン(美浦・国枝栄厩舎)、未勝利戦を1:59.5というレコードタイムで勝利したキラーアビリティ(栗東・斉藤崇史厩舎)、前走のエリカ賞をレコード勝ちしたサトノヘリオス(栗東・友道康夫厩舎)などが登録。明るい未来を感じさせるパフォーマンスを披露することはできるのか、最後まで楽しみは尽きない。

しかし、個人的に注目したいのは12月25日(土)の阪神5R、芝1800mの新馬戦に出走予定のイヴィステラ(栗東・友道康夫厩舎)。父ハーツクライ、母ハルーワスウィートという血統の牝馬で全兄がシュヴァルグラン、半姉にヴィルシーナ、ヴィブロスがいるという良血馬。もちろんオーナーは大魔神こと佐々木主浩氏だ。

1週前の12月15日(水)の追い切りでは、CWコースで84.2-69.0-53.7-37.7-10.9という破格の動きを披露しており、大物感を感じる。C.デムーロ騎手を鞍上にどのような走りを見せるのか、非常に楽しみになってきた。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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