【浦和記念】「ご機嫌斜め、やる気なし」でもメイショウカズサV 川田将雅騎手のエスコートで重賞連勝

三木俊幸

2021年の浦和記念で優勝したメイショウカズサ,ⒸSPAIA(写真:三木俊幸)

ⒸSPAIA(写真:三木俊幸)

2馬身差以上の余裕を持って逃げ切り

2019年のJBCに次ぐ観客が詰めかけたのではないか、そう思うほどの人で活気に満ちた浦和競馬場で行われた浦和記念(JpnⅡ・ダート2000m)。勝利したのは川田将雅騎手が騎乗した1番人気のメイショウカズサだった。

馬体重469kgで前走からマイナス8kg。返し馬は1頭だけ先出しとなった中でスタートを迎えるが、この日はゲート入りを嫌がる素振りを見せていた。川田騎手はレース後、「今日は機嫌が悪くてなかなかゲートにも入ってくれず、走り出してからもやる気がなかった」と語る。

2021年の浦和記念で優勝したメイショウカズサと川田将雅騎手,ⒸSPAIA(写真:三木俊幸)


実際、スタート直後はすぐ隣のメイショウダジンの方がダッシュがよかったくらい。それでも川田騎手は強めに促して1周目の3角手前で先頭に立って正面スタンド前を通過していった。

13.1-12.0-13.3-12.3-13.2(63.0)と落ち着いたペースでレースは流れていき、半馬身差の2番手にメイショウダジン、3番手にヴェルテックスとアメリカンフェイスが並び、直後にタービランスという隊列。2周目の向正面に差し掛かる。

3角でメイショウダジンを振り切ったメイショウカズサだが、気を抜く素振りを見せたのか4角では川田騎手は肩ムチを入れつつ直線へ。それでも最後は余裕を持って、2着タービランスに2馬身差をつけて2:07.3(重)で駆け抜けた。2着からさらに半馬身遅れた3着にはヴェルテックスが入るという結果だった。

2021年の浦和記念で優勝したメイショウカズサ,ⒸSPAIA(写真:三木俊幸)


「今日はとてもやる気がなかった」

3走前のプロキオンS、前走の白山大賞典に続く重賞3勝目をあげたメイショウカズサ。4歳を迎えて充実期を迎えているが、川田騎手は「繰り返しますが、今日はとてもやる気がなかった」と強調。そうした中でも結果を残せるあたり、能力の高さを感じさせる。

今後については、「自分の力を出しさえすれば高い能力を持っている馬なので、この波をできるだけ作らないようにレースの中で対応していけたら」とコメントした。

2021年の浦和記念でメイショウカズサに騎乗し優勝した川田将雅騎手


管理する安達昭夫調教師は、次走について「ジョッキーやオーナーと相談しながら進めていきたい」と語った。気持ちのコントロールが必要な乗り難しいタイプに映るが、全能力を発揮できた時にはどれくらいすごいパフォーマンスが披露できるのだろうか。その走りに注目していきたい。


ライタープロフィール 三木俊幸 編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。


《関連記事》
【ジャパンC】牝馬優勢も今年は例外? 好データ3つに合致するアリストテレス
【ジャパンC】実績上位馬が中心も、ハイブリッド式消去法で穴馬2頭が浮上!
【ジャパンC】53キロの3歳牝馬ユーバーレーベンが虎視眈々 東大・京大の見解は?【動画あり】

おすすめ記事