【ジャパンC】実績上位馬が中心も、ハイブリッド式消去法で穴馬2頭が浮上!

八木遊

過去10年のジャパンC『美浦所属騎手』かつ『前走3着以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『マイルCS』は、消去を免れた上位人気4頭のうち、3番人気サリオスを本命に指名。内枠から押し出される形で先行したが馬場も不向きで6着に敗れた。今年の回収率は30%台のまま、11月最後のジャパンCウイークを迎える。

今週予想する『ジャパンC』は21頭が登録しているが、カレンブーケドールが回避。除外対象の馬も含めた20頭を対象にすすめていきたい。今回も過去10年(11~20年)のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を順番に消していく。

『美浦所属騎手』×『前走3着以下』★0.0%★

1つ目は騎手の東西所属別データから。美浦に所属する騎手の過去10年の成績は【0-1-1-45】(複勝率4.3%)とこの時点ですでに絶望的。ハイブリッド式ではこれにもう一つの条件を掛け合わせるが、今回は前走着順を採用する。美浦の騎手でも前走1~2着馬なら【0-1-1-11】(同15.4%)。一方、3着以下は【0-0-0-34】(同0.0%)だった。過去10年間で一度も馬券に絡んでいないこの組み合わせでまずは絞り込みを図りたい。

今年このデータに当てはまったのはムイトオブリガードとワグネリアンの2頭。どちらも近走不振で迷うことなく消去する。

【今年の該当馬】
・ムイトオブリガード
・ワグネリアン

『6歳以上』×『前走GⅡ以下』★0.0%★

続いては年齢別データで6歳以上の馬に注目した。過去10年で馬券に絡んだのは、どちらも3着に入った11年ジャガーメイル、13年トーセンジョーダンの7歳馬2頭だけ。両馬の共通点はジャパンC前の一戦がGⅠだったことだ。6歳以上で前走GⅡ以下を走っていた馬は【0-0-0-19】(複勝率0.0%)と好走例はなし。2つ目の消去データにはこれを採用したい。

今年これに当てはまったのは、前走で京都大賞典を走ったマカヒキ、キセキなど5頭。ワグネリアンはすでに消去済みなので、他の4頭を新たに消しとしたい。

【今年の該当馬】
・キセキ
・ゴーフォザサミット
・トラストケンシン
・マカヒキ
・(ワグネリアン)

『関東馬』×『前走から騎手乗り替わり』★0.0%★

3つ目は厩舎の東西所属別データを取り上げたい。関東馬は過去10年で【2-2-2-32】(複勝率15.8%)とやや苦戦傾向。ちなみに2勝はどちらもアーモンドアイだった。関東馬の好走条件は前走と同じ騎手がジャパンCでも騎乗していること。継続騎乗の場合は【2-2-2-14】(同30.0%)だった。一方、乗り替わりは【0-0-0-18】(同0.0%)。2年前に1番人気で11着に敗れたレイデオロもこの条件に該当していた。

今年はウインドジャマーとシャドウディーヴァの2頭がこの条件に当てはまった。ウインドジャマーはカレンブーケドールの回避で出走可能となったが、鞍上は未定(23日時点)。ただし、前走手綱を取ったC.ルメール騎手はオーソリティに騎乗するため、たとえ出走しても乗り替わりは確実。3つの消去データを終えて20頭中8頭の消去に成功した。

【今年の該当馬】
・ウインドジャマー
・シャドウディーヴァ

『前走2400m以上』×『前走上がり4位以下』★4.0%★

続いては、前走からの距離変動データに注目。ジャパンCと同じ2400mかそれ以上の距離を使われた短縮組を合わせると、【2-5-1-66】(複勝率10.8%)と成績は良くない。対象馬のうち前走の上がり3ハロン時計が4位以下に絞ると、【1-0-0-24】(同4.0%)まで悪化する。4つ目はこのデータを採用したい。

今年これに当てはまったのは3頭。消去済みのキセキに加え、アリストテレスとロードマイウェイも消去リスト行きとなった。

【今年の該当馬】
・アリストテレス
・(キセキ)
・ロードマイウェイ

『父or母父がND系』×『今回馬体重480kg以上』★4.5%★

最後は血統データと馬体重の2つを掛け合わせたデータだ。父もしくは母の父がノーザンダンサー系という馬は過去10年で89頭いて【4-3-1-67】(複勝率10.7%)だった。馬券に絡んだ8頭のうち6頭はジャパンC当日の馬体重が480kg未満で、その成績は【4-2-0-25】(同19.4%)とまずまず。一方、480kg以上の馬は【0-1-1-42】(同4.5%)で、好走率は一気に下がる。最後は当日の馬体重発表待ちとなるが、このデータを採用したい。

現時点で残っている10頭のうち血統条件を満たすのはモズベッロに加え、外国馬3頭の計4頭。いずれも当日馬体重次第で取捨を決めたい。

【今年の該当候補】
・グランドグローリー
・ジャパン
・ブルーム
・モズベッロ

5つの消去データを経て、確実に残ることになったのは、オーソリティ、コントレイル、サンレイポケット、シャフリヤール、ユーキャンスマイル、ユーバーレーベンの6頭。馬体重によっては最大で10頭に印を回すことになりそうだ。

現時点の本命はやはりコントレイル。逆転があるとすればシャフリヤールよりもオーソリティに可能性を感じる。サンレイポケットとユーキャンスマイルは大穴候補として、三連単の3着付けで押さえるつもりだ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(11月21日時点の回収率は39.7%)。

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