【菊花賞】ゆきやなぎ賞圧勝の阪神で逆転可能! 東大HCの本命はレッドジェネシス

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菊花賞インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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4角の位置取りともう一脚

10月24日(日)に阪神競馬場で行われる菊花賞(GⅠ・芝3000m)。クラシックホースであるエフフォーリア・シャフリヤールの2頭はともに回避を表明し、GⅠ馬不在の一戦。皐月賞、ダービーともに3着と涙を呑んだステラヴェローチェが、初のクラシック戴冠を狙う。

ほかにも、故障明け初戦で3着と格好をつけて良血馬オーソクレース、神戸新聞杯2着レッドジェネシスなどが出走予定。昨年とは打って変わって絶対的といえる馬が見られない分、馬券的な面白みのあるレースとなりそうだ。


過去10年阪神大賞典脚質別成績,ⒸSPAIA


過去10年阪神大賞典好走馬の4コーナー通過順,ⒸSPAIA


例年は京都で施行される菊花賞だが、京都の改修に伴い今年は阪神となる。例年、阪神芝3000mで行われるレースは阪神大賞典だけ。古馬、GⅡ、別定戦など相違点も多いが、まずは大まかなコース傾向の参考として阪神大賞典の過去10年を見ていく。

阪神芝3000mはコーナー6つを通過し、さらには2度の急坂を越えなければならない。何よりスタミナが求められるレースで、ハイペースにはなりにくい。能力の違いで進出していくマクリの好成績は当然として、それ以外で目を向けるべきは先行馬【5-4-3-25】。4角4番手以内の馬が10勝を含む計21頭馬券になっているように、先行であれマクリであれ、前のポジションに取りついている必要がある。内回りの短い直線で最後方から豪脚一閃というのはほぼ不可能だ。

後方勢の不利は数字にも表れており、差しは【0-4-0-17】と苦戦気味。一方、過去10年の菊花賞(全て京都開催)では差し馬が5勝を挙げている。同じ長距離戦とはいえ、コースの性格の違いは頭に入れておくべきだろう。ただし注意すべきは、阪神大賞典でも上がり最速をマークした馬が【7-4-1-0】と好成績を残していること。4角での積極的な位置取りは重要だが、それに加えて直線でもう一脚を使わなければならない。最後の一冠を攻略するには総合力が不可欠だといえるだろう。


極端な枠に好走例が集中

過去10年阪神大賞典好走馬の4コーナー通過順,ⒸSPAIA


次に枠順別成績を調べた。まず最も馬券に絡みやすいのは1枠で、コーナーを6度回るだけあって経済コースを通る馬が有利だ。単勝・複勝回収率はどちらも100%を上回っていて、人気薄でも好走する傾向にある。また8枠は【4-2-0-14】とこちらも好成績。この4勝はいずれも1番人気または2番人気の馬ではあったが、強い馬が道中でマクっていきやすいというプラス要素は見逃せない。

複勝率に着目すると、内枠と外枠が比較的馬券に絡んでいる一方、中間の3~5枠はやや低調なことに気づく。距離ロスが少なく、かつストレスもないポジション取りが求められる長距離戦ならではの傾向か。ぜひとも馬券の参考にしたい。


積極策をとれる馬中心に

◎レッドジェネシス
神戸新聞杯ではステラヴェローチェとタイム差なしの2着。ただ不良馬場への適性はバゴ産駒である勝ち馬の方が明らかに上で、雨予報の出ていない今回は着順が入れ替わってもおかしくない。阪神芝2400mのゆきやなぎ賞では見事なマクリを見せ圧勝している。このときの鞍上は今回と同じ川田将雅騎手。菊の舞台においても積極的な競馬を期待する。

◯ステラヴェローチェ
阪神は朝日杯FS2着など2戦2連対と実績ある舞台。ゴール前の急坂も苦にせず終いは伸びており、コース適性は問題ない。「強い馬が勝つ」といわれる菊花賞、1番人気馬の過去10年における成績は【6-0-2-2】と、ほとんど崩れていない。1番人気を背負うことが予想される本馬を馬券に組み込まない手はないだろう。ただ先行したのは新馬戦くらいで、クラシック2走は比較的後方から脚を使う競馬。4角での位置取りに不安が残り、対抗に留めておく。

▲ヴィクティファルス
上位人気3頭に割って入るとすればこの馬か。スプリングS1着の実績に加え、共同通信杯ではシャフリヤール、ステラヴェローチェをともに下しての2着。近3走は芳しくないものの、阪神大賞典の過去10年ではハーツクライ産駒が【2-4-0-10】と好調で、血統的な強調点はある。春のクラシック時より状態は良いとのことで、距離延長を味方に巻き返しが十分期待できる。

△オーソクレース
休養明けの前走はやや離された3着も、9ヶ月ぶりであることを考慮すれば及第点。ひとつ叩いたことでさらなる良化を見込める。父エピファネイアは菊花賞馬、昨年コントレイルとしのぎを削ったアリストテレスも同父。母マリアライトも中距離重賞に実績があり、配合的に3000mはこなせるだろう。ただし、上位3頭とはやや力量の差があると見て4番手評価。

それ以外で上位評価はモンテディオ。神戸新聞杯では先行しての粘り込みで底力を見せた。3着に食い込んだすみれSは、アリストテレスをはじめ菊花賞での好走馬を多数輩出しているレース。続いて1枠を引き当てたアサマノイタズラも見逃せない。前走のセントライト記念は展開が向いた面が大きいとはいえ、上がり最速での勝利は評価に値する。すみれSを快勝し、菊花賞マイスター・武豊を鞍上に迎えたディープモンスターにも要注目だ。

▽菊花賞予想▽
◎レッドジェネシス
◯ステラヴェローチェ
▲ヴィクティファルス
△オーソクレース
×モンテディオ
×アサマノイタズラ
☆ディープモンスター

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。秋GⅠシーズンに合わせ、新入部員募集中。



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