【注目2歳馬】東京の新馬戦を勝利したエリカヴィータ ラスト3Fの加速ラップを差し切った内容は高評価

三木俊幸

10月16日東京3Rの新馬戦を勝利したエリカヴィータ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(写真撮影:三木俊幸)

余裕十分のレースぶり

朝から小雨が降る中で行われた10月16日(土)の東京3R、芝1600m牝馬限定の新馬戦。黒光りする青毛の馬体を躍動させて勝利したのは父キングカメハメハ、母マルシアーノ、伯父にはキンシャサノキセキがいるという血統、2020年のセレクトセールで1億8,700万円という高額で落札されたエリカヴィータ(美浦・国枝栄厩舎)だった。

馬体重444kg、12番枠から好スタートを切ったエリカヴィータは先行集団を見る形で8番手からレースを進める。3角手前で外から1頭ポジションを押し上げていった馬がいたため、前後左右を囲まれた状態となったが、しっかりと折り合っていた。

直線に向いてから鞍上のルメール騎手は徐々に外へと持ち出し、残り400m標識を過ぎたところで右ムチを入れてゴーサインを出す。そのままグングンと加速していき、残り100mで先頭に立つと後続に1馬身半差をつけて1:36.4というタイムで駆け抜けた。

道中のレースラップを見ると、12.7-11.2-12.5-12.9-12.6と新馬戦らしいスローペースだったが、ラスト3ハロンは11.6-11.5-11.4(34.5)の加速ラップ。そうした流れの中で、差し切るという内容は高く評価できる。まだまだ余裕十分の味のあるレースぶりからは、2000m前後に距離が伸びても全く問題ないだろう。

10月16日東京3Rの新馬戦を勝利したエリカヴィータ,ⒸSPAIA

菊花賞当日の新馬戦に注目

今週末の注目レースとしては2レースをピックアップ。まずは10月23日(土)東京9RアイビーS(リステッド・芝1800m)。2018年にはクロノジェネシスが勝利している。

登録は8頭と少ないが、以前本コラムでも取り上げたアスクビクターモア(美浦・田村康仁厩舎)や新馬戦はダノンスコーピオンの2着、続く新潟芝1600mの未勝利戦を1:34.3という好タイムで勝利したルージュラテール(栗東・矢作芳人厩舎)、小倉芝1800mの新馬戦を勝利して挑むドウデュース(栗東・友道康夫厩舎)と素質馬が揃った印象だ。

菊花賞当日の10月24日(日)阪神5Rに組まれている芝1800mの新馬戦は、例年大物が集結するレースとしても知られている。今年はダービー馬シャフリヤール、2017年の皐月賞馬アルアインの半弟、ハーツクライ産駒のアルファヒディ(栗東・池江泰寿厩舎)、2019年のセレクトセールにおいて5億760万円で落札されたリアド(栗東・友道康夫厩舎)という良血馬が出走を予定している。どのようなレースになるのか要注目だ。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。

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