【ローズS】多頭数の中京芝2000mは内枠が好成績 逃げ馬は苦戦傾向

佐藤永記

中京芝2000m・16頭立て以上・2勝クラス以上の脚質別成績,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

フルゲートが少ない中京芝2000m

2021年はデータ予想受難の年かもしれない。京都開催がないから色々なレースが開催地を変え、過去傾向が全く使えないと嘆く年だ。このローズSも普段は阪神開催でありながら今年は中京開催。昨年も中京開催だっただけマシなのだが、それ以前の中京開催は2006年まで遡ることになり、さすがに参考にならない。

だが視点を変えることで見えてくることがあるのもデータの面白いところ。中京芝2000mがどんなコースなのかを整理すれば狙える馬が見えてくる。今年はコースに着目して考えてみたい。

中京芝2000mについて過去5年+今年の結果を集計してみたが、あまり極端な傾向はない。枠番別や馬番別、血統、脚質などを見てもあまり差を感じない結果だった。だからさらに条件を絞ってみる。

2016年から中京芝2000mで施行されたレース数は230に及ぶが、A、Bコースともにフルゲートの18頭立てだったのは57レースのみ。今年のローズSは登録馬が22頭でフルゲートで行われるのはほぼ確実。少頭数のデータを参考にしてもしょうがない。なので16頭以上で、結果がブレやすい新馬・未勝利・1勝クラスを除いた13レースを見てみると、極端な結果が出てきた。

まずは馬番別成績だが、圧倒的に数字の小さい馬番の成績がよいことがわかる。1番から6番までで8勝、半数以上の勝ち馬が内枠から出ていることになる。特に1、2、4番でそれぞれ2勝ずつしており、迷ったら内枠の単というのは意識しておきたい。ちなみに昨年中京開催だったローズSでは1枠1番だったリアアメリアが3番人気で終始2番手から抜け出し勝利している。

さらに見てみると、13番が2勝、14番が1勝しており、15番の2着4回も印象的だ。このあたりの馬番が2つ目のピークだろう。昨年のローズSで14番人気の13番ムジカが2着に入っており、このデータの後押しがあったのかもしれない。

逃げ馬は苦戦、若干差し馬優勢

中京芝2000m16頭以上1勝クラス以上脚質別成績,ⒸSPAIA


先ほどの条件で今度は脚質別の成績を見てみよう。

まず、逃げ馬は【0-1-3-10】と大苦戦。しかも内容を見ると、2着3着となった4レースのうち、3レースが2017年に集中。2021年1月寿Sで3着に逃げ粘ったシャフトオブライトの馬番は成績のよい2番、しかも単騎逃げが叶ったレース。逃げ馬の好走には多くのプラス要素が揃うことが大前提だといえる。

他の脚質を見ると勝利数は差し馬が8勝と圧倒的だが、中団からレースをする馬が多く、勝率を見ると先行とさほど変わらない。追込も2勝と全体的な勝率を考えたら悪いわけではないだろう。逃げ以外はフラットと考えていい。

今回の登録馬ではクールキャットが面白そうだ。オークスでは逃げる形がハマらず14着と大敗したが、2000mのフローラSでは4番手からの競馬で上がり3F最速で抜け出し勝利。距離もここなら大丈夫だろう。今回はフローラS1着時の鞍上だったルメール騎手に戻る予定。あとは好成績をあげている馬番を引き当てられれば、巻き返しの単で狙い打ちたい。

中京芝2000m・16頭立て以上・2勝クラス以上の脚質別成績,ⒸSPAIA


<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

《関連記事》
【ローズS】外枠不利を跳ねのけたフローラSに高評価 参考レース分析からの注目馬は?
【セントライト記念】美浦所属の日本ダービー組に好データ! 2つ目の「タイトル」奪取だ
【ローズS】アドマイヤグルーヴなど数々の名牝が制したトライアル ローズSの歴史を振り返る

おすすめ記事