【川崎記念】東京大賞典組が狙い ケイティブレイブに運も味方
2020-01-26 17:00:24門田光生
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
前走、東京大賞典組が有利
今年初めてのJpnI競走は川崎競馬場で行われる川崎記念。川崎は左回りの競馬場で、1周が1200m、直線300m。カーブがきつい平坦コースとなっている。川崎記念が行われる2100mは2コーナーすぎがスタート地点。最初のコーナーまでが長く、先手争いが激しくなることも多い。
南関東4場(ほかに大井、船橋、浦和)の中では最も時計がかかる。また、雨が降って重馬場になると、さらに時計がかかることがある。ここが地方競馬の難しいところで、中央のダートコースのように時計が速くなる競馬場もあれば、良馬場と全く時計が変わらない競馬場、さらには川崎のようにかかる競馬場もある。
川崎記念は前走で東京大賞典を使った馬が好成績を残しているのが特徴。今年のメンバーだとケイティブレイブ。
その東京大賞典は地方所属馬が2、3着に入る大健闘を見せた。これまでの傾向から中距離の交流重賞(牝馬限定を除く)は圧倒的にJRA所属馬が有利だったし、しかも暮れの大一番でのものだから驚きだ。
では、なぜそんな結果になったのか。やはり展開に尽きるだろう。JRA勢が先行集団を形成し、終始前掛かりの流れ。勝負どころで勝ち馬のオメガパフューム、そして3着のモジアナフレイバーが楽な感じで上がって行けたのは、逆にいえば先行集団に足が残っていなかった証拠。しまいにかけた2着のノンコノユメはその恩恵をフルに生かした印象だ。
大井競馬場は南関東4場の中で最も広く、そして差しが利く競馬場。対する川崎競馬場はというと、コーナーがきつく基本的に前有利。昨年もそうだったが、直線入り口では少なくとも前3頭までには位置したいところだ。
運も味方ケイティブレイブ
同時期に東海Sが行われるため、登録が重複している有力馬が多い。今年でいえばアナザートゥルース、アングライフェン、インティ、そしてヒストリーメイカーがそう。どれも出走してくれば有力候補だが、優先順上位のインティら3頭が東海Sへ回ったことで、補欠馬が出走可能となった。当然ながら繰り上がった馬は運がいいといえるが、もう1頭、幸運と思える馬がいる。それはケイティブレイブ。前述の通り東京大賞典は前崩れに泣いたのだが、今回は強力な先行馬であるインティが東海Sへ回ったことにより、得意の先行抜け出しパターンに持ち込めそう。何といっても唯一の東京大賞典組というのが魅力だ。
強敵はチュウワウィザード。ここまで14戦して11連対という超堅実派で、交流重賞でも結果を残している。初めての川崎競馬場だが、器用さが求められるコースはきっと合う。軸としてならこちらの方が信頼度は上かもしれない。
デルマルーヴルは前走で名古屋GPを勝ち、余勢を駆っての出走。その名古屋GPは好位のインでなだめ、勝負どころで2着馬の早仕掛けを見抜いたかのようにワンテンポ遅らせて進出。馬の力はもちろんだが、鞍上の好騎乗も目立った。この馬の凄いところは、3歳時に海外遠征へ行って、それ以降一度もガタッときていないところ。よほど芯が強いのだろう。
同じレースで3着だったアナザートゥルースは、逆になし崩しに足を使ってしまった印象。この名古屋GPの結果は展開のアヤで、もう一度やれば上位の着順が入れ替わる可能性が極めて高い。
連覇を狙うミツバは全盛期の勢いがなく、繰り上がったメイプルブラザーは重賞実績がない。地方馬ならデルマルーヴルとクビ差の勝負をしたことがあるミューチャリーだろうが、10月以来の実戦というのは気になるところ。
軸として考えるならチュウワウィザードだと思うが、それでは大きな配当は望めない。ここはケイティブレイブの頭狙いで強気にいきたい。
◎ケイティブレイブ
○チュウワウィザード
▲デルマルーヴル
△アナザートゥルース
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお) 競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。