【東京大賞典】帝王賞、JBCクラシックと年齢がリンクする 今年は4歳馬の出番

2019-12-28 17:00:18門田光生
2019年東京大賞典で本命に推されたオメガパフュームⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

地方の祭典

中央競馬の大一番が有馬記念ならば、地方競馬はこの12月29日(日)に行われる東京大賞典となる。昨年の1~3着を含め、今年も豪華な顔ぶれがそろった。

地方交流重賞は傾向として、2歳戦や短距離なら地方馬でもほぼ互角に戦えているが、距離が延びれば延びるほど中央勢が優勢となっている。この東京大賞典も例にもれず、ここ5年で地方馬が馬券に絡んだのは2014年のサミットストーン(船橋、3着)だけだ。地方競馬の祭典なので何とか頑張ってほしい気持ちがあるのだが、やはり今回も中央馬中心に考えた方がよさそう。

その中央勢だが、ここ5年で馬券に絡んだ馬のほとんどがチャンピオンズCからの参戦。ただし、好走した馬が優勢かといえばそうでなく、大敗から巻き返してくる馬も少なくない。

チャンピオンズCの方がメンバーが揃っていることもあるだろうが、中京コースと大井コースでは求められるものが違うようだ。大井は地方の中でも差しが利く競馬場。もちろん、先行力があることに越したことはないのだが、中京で不発だった差し馬がコース替わりで一変のケースも多いということだろう。

今年のチャンンピオンズCは先行、イン有利の印象が強かった。今回の出走馬で最先着馬は2着のゴールドドリーム。流れを思えばいい位置で運べたのは間違いないが、抜け出す時の反応が他馬とは違った。ただ、それ以上に勝ち馬の決め手が上だったということ。6着のオメガパフュームは中団でもまれ込む位置。展開も向かず。ロンドンタウンは好位で流れに乗って10着。一線級が相手だとまだ分が悪いか。

浦和記念組はここ5年で3着が1回と王道ではないが、1着馬ケイティブレイブは東京大賞典で2年連続3着の実績馬。故障明けで王道ローテーションを歩めなかっただけで力は十分足りる。勝ち内容もよく、反動さえなければ今回も好勝負必至だ。

地方馬はデータ的に厳しくなっているが、勝島王冠勝ちのモジアナフレイバーはさらにひと皮むけたようなレースぶり。この強敵相手に、ホームでどこまでやれるか楽しみ。

つながる帝王賞とJBC、そして東京大賞典

前哨戦を見た感じでは、やはりゴールドドリームが強いかなと。これに対抗できるのは、浦和記念を勝ったケイティブレイブ。この2頭の牙城をオメガパフュームがどう崩すかというのが第一印象。しかし、過去の傾向を調べてみると面白いことが分かった。帝王賞、そしてJBCとの関係性が深いのだ。特にここ3年で顕著な特徴が出ている。

主な地方重賞の成績(近5年)

具体的に見ていくと、2016年は帝王賞1着コパノリッキー、3着がサウンドトゥルー。JBCは1着アウォーディー、3着サウンドトゥルー。これらは全て6歳馬で、この年の東京大賞典は6歳馬が2、3着だった。

2017年の帝王賞は2着クリソライト、3着アウォーディー。JBCは1着サウンドトゥルー。3頭とも7歳馬で、東京大賞典は7歳馬が1、2着。

2018年の帝王賞は1着ゴールドドリーム、2着ケイティブレイブ。JBCは1着ケイティブレイブ。馬券に絡んだ6頭中3頭が5歳馬で、東京大賞典は5歳馬が2、3着だった。

要するに、帝王賞、そしてJBCで最も多く馬券に絡んだ世代が東京大賞典で好成績を残しているということ。そこで今年を振り返ってみると、帝王賞、JBCとも4歳馬のオメガパフュームとチュウワウィザードが連対。要するに、今年の東京大賞典で馬券に絡む可能性が最も高いのは4歳世代ということになる。

今年の出走馬で4歳馬はアポロテネシー、オメガパフューム、モジアナフレイバー、そしてロードゴラッソの4頭。この中で軸としてふさわしいのは、やはり実績上位のオメガパフュームだろう。器用なタイプではないので浦和や中京のように、前有利の競馬場では勝ち切れなくても仕方がない。大井の2000mで3戦2勝2着1回。コース適性は抜群で、ここ2走以上にやれるのは間違いない。

結果を残している世代が2頭絡むということで、相手も4歳馬から何頭かチョイス。オメガと同じく広いコースがよさそうなロードゴラッソと、勝島王冠の勝ち方が圧巻だった地方馬モジアナフレイバーを挙げておく。

他世代が全く絡まないわけではないので、ゴールドドリームとケイティブレイブの実力馬2頭は外せないところ。ちなみに人気が予想されるゴールドドリームだが、地力の高さで地方でも結果を出しているが、本質は中央の軽いダート向きだろう。地方で走る限り、どこかスキがないかとうかがうスタンスで予想すると高配にありつける、と思っている。年末の締めのレースを任されたからには少しでも高配の馬券を当てて、2019年を締めくくりたいところ。

◎オメガパフューム
○ケイティブレイブ
▲ゴールドドリーム
△ロードゴラッソ
×モジアナフレイバー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や血統などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。