最寄り駅は?コースの特徴は?東大HCの南関競馬男が浦和競馬場をご紹介
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
浦和競馬場ってこんなところ
11月4日(祝・月)に浦和競馬場で行われるのはJBCレディスクラシック(JpnⅠ・ダ1400m)、JBCスプリント(JpnⅠ・ダ1400m)、JBCクラシック(JpnⅠ・ダ2000m)。現地に多くの人が詰めかけるダート競馬の祭典だ。中央競馬以上に南関東競馬をこよなく愛し、南関4競馬場を“ホームグラウンド”と自称する筆者が浦和競馬場を紹介していく。
浦和競馬場はJR京浜東北線・南浦和駅から、人生の大先輩方とご一緒に無料バスに乗車して約10分(JBC当日はかなりの混雑・渋滞が予想される)。住宅街のど真ん中で、本当にこんなところに競馬場があるの?というところにある。そんな立地もあって、南関4場では唯一ナイター競馬が行われていない。
ちなみに、南浦和駅は京浜東北線で川崎(川崎競馬場)、大井町(大井競馬場)、武蔵野線で府中本町(東京競馬場)、船橋法典(中山競馬場)、南船橋(船橋競馬場)と、関東にある6競馬場全てに電車1本でアクセス可能という非常にデンジャラスな駅なのである。競馬ファン限定で住みたい街ランキングを集計すると不動の一位になるだろう。
そんな浦和競馬場の売りはなんといってもグルメ。中でもチキンカツが柔らかジューシーで絶品だ。焼き鳥屋のおばちゃんはちょっと塩をかけすぎるが、これがビールのお供にはたまらない。
そろそろ競馬のことにも触れるならスタンドと走路との近さが特徴。とはいうものの、実はJBCに備えて行われたスタンド改修後、私もまだ現地に行っていないのでそのあたりがどうなっているかは分からない。だが、改修前と同じなら馬の足音がハッキリ聞こえる距離で観戦できるはず。
平場のレースでは小久保厩舎の馬がとにかく強い。騎手では左海騎手の徹底的な逃げが(良くも悪くも)浦和名物。「初めての浦和でよく知らないんだけど、誰を買えばいいの?」と聞かれれば、笹川翼騎手、張田昂騎手、そして大活躍中のルーキー・福原杏騎手などを推しておこう。
浦和コースの特徴
浦和コースを「前有利」と形容する人がよくいるが、それは半分正解で半分不正解。昨年の秋に馬場改修が行われ、3~4コーナーの馬場が軽くなったことで差しがだいぶ利きやすくなった。しかし、基本的に内が有利なのは間違いないので結果として逃げ切りは多く、大外をぶん回してくるような競馬では届きづらい。そういう意味では「前有利」だが、ペースや進路取りによっては差しも普通に来る。
あと、以前に日本テレビ盃の記事でも述べたが、南関東の競馬場は日によって馬場傾向がまるで異なる。私がここで書いたことよりも当日の馬場を観察し、どこを走った馬が好走しているか注視してほしい。また、例えば逃げと外2番手、イン3番手とその隣では全然価値が違ってくることも多々あるので、枠順は馬番だけでなく並びにも注意が必要だ。
今回のJBCは開催初日で馬場傾向が読めないため、平常時の「やや内が有利な状態」を想定して話を進める。その場合、浦和コースに合う馬にはおおむね以下のような特徴が挙げられる。
1.ゲートがうまい、テンが速い
2.騎手の指示に瞬時に反応できる
3.(逃げ馬でない場合)砂を被ってもパフォーマンスが落ちない
ゲートのうまさが必要なのは前に行くためというより、内に潜るための争いでテンの遅い馬は不利になりやすいということ。必ずしも先行馬である必要はない。普段差しに回している馬を買う時は、スタートが遅くて行けない差し馬なのか、前に行こうと思えば行けるが作戦として控えている馬なのか、過去のレースを観察しておきたい。
騎手の指示に対して反応が悪い馬は狭いスペースや内を突くことが選択肢から消えてしまい、外を回してロスをしがち。同様に砂を被れない馬も外に行かざるを得ず、不利な競馬を強いられる。
ここまで浦和競馬場の特徴を紹介してきた。JBCを見に行く人に少しでもお役に立てれば幸いである。
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