【南部杯】ゴールドドリームに死角なし 対抗は7勝中6勝が左回りの上がり馬

2019-10-13 17:00:00門田光生
本命に推されたゴールドドリームⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

大型馬が大活躍

10月14日(月・祝)に岩手の盛岡競馬場でマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)が行われる。最高級の格付けレースだけあって、毎年JRAからダートのトップホースが参戦。

昨年はルヴァンスレーヴとゴールドドリームという二強の一騎打ちが実現し、3歳馬ルヴァンスレーヴがゴールドドリームの追撃を振り切ってV。続くチャンピオンズCも勝ち、文句なしで最優秀ダートホースに輝いた。

盛岡競馬場で行われるレースを展望するのも今回で3回目。簡単に特徴をおさらいしておく。盛岡競馬場は芝とダートを併設する唯一の地方競馬場。左回りで1周距離はダート1600m、大井(外回り)、門別(外回り)と並んで広い競馬場といえる。薄暮競馬用に照明灯が設備されており、日没後に行われた昨年の南部杯は、もはやナイター競馬と同様の雰囲気で行われた。

南部杯の過去5年ⒸSPAIA

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上記は過去5年の成績表。ベストウォーリア、コパノリッキーが連続で馬券圏内に入っている。今年のメンバーで、過去に馬券絡みした馬はゴールドドリームとノボバカラ。人気が予想されるゴールドドリームはともかく、ノボバカラにも注目して損はないだろう。

また、1番人気が全て連絡みしている点も見逃せない。低人気が絡んだのは2年前の7番人気ノボバカラだけ。無謀な穴狙いは禁物だ。

最後に馬体重。ダート馬は大型馬のイメージがあるにしても、馬券に絡んだ15頭中、12頭が500キロを超えていた。盛岡競馬場は高低差の激しいコース。より馬力が必要なのかもしれない。

死角なしゴールドドリーム

距離が延びれば延びるほど堅く収まる傾向にあるのが地方交流重賞。その点から考えるとマイルという距離はどちらに転ぶか分からないのだが、このレースに関しては1番人気が抜群の成績を挙げている。今回1番人気が予想されるのはゴールドドリーム。

これまで帝王賞、フェブラリーS、チャンピオンズCなど、中央、地方の大レースをたくさん勝ってきた馬。この南部杯は2年前にまさかの5着があるが、出遅れてレースにならず。昨年がルヴァンスレーヴの2着だからコースが合わないことはないはず。リピーターでもあり、馬体重も500キロ超え。実力もデータ的にも文句なしの本命だ。

ベテラン勢が多い中で、楽しみなのがアルクトゥス。7勝中6勝が左回りで、ダート1600mは4戦4勝。前走のプロキオンは距離が1400mということもあってズブさを見せていたが、後続が来れば来るだけ伸びるという強い内容。550キロ近い馬体があり、データ通りならタフな盛岡のダートも苦にしないはずだ。

ノボバカラはリピーターという点で押さえておきたい馬。森厩舎へ転厩してから再び上昇気流に乗っているのは間違いない。

サインライズノヴァは左回りのダート1600mの重賞、ユニコーンSと武蔵野Sを勝っている。条件は合いそうだが、何せ極端な脚質の追い込み馬。とはいえ2走前のさきたま杯より条件はいいので、連なら可能性はありそう。

ミツバは過去に盛岡で行われたマーキュリーCを連覇した実績がある。左回りの川崎記念も勝っており、サウスポーの可能性は高い。一時期もまれ弱さを克服したかと思ったが、やはり外を回る形がベスト。外を回っても届く盛岡が合うのだろう。

地方馬では大井のモジアナフレイバーになるか。帝王賞ではインティやサウンドトゥルーなど中央勢に先着している。前回よりメンバーは落ちるが、地元の利がない今回は勝ち負けまではどうか。

◎ゴールドドリーム
○アルクトゥス
▲ノボバカラ
△サンライズノヴァ
×ミツバ
とする。

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《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。