【日本テレビ盃】船橋は俺の庭 出番ですよ!アポロケンタッキー
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
JRA勢が独壇場の傾向
中央競馬ではクラシックトライアルや古馬GIの前哨戦が毎週のように行われているが、地方競馬も「Road to JBC」と銘打って、JBCの出走枠を巡る戦いが全国で繰り広げられる。
その第一弾が「日本テレビ盃」。昨年の勝ち馬ケイティブレイブはその勢いで、続くJBCクラシックも勝利。本番につながる前哨戦として要注目だ。
舞台は船橋競馬場。まずは簡単に競馬場の紹介を。1周1400m(外回り)の左回りコースで、2015年からナイター競馬が行われている。大きな特徴といえばスパイラルカーブの採用。スパイラルカーブとはコーナーの入り口が緩やかで、出口はきつい。また、直線でバラけやすいので差しも決まるという特徴がある。
内回りと外回りがあり、日本テレビ盃が行われるダート1800mは外回りで、正面奥のポケットからスタート。ちなみに、船橋のダート1800mのレコードは1分47秒8。JRAのレコードが1分47秒6なので、時計が出るコースといってよく、JRA勢には走りやすい競馬場といえるかもしれない。
だからか、この日本テレビ盃はここ5年、JRA勢が1~3着を独占。今年こそJRA勢の牙城を地方勢が崩せるのか、そこが一つのポイントになるだろう。また、4番人気以内の馬が上位を占めているように、堅いレースとしても有名である。
余談だが、船橋は馬の好物でも知られている人参の産地。「船橋にんじん」というブランド人参が有名。船橋競馬場のマスコットキャラクターは「キャロッタ」君だ。
軸ならアポロケンタッキー
今回の注目は何といってもクリソベリル。4戦4勝で3歳ダート界の頂点に立った超エリートだ。園田の兵庫CS、大井のジャパンダートダービーともにライバルをねじ伏せての勝利。世代レベルの高低はまだ分からないが、少なくとも同世代で抜けた存在なのは間違いない。
この日本テレビ盃だが、実は3歳馬の挑戦がほとんどない。ここ10年で見ても3頭の地方所属馬が挑戦しただけ。馬券圏内に入った馬はゼロ。データ的には未知すぎて推しづらい。全兄クリソライトもジャパンダートダービーを勝っているのだが、古馬初対戦となったJCBクラシックで負けてからスランプに陥った。その時とはローテーションや相手関係が違うとはいえ、全く同じことが起こらないとはいえない。
なので、軸としてはアポロケンタッキーの方がベターだろう。4歳時に大井の東京大賞典を制して以来、地方重賞の常連である。下記の表を見て頂ければ分かると思うが、南関東の中でも船橋の成績が抜群にいい。コンスタントに成績を挙げているように見えて、実は船橋以外はそれほどでもない。毎回ある程度人気するので、船橋では買い、それ以外では見送りというスタンスで間違いない。また、ここ2年は前走で帝王賞を走った馬が3着までを独占。ローテーション的にも文句なしだ。
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残るJRA勢はヒラボクラターシュとロンドンタウン。ヒラボクラターシュは前走が構え過ぎた印象で、勝負どころで思ったほど上がって行けず、伸びそうで伸びずに終わった。ある程度のポジションを取って早めに仕掛けるのがこの馬の戦法。広い中央より地方競馬の方が合っている。
ロンドンタウンは前走が物足りないが、大外枠で足がたまらなかったか。時計勝負に強い印象なので船橋コースは合うかもしれない。
苦戦が続いている地方馬だが、今年はノンコノユメが出走。元JRA所属でGIフェブラリーSを勝った実績馬。本質はマイラーなのだろうが、フェブラリーSと同じ左回りに変わるのは好材料だ。
馬券はアポロケンタッキーからクリソベリル、ノンコノユメを厚めに、ヒラボクラターシュとロンドンタウンが押さえ。3連休の最後に行われるレースなので負けている人は逆転を狙いたいところ。
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。