【東京盃回顧】ヤマニンチェルキが重賞3連勝を飾る 岩田望来騎手「強い勝ち方だったので、次も自信を持って挑めると思います」

2025-10-10 11:02:19三木俊幸
2025年東京盃勝ち馬ヤマニンチェルキ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

5番手追走から抜け出す

3日連続重賞開催となった大井競馬場で行われた東京盃(JpnⅡ・ダート1200m)は岩田望来騎手騎乗の3歳馬ヤマニンチェルキが勝利し、重賞3連勝を飾った。

スタートで出遅れたトーセンサンダーが直後に落馬して競走中止となったなか、最内からエンテレケイアがハナを奪う。

しかし2番ゲートから好スタートを切ったマックスも食い下がり横並びの2番手。その他にもサンライズアムール、シアージストも積極的に出していき4頭が広がる先行争い。400mまで12.2-10.4(22.6)、特に200〜400mまでの2ハロン目が速くなり、ペースは流れた。

完璧なスタートとは言えなかったヤマニンチェルキではあったが、「今日の前のレースなどを見ていると、前がなかなか止まらない傾向にあったので、早めに前につけるイメージで」という鞍上のプランどおりに先行争いを前に見ながら徐々にポジションを押し上げ、3角入口では内ラチ沿いの5番手に収まった。

その後もロスのない立ち回りで、直線は逃げていた最内のエンテレケイアと外サンライズアムールの間から伸びて残り200mで先頭に立つと、後続を寄せ付けることなく2馬身差。勝ちタイムは1:10.7で決着した。

3走前の北海道スプリントCは同じ1200mながら3歳限定戦、前走のサマーチャンピオンは1400m戦。今回は重賞実績のある1200m路線のスペシャリストの古馬との戦いで、どこまでやれるか試金石の一戦だったが、全く問題にしなかった。これからまだまだ強くなっていきそうな印象を受ける。

管理する中村直也調教師によると「馬の状態を確認してからになりますが、JBC スプリントを頭に入れながら考えたいと思います」とのこと。

今年は船橋競馬場のダート1000mが舞台で、出走となればGⅠ級競走初挑戦、初距離にもなる。「強い勝ち方だったので、次も自信を持って挑めると思います」と岩田望来騎手は語ったが、どのようなレースをするのか引き続き注目だ。

上がり最速の末脚で伸びたクロジシジョーが2着

2着にはクロジシジョーが入った。これまでダート1200mの重賞で2着が3回、春はドバイに遠征してGⅠ・ドバイゴールデンシャヒーンで4着に入るなど、1200mでの実績は十分。前走1400mのサマーチャンピオンでは7着に終わったが、適距離での巻き返しが期待された一戦だった。

今回も10番手と中団追走から、レース上がり36.9(12.4-11.8-12.7)のところ上がり最速の35.8の末脚で伸びてきたものの、勝ち馬との位置取りの差が大きくまたしても勝ち切ることはできなかった。

サンライズアムールは、気合をつけて先行争いに加わり3番手からのレース運び。勝負所からは外を回して直線に向いたが、ヤマニンチェルキには並ぶ間もなくあっさりと交わされてしまい最後までジリジリとした脚色で、ゴール前クロジシジョーに差されてさらに半馬身遅れの3着という結果に終わった。

《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

《関連記事》
【東京盃回顧】結果/払戻
【ジャパンダートクラシック回顧】ナルカミが3馬身差で逃げ切り 戸崎圭太騎手「最後まで押し切れるのではないかと思いました」
【レディスプレリュード回顧】キャリア20戦目でダート初挑戦 ビヨンドザヴァレーが大外から差し切り重賞初制覇