【川崎記念回顧】8歳メイショウハリオが復活の勝利 浜中俊騎手「嬉しくて嬉しくてたまらない」

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
捲りに追随したところが勝利のポイント
昨年から施行時期が4月へと移った川崎記念(JpnⅠ・ダート2100m)が9日、川崎競馬場で行われ、浜中俊騎手が騎乗した3番人気メイショウハリオが勝利。2023年の帝王賞以来となる4度目のJpnⅠ制覇を飾った。
ライトウォーリアとミックファイアが出遅れてダイシンピスケスが楽に先頭に立ったが、いつものように気合をつけながらもすぐさまメイショウフンジンがハナを奪う形で落ち着いた。
300m通過してから1300mまでのラップは13.4-14.8-13.8-13.6-14.2とスローペースで流れる。しかし6番手の外を追走していたディクテオンがこのペースを嫌って一気に捲っていき、11.8までペースアップ。
メイショウハリオは8歳を迎え、以前ほどスムーズには調整できないこともあったというなかで浜中騎手が「順調に来ましたし、良い状態じゃないかなという思いもあったので一気に行っても大丈夫だと思いました」と振り返ったように、一列後ろからディクテオンに追随して行き切ったところが勝利をたぐり寄せたポイントだったと言えるだろう。
2周目の3角で先頭に躍り出ると直線もそのまま押し切って、後続には3/4馬身差。勝ちタイムは2:18.0(稍重)での決着となった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
前回の勝利となった2023年帝王賞のあとは、掲示板にこそ載るも勝ちきれず。2024年にはサウジC出走に向けて遠征するも歩様の違和感があって出走取消。無理せずドバイへと思っていた矢先に転戦不可となり帰国を余儀なくされたこともあった。
その後はJBCクラシック2着と復調の兆しもあったなかでの今回の勝利。「メイショウハリオが久しぶりにGⅠ級を勝てて、僕はそれが嬉しくて嬉しくてたまらないです」と語った浜中騎手の笑顔には全てが報われた安堵感が滲み出ていたような気がした。
ディクテオンは捲って勝ちにいくも2着
ディクテオンは2023年の浦和記念を制した際にも後方追走から同様に捲る競馬を見せていたように、自ら動けるところが強みの一つでもある。今回は初騎乗ながら、その強みを活かして勝ちにいく騎乗をした矢野貴之騎手の好判断が2着という結果に繋がった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
1番人気に推されていたサンライズジパングはディクテオンから半馬身遅れた3着に敗れた。音無秀孝厩舎の解散で新谷功一厩舎へ転厩して挑んだレースだったが、馬体重16kg減はやや減りすぎだったのかもしれない。
道中は5番手を追走したが、レースが動いたところで上位2頭についていくことができず、小回りコースへの適性の差が出た。広いコースなら巻き返してくるだろう。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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