【マリーンC】テンカジョウがハイペースを味方に鮮やかに差し切り勝ち 5馬身差で重賞初制覇を飾る
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
先行争い激化でハイペースの展開
これまで4月に3歳以上の牝馬限定1600m戦として行われていたマリーンCだったが、時期が9月に移動し、3歳限定戦として距離も1800mに変更された。今年は6頭立ても、ダートグレード競走を勝利しているアンモシエラとアンデスビエントが出走。この2頭が実績上位というメンバー構成となっていた。
しかしスタートを切ると、逃げる競馬で結果を残してきた上記2頭による先行争いが激化。後続を引き離して1周目のスタンド前を通過。11.6-10.8(22.4)とダート1800m戦とは思えない幕開けとなった。
2角から向正面に差しかかるところで12.5-13.2-13.1とペースは緩んだが、さすがにオーバーペース。3番手につけていたザオ、4番手のクラヴィコードも含めた4頭が固まる展開となった。
3角でアンデスビエントは後退。4角から直線に向くところで、地元船橋所属のザオがアンモシエラを振り切って押し切るかと思われたが、残り200mを切ったところで後方から運んでいたテンカジョウが突き抜け、2着クラヴィコードに5馬身差をつけた。勝ちタイムは1:53.5で重賞初制覇を飾った。
国分優作騎手「もっと良くなると思っています」
テンカジョウは1勝クラス、2勝クラスと連勝してマリーンCに参戦。特に前走は大きく立ち上がるなど、スタートに課題がありながらも後方から差し切るという内容だったが、後続に2馬身半差をつける完勝。今回は2番人気に支持されていた。
前2走より改善されていたものの、今回もスタートは遅く、後方2番手からじっくり運ぶ形となった。想像以上にペースが流れたことは、テンカジョウに味方した。それでも道中はリラックスした走りに映り、4角もロスなく立ち回り最後の直線へ。末脚は地力の高さを証明するものであり、3連勝とまだ底を見せていない。
騎乗した国分優作騎手も「これから先、もっと良くなると思っていますので、一緒に活躍していきたいです」と期待を寄せている。この勝利でJBCレディスクラシックへの優先出走権を獲得。重賞戦線で活躍する古馬相手にどのようなレースを見せてくれるのか注目だ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ザオは大健闘の3着
クラヴィコードも札幌で連勝しての参戦だった。最内枠からスタートするも今回が2度目の騎乗だった笹川翼騎手は、道中砂を被らないように騎乗していたように感じた。外を回るロスがあり、4角で勝ち馬と比較すると脚色は良くなかったが、最後までしぶとく食い下がり、最後は競り勝って2着に入ったことは評価したい。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
前走で戻した馬体を維持して出走したザオは、序盤は前2頭を見ながらのレース。その後は手応え良く並びかけ、直線に向いた時点では「おっ!」と思わせた吉原寛人騎手の騎乗も見事だった。最後は脚色が鈍り、アタマ差の3着に終わったが、大健闘と言っていいだろう。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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