【マーキュリーC】左回り克服ケイアイパープルが重賞2勝目へ 地方勢も豪華メンバー
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ケイアイパープルが重賞2勝目へ
2022年7月18日に盛岡競馬場で行われる第26回マーキュリーC(JpnⅢ)。前月に、同じ中距離の交流重賞・帝王賞(JpnI)が大井競馬場で行われる関係から、超一流の中距離馬が参戦してくる確率は低い。といっても、近年ダート路線が整備された効果で層がかなり厚くなっており、重賞にふさわしいメンバーが毎年顔をそろえている。
今年のJRA勢は中央、地方合わせて重賞3勝のメイショウカズサ、佐賀記念を勝ったケイアイパープルなどがスタンバイ。地方勢も豪華で、ダイオライト記念勝ちのノーヴァレンダ、当地で行われたダービーグランプリを制しているギガキング、2歳時にJpnⅠ勝ちがあるヴァケーションなどが参戦。今年も熱い戦いが期待できそうだ。
簡単にマーキュリーCの傾向を見ていこう。ここ5年の成績を調べてみると、馬券に絡んだ15頭中、14頭がJRA所属馬。同じく15頭中、14頭が5番人気以内であった。例外はともに2020年の3着馬で、地元・岩手所属で6番人気のランガディア。それでも3連単は5860円。荒れる可能性の少ないレースだと考えて間違いないだろう。
2018年の勝ち馬ミツバ、そして2021年の勝ち馬マスターフェンサーは、ともに平安Sからの参戦だった。今年、その平安Sを経て挑むのがケイアイパープル(JRA)。実績馬テーオーケインズに続く2着だった。昨年に引き続き、今年も平安Sは中京競馬場で行われたが、これまで結果が出ていないかった左回りで好走できたのは、同じく左回りの盛岡で行われる今回に向けて大きな自信となるだろう。早め先頭から押し切った佐賀記念、そして名古屋大賞典でも好走(2着)しており、地方ダートへの適性は証明済み。JRA勢で最も戴冠に近いのはこの馬といえる。
メイショウカズサ(JRA)は小倉で行われたプロキオンS、そして金沢の白山大賞典でともにレコード勝ち。自分の形に持ち込めれば強さを発揮するタイプだ。前走のダイオライト記念は外の馬が速くて行き切れず、もろさが出てしまったが、ハナを切る形なら一変があってもおかしくない。
前走のダイオライト記念でメイショウカズサのハナを叩いて逃げ切ったのがノーヴァレンダ(川崎)。勝負どころで早めにプレッシャーをかけられたが、それを振り切っての勝利だから、展開に恵まれただけでは済ませられない。2歳時の全日本2歳優駿(JpnI)勝ちを含め、地方で7戦してすべて3着以内。左回りの地方競馬場に限ると【4-1-0-0】。南関東へ転入後はいずれも逃げる競馬で、今回も同型との先手争いがカギになるが、ベストの条件なら前走の再現があって不思議ない。
展開面でいえばテリオスベル(JRA)の出方も気になるところ。中距離で挙げた4勝はいずれも逃げ切り。出足が特別速いわけではないが、同型の上記2頭に比べて斤量が軽く、さらに同型より内枠を引けたのも大きい。この馬が先手を取るようだと、流れが大きく変わってくるかもしれない。
これら先行勢がやり合えば、ギガキング(船橋)にも勝機が出てくる。昨年、同じ盛岡2000mで行われたダービーグランプリを強い内容で勝利。2歳時にも当地で重賞勝ちがあり、舞台適性と展開利を味方に上位進出をうかがう。地元馬では、2歳時に全日本2歳優駿(JpnI)勝ちの実績があるヴァケーション(岩手)に期待したい。
◎ケイアイパープル
◯メイショウカズサ
▲ノーヴァレンダ
△テリオスベル
×ギガキング
×ヴァケーション
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
北海道へは行ったことがあるのですが、東北は未知の世界。いい温泉がたくさんあるとのことなので、いつか巡ってみたいものですね。